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平成13年6月定例会〈一般質問〉
  「藤沢市芸術文化振興財団のあり方」について

【質問】芸術文化は、一人ひとりの創造性を開き、多様性を尊重する社会を作ります。それは、人への尊敬と愛情の心を抱かせ、青少年の心を柔らかな絆で結びつける優れた役割があるからであると思います。
  そこで、本市は、よく「文化都市ふじさわ」といった表現で例えられる事がありますが、それは、市内に5つの大学があること、またこれらの大学とネットワークを持つ図書館の蔵書数。湘南台の市民シアターや公民館での市民グループによる公演や文化講座など、本市が市民文化の発展に努力されてきたたまものであると思います。取り分けその中でも、藤沢市の芸術文化の振興を図る中心的な役割を果たしているのが財団法人「藤沢市芸術文化振興財団」であると思います。  
  私も鑑賞させて頂きましたが、藤沢市民オペラ「ラ・ボエーム」など、実際に大変素晴らしい事業を展開されてきていると思います。  
  このように、本市の芸術文化振興に多大な貢献をされ、また、今後も市民文化の振興に務める立場として捉え、本日は何点かの質問をさせて頂きたいと思います。
  まず、藤沢市芸術文化振興財団の事業内容についてでありますが、市民会館及び湘南台市民シアターを拠点として、当面は音楽、演劇等の舞台芸術を主体とした事業を展開していくとお聞きしておりますが、何故、音楽や演劇等の舞台芸術を主体とした事業に絞らなければいけないのか、他にも美術、文学、地域の伝統文化等、様々な芸術文化が存在する中で、もう少しバランスの取れた事業展開を考えるべきであると思います。  
  特に、芸術文化活動への助成として、「舞台芸術」を対象に限定した助成事業を行っておられますが、本来は、藤沢市の芸術文化振興に務めている全てのジャンルの団体・個人を対象とすべきであると思いますが、出資をしている立場から、本市のお考えをお聞かせ頂きたいと思います。  
  また、新進・若手芸術家を育てることは、財団を設立した大きな目標であったと考えておりますが、どのような支援策が行われているのか、お聞かせ頂きたいと思います。

【市長の答え】藤沢市芸術文化振興財団」のあり方についての1点目でございますが、1992年(平成4年)に、財団法人藤沢市芸術文化振興財団を発足させ、自主事業や情報の収集・提供事業そして助成事業を実施してまいりました。  
  事業の実施にあたりましては、藤沢市芸術文化振興財団の設立経過に基づき、芸術文化の振興の対象を音楽、演劇を中心にした舞台芸術を基本としてまいりました。  また、他の分野の芸術文化の振興につきましては、伝統文化の事業は、これまでも実施しているところでございますが、美術等のいわゆる壁面芸術の分野につきましては長年にわたり、市展をはじめ数多くの事業を教育委員会が、その役割を担ってきております。この役割の中で文化行政が時代の変化に対応できますよう、連携を密にし努力をしてまいりたいと存じます。より幅広く市民文化の振興を図るための事業を、限られた予算の中で、いかにバランスの取れたものとするか、大切なことでありますので、財団の組織であります理事会・企画委員会などにおいて今後とも議論をお願いしてまいりたいと存じます。  
  2点目の芸術文化活動への助成ですが、限られた予算の中では、現状を維持するのも厳しい状況でございますので、対象を舞台芸術に絞らざるを得ないと考えているところでございます。  
  3点目の新進・若手芸術家の育成でございますが、藤沢を中心とした湘南地域ゆかりの演奏家の育成とその発表の場を提供することを目的に、平成10年度・12年度に「湘南の音楽家たち」を実施し、合わせて246組の応募がございました。また、過去4回にわたって開催いたしました「藤沢オペラコンクール」を通じ、新人声楽家たちを楽壇に送り出し、さらに、藤沢市民オペラへの登用を通じまして藤沢市民との交流も深めてきたところでございます。  
よろしくご理解をいただきたいと存じます。

【再質問】 舞台芸術以外の分野と藤沢市芸術文化振興財団との関わり方については、美術等の壁面芸術の分野については、教育委員会の役割だから支援していないとのことですが、「市展」を初め、様々な芸術文化の作品の展示などに、市民会館展示ホールの活用などは、大いに芸術文化振興財団の方から働きかけても良いのではないかと思いますが、如何お考えかお聞かせ頂きたいと思います。  
  そして次に、助成事業についてですが、御答弁では、「限られた予算の中では助成対象を広げることは難しい」とのことでしたが、特定公益法人に「企業メセナ協議会」というものがありまして、藤沢市芸術文化振興財団も準会員になっておられるので、よくご存じだと思いますが、これは簡単に言うと、芸術団体の主催により行われる公演事業に対し、個人や企業が「企業メセナ協議会」を通じて寄付をすると税の優遇が受けられるという制度ですが、この制度を使って助成制度を受けるには、プロの芸術家や団体による公演事業が対象となり、公益性のある公演事業であれば、審査の結果助成を受けることが出来るわけですが、藤沢市芸術文化振興財団で行っている自主事業の中にも、幾つか対象となりうる事業があると思いますが、このような制度を活用し自主事業費の節減を図ることで、市民文化の発展に努めるアマチュアの方や団体を助成することも出来ると思いますが、その辺、どのようにお考えかお聞かせ頂きたいと思います。
 そして、本物の芸術文化に触れる教育をより効果的に推進していくためには、「藤沢市芸術文化振興財団」のバックアップがなければ難しいと考ております。  
  優れた舞台芸術を鑑賞するためには、市民会館や市民シアターで行われる公演が最も適していると思いますし、指導者の派遣についても、支援体制を整えていく必要があると思いますが、藤沢市芸術文化振興財団では、本物の芸術文化に触れる教育について、どのように係わっていくべきだとお考えか、お聞かせを頂きたいと思います。

【市民自治部長の答え】財団に対する、まず1点目の、市展をはじめ様々な芸術文化作品の展示に市民会館展示ホールを活用したらどうか、とのご質問にお答えいたします。  「市展」につきましては、昭和26年の第1回展から昭和30年の第5回展までは市役所本庁舎で、また昭和31年の第6回展からは秩父宮記念体育館落成に伴い、同館におきまして、美術・書道・写真・華道の総合展として実施されてまいりました。その後、市民会館が建設されました昭和43年の第18回藤沢市展は、会場を市民会館に移しましたが、スペースの関係で、各部門別の展示となり、同時にこのときからジュニア部門は廃止されました。  
 以降、市民会館を会場といたしましたのは、昭和47年迄の5年間の5回ございまして、その後は秩父宮記念体育館での総合展として実施され、平成7年の第45回藤沢市展からは、市民ギャラリーにおける部門別展として開催され、今日に至っております。  市民会館展示集会ホールの設備は、各種発表会や説明会などに対応したものとなっており、照明やレイアウトも、多様化・大型化しております壁面芸術に対して、行き届いた構造・施設となっておりません。  
 しかしながら、ご希望の美術団体・個人に対しましては、すでに絵画などの審査・発表会などにご利用いただいているところでございます。  
 次に助成事業についてでございますが、企業メセナ協議会からの情報を得まして、各企業の財団からの助成をいただいております。例えば昨年の市民オペラ「ラ・ボエーム」の公演に際しましては、金融・報道関係の3財団をはじめ、芸術文化振興基金等2団体を含め、1180万円の協賛・助成をいただいたところでございます。助成金の確保につきましては、今後とも充分開拓の努力をしてまいりたいと存じます。  
 また、市内のアマチュア団体や個人に対しましての助成につきましては、限られた予算でございますので、検討をさせていただきたい、と存じます。  3点目の「財団が本物の芸術文化にふれる教育にどうかかわっていくのか」とのお尋ねでございますが、当財団の事業展開の基本は「良質の芸術を低廉な価格で提供する」ことでございますので、たとえば中学校に対しましては、財団の自主事業であります市民オペラのゲネプロという総仕上げの際の無料鑑賞の機会の提供や、事業によりましては、小・中学校等へ出向きまして、内容の紹介やご案内をさせていただいているところでございます。因みに昨年のオペラ「ラ・ボエーム」のゲネプロの際には、172名の生徒さんの参加鑑賞がございました。  
 また、これは大人を対象としたものではございますが、芸術鑑賞教室として地域の公民館と協力いたしまして、レクチャーコンサートを行っております。今後とも機会あるごとに青少年をはじめ、より多くの市民が良質の芸術文化にさまざまな方法で触れることができますよう努めてまいりたいと考えております。また、指導者派遣につきましても、学校との協力関係の中で考えてまいりたいと存じます。

【再々質問】 芸術文化振興財団の助成事業に関する、企業メセナ協議会の活用についてでありますが、結局、情報収集で活用しているだけで、協賛金などは企業メセナ協議会からの助成金ではなく、取りあえず市民オペラのように、芸術団体からの助成を受けやすい事業で取り組まれているようですが、企業メセナ協議会の助成実績をみてみると、「北区文化振興財団」「川西市文化財団」「横浜市文化振興財団」「富山県文化振興財団」「世田谷コミュニティ振興交流財団」など、数多くの行政関係の財団が助成を受けていることを考えれば、本市の芸術文化振興財団も、もっと積極的に活用しても良いのではと思いますので、是非ご検討頂きたいと思います。  
  次に、「本物の芸術文化に触れる教育」についてでありますが、本市の文化部活動の現状は、あまりかんばしい状況とは言えないと思います。しかし、御答弁であったように、芸術文化振興財団が積極的に関わっていくことで、状況は大きく変わってくるとは思いますが、仮に財団が指導者の派遣をするにしても、音楽や演劇以外の分野については対象外となってくると思います。そこで、何人かの美術家の方にお話をお聞きしたところ、お話さえ有れば是非子どもたちに教えてあげたい、また、係わっていきたいと言っておられました。 したがいまして、この辺の取りまとめについては、是非、芸術文化振興財団で行って頂きたいと思いますが如何でしょうか。  
 そして、本市の芸術文化振興全般に渡っての考え方でありますが、藤沢市芸術文化振興財団は、市民会館や市民シアターで行われる公演事業を中心とした。いわば興行団体的な要素が強く。舞台芸術以外の分野は、社会教育の一貫として教育委員会にゆだねているというのが実状であると思いますが、確かに市民会館や展示ホールが鑑賞用展示に適さない環境なのかもしれませんが、財団のあり方としては、これからは本市の芸術文化振興を推進する中心的な立場で、全てのジャンルと関わり合いながら、総合的な芸術文化の事業運営を図り、例えば、先程の文化部への指導者派遣ですとか、本市の芸術文化活動を広く紹介するホームページの運営ですとか、文字通り本市の芸術文化の振興を推進する立場として、そのあり方を見直すときに来ていると思いますが、市長は芸術文化振興財団の理事長でもありますが、お立場としては、市長のお立場でも結構ですので、この辺の考え方について、どのようにお持ちなのか、再度お尋ねをさせていただきます。

【市長の答え】芸術文化振興財団で音楽や演劇以外の分野についても、指導者の派遣が考えられないか、とのご質問でございますが、現在、生涯学習ふじさわプランの中で、様々な学習活動指導者の育成、登録、派遣制度の総合的な検討を位置づけているところであり、これらを念頭におきながら、財団といたしましても、どのような形でその実現を図っていくか、教育現場との連携のもとで考えさせていただきたい、と存じます。
 芸術文化振興財団のあり方につきましては、芸術文化の範囲のとらえ方、本市財団が推進すべき芸術文化事業はすべてにわたるものとするのか、効率性やコストはどうなるのか、あるいは将来的な役割をどこにおいていくか、また具体の話の一例といたしまして、美術などの分野も手がけるとなれば、必要最小限の学芸員の必要も出てくるなど、様々な課題がございます。これらを念頭におきながら、本市財団の在り方、市としての芸術文化振興策について考えてみたいと思います。


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