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平成13年6月定例会〈一般質問〉
  「ひきこもり」について

【質問】学校や仕事に行かず、6ヶ月以上自宅にひきこもっている人達についての相談が、全国の保健所などに年間6000件以上も寄せられていたことが、この春、厚生労働省の初めての全国調査で明らかになりました。また、民間の教育機関が行った一般市民を対象にした「ひきこもり」問題に関するアンケート調査では、身近に「ひきこもり」の若者が居ると答えた人が30%もあり、今後も「ひきこもり」が増加すると考えている人は56.4%にのぼるという報告もされております。
  この「ひきこもり」が社会的に注目されるようになったのは、一昨年暮れ以来の事件、京都府での小学生殺害、新潟県柏崎市で発覚した少女監禁、佐賀県でのバスジャックなどの一連の事件に「ひきこもり」の若者が絡んでいたことが契機だと言われております。そこで、今回の厚生労働省の調査では、「ひきこもり」を「6ヶ月以上自宅にひきこもって社会参加しない状態」と定義し、その中で全国の各施設に寄せられた相談件数は、99年度の1年間で6151件にのぼり、その内6割は家族や親類による相談でした。また、本人の年齢は21歳〜25歳の層が21%で最も多く、31歳以上も19%で、全体の6割近くを21歳以上の人が占めております。また、男性の方が2.7倍多いとゆう報告もされております。そして、「ひきこもり」が始まってから5年以上たつケースが23%、10年以上も8%にのぼり、また、「ひきこもり」に伴う問題行動としては、親への暴力が18%、自傷行為、自殺未遂が2%、また、全体の41%に不登校の経験があったことも明らかになっており、特に学齢期の場合は、児童相談所や教育委員会に相談することができますが、18歳を越えた人達については、保健所や精神保健福祉センターが「病気ではない」として、積極的に関わってこなかった経緯があり、家族が社会から孤立する中で、本人の「ひきこもり」も長期化し、脱却が難しくなっているのが実態のようであります。
 しかし、今回の調査結果では、親への暴力が2割程有ったものの、専門家は「ひきこもり」の若者は総じて気弱で、おとなしい傾向があり、本来まじめで純粋な、愛されるべき人格的要素を備えた若者達であると指摘しております。ただ、長期化したときに、対人恐怖、不眠、家庭内暴力、自殺未遂などの病理につながっていくことも事実であります。また、今回の調査のように、親たちが相談を持ちかけるケースは氷山の一角のようなもので、多くの親たちは身内の恥のように思って、世間から隠そうとし、それが本人にも伝わって、結局相談相手を持たないまま家族ぐるみで世間と絶縁してしまうといった孤立感を、家族全体で受けてしまっていることが指摘されております。  そこでお尋ねを致しますが、このように社会からも注目され始めた「ひきこもり」について、今回の調査結果を踏まえ、藤沢市の「ひきこもり」の実態について、どのように把握されているのかお聞かせ頂きたいと思います。また、本市ではこの問題を行政としてどのように捉えておられるのか、お尋ねを致します。そして、このような実態を踏まえ、厚生労働省は対応策をまとめたガイドラインを全国の精神保健福祉センターや保健所などに示しましたが、本市も近い将来「保健所政令市」への移行を考えておられる立場から、今後どのように対応されていくお考えなのか、お尋ねを致します。

福祉健康部長の答え】「引きこもり」についてお答えいたします。
20代、30代を中心とした「社会的引きこもり」が、近年社会問題化しております。 「社会的引きこもり」は、「引きこもり」の状態にある人が、明確な精神疾患・精神障害を持っており、十分な把握の下に医師の治療を受けている場合は、その対応が可能ですが、病気と呼んでよいか分からない状態で「引きこもり」をおこし、家庭内暴力や自殺等を引き起こしている場合があり、その把握や対応が難しくなっております。 本市における「引きこもり」の実態についてですが、 市の総合相談窓口に年間数件程度「引きこもり」と思われる相談がありますが、その内容によって保健福祉事務所や専門医への紹介を行っております。 「引きこもり」が明らかな精神的疾患とは断定できない部分があること、家族や地域の方あるいは本人などからの申し出がない場合、プライバシーの問題もあり、実態の把握が極めて難しい状況にあります。市としましては、この「引きこもり」の問題を、最近クローズアップされてきている「メンタルヘルス」への対応の一つとして大きな課題であると受け止めております。また、「引きこもり」については、その原因、年齢、家庭環境などが複雑に絡みあって発生していることが多く、今後青少年問題も含め関係する各セクションと連携を図りながら、総合的な対応をしていく必要があると考えております。
  しかし、この「社会的引きこもり」については、日本全体の社会的病理の一側面を反映している部分でもあり、国レベルで精神医学、社会学、教育、司法などの面から総合的に取り組んでいくべき問題と認識しております。  
  本市では、平成18年4月の保健所政令市に向けた準備を進めておりますが、保健所業務としてまた、市民に最も身近な行政主体である市としての「メンタルヘルス」への対応の一つとして、臨床心理士、心理判定員等の専門家を確保するなかで、「引きこもり問題」に取り組んで参りたいと考えております。

【再質問】 本市の「ひきこもり」の実態については、市民総合相談窓口に年間数件程度有ると思われるが、その都度保健福祉事務所や専門医への紹介をしている。また、家族や地域の方、或いは本人からの申し出がない場合は、実態の把握が難しい状況にあるとのことでした。
  ちなみに、私の方で藤沢保健福祉事務所に問い合わせたところ、平成12年度で延べ14件の相談があったそうであります。しかし、民間のカウンセラーや専門家の間では「一説にはひきこもりの人は100万人以上居るとも言われてきたが、今回の全国調査で明らかになった相談件数は明らかに少なく、かなり追いつめられた人でないと相談に行かないであろう」と指摘しております。
  そこで、本市の「ひきこもり」に対する考え方としては、総合的な対応が必要であるとしながらも、具体的には、国レベルで取り組むべき問題であると捉えておられること、また、保健所政令市への移行を踏まえたお考えとしては、平成18年4月までに、臨床心理士や心理判定員などの専門家を確保し取り組んでいきたいとのことで、いわゆる、行政としては総合的な対応は必要だと思うが、国・県の対応を待ちたいというのが本市のお考えであると解釈いたしました。
  勿論、基本的には保健所や保健福祉事務所で専門家による相談体制が出来ていることが前提でありますが、本市も保健所を初めとする関係機関との連携を図りながら相談を受ける体制を明確にすべきであると思います。また、先の全国調査の結果、相談のあったうち41%に不登校の経験があった事を考えても、学齢期に不登校の悩みを抱えていた御家族が、卒業後も相談できる支援体制が必要であると思います。  そして、根本的に「ひきこもり」に対する社会的理解を形成し、正しい認識がされるような取組も必要ではないかと思いますが、これらの「ひきこもり」に対する課題解決に向けた具体的な支援体制づくりについて、行政が率先して取り組むべき問題であると思いますが、再度お考えをお聞きいたします。

福祉健康部長の答え】「引きこもり」に対する具体的な支援体制づくりについてですが、本市では平成14年度に精神保健業務の一部が県から市に移管されることに伴い、保健婦に対し「精神保健福祉相談員」の資格認定研修を行い、精神保健に関する相談業務充実に向けた取り組みを図っているところであります。また、精神保健に関する相談についても、14年度以降は、基本的には医療・保健部分は精神科医師、精神保健福祉士がいる保健福祉事務所、福祉部分が市というように役割分担されてまいります。  
  しかし、相談業務はその性質上、単純に振り分けできるものではありませんので、「引きこもり」で相談に来られた方につきましても、相談の内容を十分に把握し、問題解決のための最適な方法を指導・助言できるよう保健福祉事務所との連携をより一層強化してまいりたいと考えております。 また、平成18年4月の保健所政令市への移行のなかで、「ひきこもり」問題にも対応できる相談・支援体制について検討してまいりたいと考えております。

【要望】 先程もふれましたが、「ひきこもり」が起きている家庭で、相談に来ているのはごく一部の方で、どこに相談をすれば話を聞いてもらえるのか解らないと言うのが現状であります。そこで、厚生労働省の方でも、悩みを抱えたまま放置されてしまっている、本人、御家族への支援体制の強化を特に最優先すべき課題として捉えていると思います。すでに川崎市では、今年の秋をめどに、専門窓口の設置を含めた相談支援体制を整備していくと聞いております。
  しかし本市では、平成14年度に精神保健業務の一部が県から市に移管されることに伴い、精神保健に関する相談業務充実に向けた取組をしていくが、「ひきこもり」に対する相談支援体制については、平成18年4月の保健所政令市への移行の中で検討していきたいとのことでしたが、本市も平成18年といわず、一日も早く相談支援体制の確立を進めて行くべきであると考えますので、早急に検討して頂きたいと思います。  
  また、この問題に対する正しい認識がされていない点も大きな課題であると思います。「ひきこもり」の人が何か犯罪を引き起こすのではないかと行った。余りにも偏った見方がされぬよう、社会的理解を形成する為の取組も是非ご検討頂くよう要望いたします。


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