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平成12年12月定例会〈一般質問〉
  「湘南新産業創出コンソーシアム(ベンチャー企業支援)2000年度事業について」

【質問】「湘南新産業創出コンソーシアム2000年度事業について」お伺いを致します。
  この件については、昨年の12月定例会に於いて、同事業の創設に当たっての目標や事業展開などについてお伺いを致しましたが、めまぐるしいスピードで発展している情報技術や産業形態の多様化が進む中、発足して間もない状況とはいえこの事業が果たす役割は極めて大きいのではないかという観点から、本年度の事業内容や今後の展開などについて、何点かお尋ねをしたいと思います。  
  まず会員の加入状況についてでありますが、会員数は当初の目標に対しどの位進捗しているのか、また、どういった業種の方がおられるのか、お年寄りや女性の方は入会されているのか等についてお聞かせ頂きたいと思います。  
  次に、コンソーシアム事業の根幹といっても良い、情報の提供や産学の交流などのフォーラムや各種セミナーの実施内容と参加状況はどうだったのか、そして参加者からの反響などはどのような物があったのかお尋ねを致します。  
  さらに、この他にも幾つかの事業計画があると思いますが、湘南新産業創出コンソーシアムのホームページを見ると、2000年度事業計画として「新産業情報リサーチ」「新規事業計画づくり支援」「スタッフ・NPOによる支援」「新規事業コンテストの実施と支援」「ベンチャー支援ファンドの設置活用」「インキュベート施設の提供」といった項目が具体的に紹介されておりますが、実際にはこれまでどのような事業が実施されてきているのか、また、未実施の事業については実施に向けてどのように取り組んでいるのかについてお聞かせ頂きたいと思います。

【助役の答え】最初に「会員の加入状況について」にお答えいたします。  
  当初、500名程度を目標として想定いたしましたが、現在、参加会員は、277名となっております。  主な業種といたしましては、製造業43名、ソフト関係42名、教育関係19名、コンサルタント18名で半数近くの122名を構成しており、その他155名は、官公庁、金融関係、学生など幅広く、多種多様な分野に渡っております。また、女性会員は、16名にとどまっておりますが、今後、女性セミナーなどを通じて、女性の積極的な参加 を募ると共に、お年寄りの会員につきましても、経験豊富なシニアの方々に、積極的な参加を求めていきたいと考えております。  
  2点目の「セミナー等への参加状況について」にお答えいたします。  まず、本年9月22日に、川崎、相模原、横須賀各市の産業振興財団も参加し、慶應義塾大学において「新事業開拓支援オープンプレゼンテーション」を開催し、市内企業や学生ベンチャーなど10名のプレゼンテーターによる、新技術や新ビジネスについてのプレゼンテーションを実施いたしました。  当日は、153名が参加され、プレゼンテーション後には、プレゼンテーターを交え、活発な質疑応答が行われました。  
  次に、10月13日、12月1日の2日間で「女性ベンチャー育成セミナー」を開催し、26名が参加され、実際の女性ベンチャーの方による講演、参加者によるグループディスカッションが、大変なご好評をいただいたとともに、このようなセミナーをもっと開催して欲しいという声が数多く寄せられました。今後、参加者の方々からの反響を参考とし、その後の事業展開に繋げていきたいと考えております。
  3点目の「これまでの実施事業について」にお答えいたします。これまでに実施してまいりました事業は、大きく分けて5つの柱で構成されております。  
  1つめの柱は「交流」であります。会員の交流を図る全体フォーラムを昨年12月と本年10月に開催し、それぞれ160名、140名の参加者が集い、活発な交流や情報交換が行われました。  
  2つめの柱は「情報提供」であります。昨年11月に開設した、ホームページに掲示板を加え情報提供及び広報周知のより一層の充実を図っております。また、本年中には、製造業を中心に市内企業の事業内容、保有設備などをデータベース化して、インターネットで公開することにより、新産業創出へのインフラ整備の一環としてまいる予定でございます。  
  3つめの柱は「セミナーの開催」であります。 参加状況等詳細につきましては、先ほどの2点目の回答で述べさせていただきましたが、今後も、新産業の創出やベンチャー企業の育成へのニーズにあったセミナーを実施してまいる所存でございます。  
  4つめの柱は「調査・研究」であります。  「湘南新産業創出コンソーシアム」は、産学官の連携により、本市を中核とした湘南東部地域に、世界に通じるような新産業やベンチャー企業の集積地形成を目指したもので、米国シリコンバレーをモデルとしております。そのため、本年10月15日から21日にかけて、産学官による調査団をシリコンバレーに派遣し、調査研究をしてまいりました。  
  本市からは、早川助役を筆頭に、政策、産業、都市計画の様々な切り口から調査研究をするため、関係各部局の職員が調査団に加わっております。  現地では、いかにしてシリコンバレーが形成されたのか、本市をシリコンバレーに近づけるためには、いかにしたらよいのか、シリコンバレーには無い本市の特色は、などをテーマに行政、ベンチャー企業、大学など幅広い分野に渡って視察し、調査研究をしてまいりました。今後、この調査研究を、さらに深め、その成果を活かした事業展開を図っていきたいと考えております。  
  5つめの柱は「ファンド」であります。  「ファンド」につきましては、「湘南新産業創出コンソーシアム」の主旨に沿った「ファンド」を民間ベースで設立したいということで、検討を積み重ねてきたところでございます。12月中には、ファンド管理会社が設立される予定となっております。その後、このファンド管理会社によって、「ファンド」が集められ、将来性ある企業に投資が行われていく運びとなっております。  
  以上、5つの事業全体について、内容の充実と、円滑な実施を図るため、民間での経験豊富なシニアスタッフ1名を事務局スタッフとして配置しております。 今後は、コンソーシアム事業に賛同していただける方々に、広く呼びかけ、NPOとして組織化し、さらなる事務局スタッフの充実を図っていきたいと考えております。
  4点目の「未実施事業の取り組み状況について」にお答えいたします。 今年度の未実施の事業につきましては、「ニュービジネスコンテスト」「大学・研究機関情報発信」「ファンド」「創業支援」「インキュベート」の5つのワーキンググループを設置しまして、実施に向け具体的に研究・検討しているところでございます。  
  このうち「ニュービジネスコンテスト」は、来年2月下旬に実施する予定であります。  このコンテストは、学生や卒業間もない人、及び若手研究者などに、ベンチャー企業への道を開くことを目的としております。併せて既に、企業を立ち上げている人も、ビジネスチャンスが広げられるようなコンテストも考えております。 その他の未実施事業につきましても、このワーキンググループで具体的に検討し、実現可能なものから順次実施する予定でありますのでよろしくお願い申しあげます。
【再質問】 湘南新産業創出コンソーシアムに関することでありますが、何点か再質問をさせていただきますが、まず、産学官による調査団をシリコンバレーに派遣し、本市をシリコンバレーに近づけるためにはどうしたらよいか、また、シリコンバレーにはない本市の特色などをテーマに調査研究をされてきたとのことですが、調査団の一員であり、行政のトップとして参加された早川助役の率直なご感想を是非お聞かせ頂きたいと思います。  
  また、12月中にはファンド管理会社が設立される予定となっているとのお話がありましたが、民間ベースで設立をしていくようですが会社の運営基盤はどのようになっているのか、市はどのように係わっていくのかについてお聞かせ下さい。  
  また、未実施の事業の中に、インキュベート施設の提供というものがありますが、現在ワーキンググループを設置して具体的に研究検討をしているところとのことでしたが、一応はファンドも設立されて資金面の課題については一つの救いの手がさしのべられたと思いますが、そうなってくると、どうしても資金力のないベンチャー企業には、事業を展開していく場所が最大の課題となってくると思いますが、このインキュベート施設の提供について、どのように考えているのか、再度お聞かせ頂きたいと思います。

【助役の答え】 (早川助役は同行した若手職員のリポートを紹介)
 本市がシリコンバレーをモデルとし「湘南新産業創出コンソーシアム」を立ち上げたのは、慶應義塾大学をスタンフォード大学になぞらえるなど、その類似性に着目したからである。  シリコンバレーがスタンフォード大学を中心に、自然発生的な形成であるのに比して、「湘南新産業創出コンソーシアム」では、人工的な形成を図っている。 幸い、慶應義塾大学を始め、地元大学は「湘南新産業創出コンソーシアム」の主旨に賛同し、参加するなど、シリコンバレーでのスタンフォード大学の役割を担おうとしている。   
  この点については、日本の大学にも健全な大学経営イコール産業ビジネスへの展開という考えが浸透してきたことも重なっている。 市は、学と学、及び、産と学の接着剤あるいは潤滑剤として、シリコンバレーを支える大きな要因の一つである人的ネットワーク形成を図るとともに、ビジネスコンテストなどでの優秀で意欲的な学生の発掘、インキュベート施設による起業時の支援の役割などが求められるとともに、卒業後も暮らし続けたくなるような産業面のみならず福祉・文化など総合的な「まちづくり」を目指すべきだとの印象を持った。
  今回の視察全体を通して、強く感じたことは、シリコンバレー、ラスベガスともに現在、及び、将来に対する強烈な自信である。  冷戦に勝利し、経済において宿敵であった日本がバブル崩壊で自滅したことで、米国こそ世界唯一の超大国であり、あらゆる分野において米国型システムが最強であるという自信が、全ての視察先で感じられた。  米国型システムの基本にあるのは、何事にもリスクを恐れずチャレンジする「フロンティアスピリット」と、何もせずに失敗しない者より、リスクを恐れずチャレンジした失敗した者を評価し、再度のチャンスを与える風土であり、シリコンバレーでは特に強く感じさせられた。
 「リスクを恐れてはいけない。」「チャンスは何度でもある。」という言葉を何度も聞かされた。  また、ベンチャーキャピタルのベンチャー企業への投資も10のうち1つ大当りすれば良いという考えだが、その精神の背景にあるのは、何本かの矢を撃ち、1本でも当たれば、獲物が得られるという狩猟採集民族の意識構造だという。  
  一方、バブル崩壊後の我が国の経済社会情勢を見ると、金融機関の倒産、大幅なリストラ、企業再編など、戦後の我が国が経済大国なるにあたってバックボーンとなった、「企業系列」「終身雇用制度」が崩壊し、社会全体が自信を失い、国から企業、個人まで新たな対応に迫られている。  そして、米国型システムをモデルとした我が国全体の新しい生まれ変わりの必要性が広く指摘され、大胆な規制緩和、構造改革が求められ、その正否に21世紀の日本の生き残りがかかっていると言われており、シリコンバレーでも指摘された。  
  このことは、事実であることは確かだが、そのまま米国型システムを導入することには、抵抗を感じた。それは、シリコンバレーで生まれた有望な企業は、すぐに企業買収の対象となり、経営者も条件次第で直ぐに手放し、そこで得た資金を次の企業立ち上げに回すという風潮や、人の流動性が高く優秀な人材を集めることがたやすいということが、その反面、長期の研究開発には不向きではないかという疑問となり、このシステムで本当に地に足のついたものづくりができるのかと考えさせられたからである。  
  日本には、工員の職人芸のような技術により世界にライバルの無いような優秀な製品を作り出している中小企業が数多く存在し、ハイテク産業も、これらの製品に陰で支えられている。  これら中小企業では、優れた技術が工員から工員へ長い時間をかけて受け継がれていくが、このようなことがシリコンバレーで可能だろうか、不可能だと思う。  「湘南新産業創出コンソーシアム」がシリコンバレーをモデルとし、本市を中核とした湘南東部地域に新産業集積地形成を目指すにあたっては、大学を中心にして、起業家への夢を持ちベンチャー企業を目指す者と、地域の中小企業の優秀な技術・人材がうまく融合し、そこから日本から世界に通じるような新産業が生まれるような日本型システムと米国型システムの長所を併せ持った仕組み作りに勤める必要がある。  
  また、米国のベンチャーキャピタルは、以前には企業を育てるという意識が強くあったが、最近の風潮は、単純な投機目的が多く、仕手戦のようなベンチャー株の売買が横行しているという。 これは、シリコンバレーでは、あまり重要視されていなかったが、決して好ましい状況とは思えず「湘南新産業創出コンソーシアム」の関連で設立を考えているベンチャーファンドは、ベンチャー企業を育てるために暖かい手を差し伸べるようなファンドにしたいと感じた。
  2点目の「ファンド管理会社の運営基盤、および、市との関わりについて」お答えいたします。ファンド管理会社は、正式名称が「湘南藤沢インキュベーション株式会社」となり、本店所在地を藤沢市藤沢109番地の6、藤沢産業センター内として、設立されるものであります。 会社の目的は、資金面を中心とした、ベンチャー企業への総合的な支援であります。 役員につきましては、取締役会長に、藤沢市産業振興財団理事長、代表取締役社長に、慶應義塾大学環境情報学部長、が就任いたします。その他、取締役及び監査役を、藤沢市産業振興財団役員、慶應義塾大学教授、ベンチャーキャピタル、湘南公認会計士会などで、構成しております。資本金は、1千万円で、額面5万円の株式を200株発行し、役員、及び、役員関係者が出資いたします。会社の運営にあたり、主な収入源としておりますのは、主要な事業であるファンドの運営管理に対する運営管理報酬、並びに、コンサルタント報酬などであります。  
  市との関わりにつきましては、あくまでも民間ベースの会社でありますので、運営自体について市が、特段の関わりを持つということはございませんが、事業展開につきましては、湘南新産業創出コンソーシアムを通じて同じ目標を目指し、連携しながら、進めていく形になっていくと考えております。  
  次に、3点目の「インキュベート施設の提供について」にお答えいたします。  ご指摘のとおり、ベンチャー企業育成において、インキュベート施設の提供は、最も重要な要素の1つであります。  そのため、現在ワーキンググループにおいて、創業間もなく資金力が十分でないベンチャー企業に対して、どのようなインキュベート施設が望ましいのか、あるいは、何らかの形で、地域に貢献できる施設にできないか、検討を重ねているところでございます。  今後、先ほど回答させていただきました湘南新産業創出コンソーシアム事業5つの柱に、インキュベート施設の提供が加えられますよう、努めて参りたいと考えておりますので、よろしくお願い申しあげます。

【要望】 只今、早川助役の方から、大変貴重なご意見がありましたので、是非とも今後の事業展開に生かしていただきたいと思います。
  そして、この事業はベンチャー企業を育成し、産業の活性化を図ることが大きなテーマですので、今後は実際に事業を起こす方、起業する方が出てこることが大いに注目されてくると思いますので、明年は是非そう言った成果が現れるよう取り組んでいって頂きたいと思います。


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