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平成12年12月定例会〈一般質問〉
  「交通バリアフリー方の施行に伴う、本市の対応について」

【質問】「交通バリアフリー法の施行に伴う本市の対応について」お伺いを致します。
  現在我が国では、国の調査によると高齢者や障害者、妊婦、けが人などの「移動制約者」とされる人達は、合計すると約2570万人にも上るとされており、つまり人口の25%4人に1人がバリアフリーを必要としております。さらに2015年には65歳以上のお年寄りだけでも人口の25%を突破することが明らかになっており、まさに本格的に高齢社会を向かえようとしております。また、障害のある人も、障害のない人と同じように社会参加できるノーマライゼーションの考え方も急速に広がりを見せる中、全ての人が安心して交通機関を利用でき、誰にも優しい街づくりの一環として交通バリアフリー法が11月15日に施行されました。  
  この交通バリアフリー法には大きく分けて二つの柱があり、その一つには、交通事業者が講ずる措置として、駅やバスターミナル、空港などの新設や大規模な改修工事を行う場合、国が定める基準に適合するエスカレーターやエレベーター、身体障害者用トイレ、警告・誘導ブロックなどの設置を義務付けています。また、新たに車両を導入する際も、鉄道車両の場合は車椅子用のスペースの確保、バス車両で有れば乗降が楽なノンステップバスなどの低床バスの導入を義務化しております。また、既存の施設や車両等については、バリアフリー化を推進するよう努力義務が課せられております。  
  そして、同法の中で注目すべきもう一つの柱は、市町村主導による地域のバリアフリー化が明記された点であります。これは1日の利用者が5,000人以上の旅客施設を中心とした地域を「重点整備地区」として市町村が指定し、旅客施設、道路・駅前広場等について、移動が円滑に出来るための事業に対する基本構想を策定し、各関係機関と協力しながら一体的に整備を進めるというものであります。そこで、ここで言う各関係機関とは、鉄道、バス等の交通事業者、また、障害者用の信号機の設置や重点整備地区の違法駐車・駐輪の取り締まり強化が義務付けられる警察、そして道路管理者などで、つまり先程ふれた交通事業者の既存の施設や車両等については努力義務であったものが、市が「重点整備地区」に指定した段階から、バリアフリー化への事業計画を作成する義務が生じて来るという点では、まさに市の対応如何でバリアフリー化へ大きく前進するものであると思います。
  そして同法では、基本構想を作成するに当たって、高齢者や身体障害者からの意見を反映させるように明記している点も多いに注目される所でありますが、実際にこの法律の規定から行けば、一日に利用者5,000人以上の駅とすると、市内のほとんど全ての駅が該当してしまうわけでありますが、現実に最も利用者が多い藤沢駅(写真)にしても、非常に利用しづらい点が多々見受けられますし、小田急線沿線の各駅にしてもまだ未整備の所が有るといった状況の中、市の主導により大きく前進させることが出来るバリアフリーの街づくりに向けて、是非推進して行くべきであると思いますが、この交通バリアフリー法の施行に伴い本市はどのように対応していくおつもりなのか、前向きなお考えをお聞かせいただきたいと思います。

【土木部長の答え】
ご案内のとおり、交通バリアフリー法は、高齢者や身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性、及び安全性の向上を促進するために、駅や駅周辺道路、鉄道車両、バス、安全施設などのバリアフリー化を道路管理者や公共交通事業者、公安委員会などが一体的に推進する目的で、去る11月15日に施行されたものです。 
  本市としましては、まちづくりの理念であります“安全で安心して暮らせるまち”特に“誰にも優しいまちづくり”の実現を目指し、これまで本市の基幹公共交通機関であります東海道線と小田急線の各駅について事業者と共にエレベーターの設置を順次進めてきたものであります。JR藤沢駅や小田急六会日大前駅、湘南台駅、長後駅につきましては既に完了し、今年度は辻堂駅北口自由通路についてエレベーターの設置を進めております。未だ設置されていない藤沢本町、善行、本鵠沼、鵠沼海岸各駅につきましては、この法律の趣旨を受けて、小田急電鉄に早期実現を要請し、さらにバス事業者に対しましても低床バスの導入などを併せて要請して参りたいと考えております。  
  一方道路におきましては、新設や改良の際には、歩道がフラットになるような構造にしたり、階段のスロープ化や電線の地中化による無電柱化などを進め、歩き易く安全な道づくりを推進しており、湘南台地区では、歩行空間ネットワーク整備事業のモデル地区として、バリアフリーの道づくりを進めております。  
  引き続き法の趣旨であります駅と各施設を結ぶ歩行者の動線をネットワークとして整備を図るために、利用者の多い駅より重点整備地区を指定し、法律に基づく基本構想策定の検討をして参りたいと考えております。この基本構想策定には交通事業者などと連携する必要がありますので、地区の指定にあたりましては、関係機関と十分協議し、実施して参りたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。

【再質問】 確かに本市では、既にバリアフリーの街づくりに対する取組は色々とされてきておりますが、今まで道路管理者や交通事業者などが各々進めてきたバリアフリー対策が、一体的に進めることが出来、効率的な整備が図れるという点では、この法律の出来た意義は大きいと思います。
  そこで、昨日東京で交通バリアフリー法についてのシンポジウムがありまして、この法律の作成に携わった運輸省の方の話をお聞きしてきましたが、その中で強調していたのは、この法律は今までの法律、例えば街づくり3法などとは違って、事業計画に対する県の認可や国の許可といったものは必要がなく、地方自治体が中心となって作成した基本構想が完成次第、計画書を国・県に提出することで実施に移ることが出来ると説明しておりました。  したがいまして、どれだけ地方自治体に取り組む意欲があるのかで対応は大きく分かれてくると思いますが、只今、利用者の多い駅から重点整備地区として指定し、基本構想の策定検討をしていく旨の前向きな御答弁がありましたので、財政的な課題も有ろうかと思いますが、どうか宜しくお願いいたします。  
  ただ、これらの事は施設や車両などを中心とするハード的な整備についてでありますが、実はこの法律の中では、地方自治体が講ずべき措置として、心のバリアフリーの重要性から、市民の理解を深めるための啓発・教育活動の実施を明記しております。  やはり心のバリアフリーの究極の目的は、段差や階段などといった目に見えるバリアと共に、目に見えない「心のバリア」を取り除くことにあると思います。そのためにも、ノーマライゼーションすなわち障害のある人もそうでない人も、高齢者も若者も、どんな人でも同じ社会の中で、普通に暮らせるような社会こそ普通のことであるという発想をしっかり定着させることは、ハード面の整備と同じくらい重要な取組であると思いますが、本市としては、市民に理解を深めてもらうための啓発・教育活動について、どのようにお考えであるか、お聞かせ頂きたいと思います。

【福祉健康部長の答え】少子高齢化社会の中で、特に高齢者や障害を持つ人が今後も社会のあらゆる分野に積極的に参加できる地域づくりが必要であると考えておりますが、この行動を阻んでいるバリアとして、段差、階段等の「物的バリア」と障害者や高齢者に対して向けられる差別・偏見などの 「心のバリア」などがあると言われております。  
  本市におきましては、わが国の社会福祉全体にわたる共通の理念である「ノーマライゼーション」の理念を踏まえ、「すべての人の個性が輝くまちへ」を基本理念として「藤沢市障害者福祉長期行動計画」を策定しております。 「心のバリア」のない社会づくりには、子どもの頃から、自然に障害についての「福祉のこころ」が育つ環境づくりとして、統合保育や養護学校等との交流事業に努めているところでございます。  
  また、市民の皆様に対しては、障害者と健常者がともに集い、お互いの理解を深めていただく場として、この9日に「藤沢市ふれあいステージ」を開催し、多くの方々の参加をいただいております。  また、スポーツをとおしては、「ふれあい運動会」など「心のバリア」を少しでも取り除けるよう啓発を行っているところでございます。  今後も、市民に対する啓発活動を進め、地域で支え合うことのできる「心のバリア」のない社会づくりに努めて参りたいと考えております。
【要望】 「心のバリア」を取り除くための啓発・教育活動についてでありますが、確かに本市でも、様々な取組をされてきていることは理解をしますが、しかし、今まではそれぞれの場面、例えば道路の整備であったり、また、障害福祉であったり、それぞれの場面で取り組んできていると思いますが、これから求められてくるのは、行政内での意識を共通のものとし、その上で全市民に対し意識の改革をしてもらえるような取組がなければ、理解者を増やすことは難しいと思います。  
  そこで、ちょうど昨日になりますが、綾瀬市が市町村レベルでは全国初の「バリアフリー都市宣言」を行いましたが、これは、市民のバリアフリーを進める目的で制定されたもので、宣言文の中身には、1.それぞれの立場を理解して、心のバリアフリーを目指す 1.家庭や地域・学校や職場での人と人との助け合いを行い、生活のバリアフリーを目指す 1.誰もが利用できる生活基盤の整備を進め、住環境のバリアフリーを目指す。としておりますが、このような宣言をした以上は、市としても宣言を掲げた方向で予算や施設面の充実を図ること、また、心のバリアを取り除くための活動が義務付けられたことになり、相当な決意が感じられますが、本市としても、この交通バリアフリー法の施行を契機に基本構想の策定と合わせて、どのような方法で市民に啓発していけるのか、是非、全庁的な検討を進めて行くべきだと思いますが、本来で有ればお考えをお聞きしたいところですが、今日は要望とさせていただきますので、次の機会には是非前向きなお考えをお聞かせ頂きたいと思います。


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