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平成12年6月定例会〈一般質問〉
  「中途失聴・難聴者対策について」

【質問】6月6日は補聴器の日であります。この補聴器が欠かせない方、また補聴器でもよく聞こえない方たちが中途失聴・難聴者の方です。中途失聴・難聴者とは、病気や事故、次第に衰えてくる加齢などによって人生の途中で耳が聞こえなくなった人、または聞こえにくくなった人を言います。そのため、生まれつき耳が聞こえない聾者と違って、言葉を普通に話すことができるため、障害の特徴が理解されず、これまで福祉の谷間に置かれてきておりました。
 この中途失聴・難聴者の最大の障害は、聾唖者のように手話を使える人がほとんどおらず、コミュニケーションが成立しないということです。すなわち発信はできても情報の受信ができない情報障害者であり、本人は会話の中身がわからなくても何のことかわからず、ただ笑みを浮かべてしまうことから「ほほ笑み障害」とも言われております。世界保健機構(WHO)の基準である聴力レベル40デシベル以上、この40デシベルというのは相手との距離が1メートル以内で話が聞き取りにくい程度を言います。この40デシベル以上の人は人口の約5%、20人に一人と推計されており、これによれば日本での中途失聴・難聴者の数は約600万人、藤沢市でも約1万9,000人いると見られています。また今後の高齢化社会の進展に従って、老人性難聴者のますますの増加も予想されております。
  そこで、このような中途失聴・難聴者の方たちにとって、コミュニケーションをとる大事な方法であるのが筆談であります。会話の中で日時や金額など、重要な部分をメモでやりとりすることで、コミュニケーションを図るものであります。(写真:耳マークの表示板を掲げて)ところで市長は、このマークを御存じでしょうか。これは、ここにも書いてありますように「耳の聞こえが悪い方は筆談しますので申し出てください」という、この耳マークであります。これは耳の聞こえが悪い方、そういった方たちの中途失聴・難聴者のためのマークです。身体障害者の方などは、手足の不自由な方は車椅子マークというのがありまして、これはもう一般的に広く知られているところでありますが、これがいわゆる中途失聴・難聴者のためのマークであります。
  そこでお尋ねしますが、これを市役所はもとより市民病院や市民センター、公民館など、本市の行政機関の市民と接するすべての窓口に表示することで、時には複雑である各種手続の際も安心して各窓口を訪れることができると思いますが、どのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。  
 また、中途失聴・難聴者の方たちの多くは手話がわかりません。こうした人たちの耳となって活躍しているのが、要約筆記者であります。この要約筆記者の養成講座は、現在神奈川県では藤沢にある県立ろうあセンター内で毎週開催されておりますが、昨年4月に厚生省は要約筆記者養成のカリキュラムを発表いたしました。これは、それまで全国まちまちに養成されていた要約筆記者養成講座に初めて全国的な統一指針を与えたもので、厚生省が要約筆記というものに対して正式に認知をしたことを意味しております。そして、多くの中途失聴・難聴者の方たちは、既に社会の中で自由に生活をしてきた方たちばかりで、耳の聞こえが悪くなった今も自由に行動したいと考えておられますが、要約筆記者の手配に苦労をされているのが実態であります。そこで、本市における要約筆記者派遣事業では、何名の方が要約筆記者として登録されているのか。またどのように派遣をしているのか。そして、本市でも要約筆記者養成講座を行っていくお考えがあるのかについてお伺いをいたします。
 
【市の答え】 聴覚障害者のコミュニケーション手段といたしまして手話がございます。御指摘にもございましたとおり、中途失聴や加齢に伴う難聴者の方々にとりましては、手話を覚えるのは非常な努力を必要とされるわけで、筆談という手段をとらざるを得ない、そういう状況にあろうかと思っております。現在そのような方々の窓口対応につきましては、筆談により行っておるところでございます。今後も聴覚障害者の方々が窓口において安心して気軽に意思伝達ができるような、そういった環境づくりが重要だろうと考えております。御提案の「耳のシンボルマーク」の表示板の設置も有効な一つの方法と考えております。設置につきましては、場所、大きさ等も考慮に入れまして、まず福祉健康部内の窓口におきまして試行的に取り入れていきたい、このように考えております。
 またコミュニケーション対象といたしましては、藤沢市手話通訳者等設置及び派遣事業実施要綱に基づきまして、聴覚障害者等個人からの派遣申請によりまして、市に登録されております要約筆記者を派遣いたしております。要約筆記者は4月1日現在で15名の方の登録をいただいております。派遣の対象といたしましては、一つとしまして病院及び保健所等における医療、保健に関すること。二つ目としまして、学校及び幼稚園等における教育等に関すること。三つ目としまして、職場、会社等における就職や就労に関すること。四つ目としまして、その他日常生活上援護が必要と市長が認めたもの、そのようになっております。曜日等につきましては、要約筆記者の都合がつけば特に制限はございません。また緊急時には柔軟対応を図っておるところです。  
 次に、要約筆記者養成講座を市で実施する考え方があるかとの御質問でございますが、御案内のとおり本市では現在、一般市民を対象としました手話講習会を、初級、中級と分けまして実施しております。要約筆記講習につきましては、現在県のろうあセンターで実施しております。この点をひとつ御留意いただければと思っております。
【再質問】「耳のシンボルマーク」、いわゆる筆談受け付けのマークについて、福祉健康部内の窓口において試行されていくとのことでありますが、福祉健康部の各窓口に設置されるということは、このような方たちにとっては大変心強いと思いますが、その他の部門の中で特に必要と思われる窓口として市民病院があります。あれだけ大きい総合病院でどこへ行けばいいのかわからない、また薬をもらうにしても、その説明を理解する自信がないなどの不安感を解消するためにも、早急に必要ではないかと思います。また、市役所の市民窓口センター並びに市内13地区の市民センター、公民館などの窓口にも必要ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。それとともに、各窓口に筆談受け付けマークを設置したとしても、次に大事になってくるのは窓口の職員の対応であります。筆談を申し出ても、その方が普通に話しかけてくる様子から何のことかわからないことがないよう、中途失聴・難聴者のことをよく理解することが必要であります。そのためにも、現在本市の職員研修で行っている手話通訳の研修の際に、要約筆記についても研修していかれることは一つの方法ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねをいたします。  
 また、要約筆記者の派遣事業についてでありますが、派遣対象としては病院、学校、会社など4項目に基づいて、緊急時には柔軟に対応されているとの御答弁でありましたが、先ほどの御説明では「その他日常生活上の援護で市長が認めたもの」とありました。この部分が柔軟に対応していく部分なのかと思いますが、ここでは「市長が認めたもの」となっておりますが、当然市長がお会いをして判断しているわけではなく、担当課の方が判断をされているのだと思います。そこでお尋ねいたしますが、日常生活上の援護とは具体的にどのようなことを指しているのか、例をお示しいただきたいと思います
  また、1回目の質問でも述べたように、中途失聴・難聴者の方たちは聴覚に障害が出るまでは普通に自由な生活をされていた方たちばかりであります。耳の聞こえが悪くなった今も、さまざまなことに興味を持っておられます。したがっていろいろな情報に目を通すのですが、その情報源の一つになっているのがこの「広報ふじさわ」です。ここに出ている情報等で、市役所が関係するものへの問い合わせ先は、担当課の内線番号が明記されておりますが、いざ聴覚障害の方が問い合わせしたくても思うようにいかないのが現状です。そこで、このような場合はファクスで対応できるのではないかと思いますが、「広報ふじさわ」へのファクス番号の明記についてどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。

【市の答え】
「耳のシンボルマーク」ですが、この「耳のシンボルマーク」を市民病院あるいは市民窓口センター、市民センター、公民館、そういうところにも設置したらいかがかと御意見をいただいたわけですが、それに対しまして、まず福祉健康部内におきまして設置をさせていただきたい、このように最初に御答弁をさせていただいたわけでございます。これにつきましては、いずれにしても障害者が安心して気楽に意思伝達ができるような、まずそういった環境づくり、これを我々職員一同が進めていくべき必要性がある。これにつきましては常々認識しておるところです。また障害者の方々も、気楽に市の窓口へお尋ねいただく。その中におきまして、案内としてのこういうマークの必要性、これは当然あると思いますが、いずれにしてもこういうマークのある、なしにかかわらず、多くの方たちが気軽に窓口に来ていただけるような、まさにノーマライゼーションの理念に基づいた人間関係をつくっていくことが私は優先ではないかなと思っております。そういうことの中において、市民病院あるいは市民窓口、各センター等設置をという御意見でございますが、当面福祉健康部内におきましてこういう表示をさせていただいて、またこういったものを参考に今後に結びつけていけるのならばしていきたいと考えております。  
 また2点目の、研修の際にこういった要約筆記を研修の中に取り入れるべき必要性があるのではないかという点については、まず市の職員研修を通じた中で、その障害者の障害というものに対する理解をより深めていくべき必要性があるのかな。そういったことで、研修を通じた中で障害者に対する障害をより理解していくような、そういったことによっての適切な対応をとれるような、そういう形で進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  
 3点目の、日常生活上具体的な派遣方法は何かという御質問ですが、最近の例といたしまして、自治会あるいは町内会における総会等への参加あるいは役員会議への出席、それから運転免許証の更新、あるいは住宅等の入居申し込み等、そういうところにその他ということで派遣しております実績が有ります。
 4点目でありますが、「広報ふじさわ」にファクス番号等を明記したらどうか、このような御質問であるわけでございますが、広報紙につきましてもかなりの掲載要望が出ている、このような現状のある中におきまして、これらの周知方法につきましては私ども福祉健康部、そして担当課の方とよく調整しまして、どのような周知方法があるのか、これらについて検討していきたいと考えております。  
【再々質問】筆談受け付けの耳マークの設置については、市民病院並びに市役所市民窓口センターや各市民センター、公民館には現時点では難しいとの御答弁ですが、こういった取り組みは行政機関だけにとどまる施策ではなく、民間の医療機関や金融機関など、社会全体に広げていくことが必要であると思います。そのためにも、まず行政が率先して取り組んでいくことが重要です。本日はどうやら福祉健康部の取り組みとして扱われてしまったようですが、市民病院や市民窓口、市民センター、公民館はもとより、全庁的な取り組みとして検討していかれることを強く要望いたします。また職員の対応についても、事前の準備をよろしくお願いいたします。  
 次に、「広報ふじさわ」へのファクス番号の明記については、なぜすぐできないのか、また今どき情報のやりとりの方法が電話しかないなどというのは、正直言って理解できません。知恵を出せばやり方は幾らでもあると思います。今後検討されていかれると思いますが、これは情報障害者に対する大事な問題でありますので、早急に明記をして対応していかれるようよろしくお願いいたします。
 最後に要約筆記者派遣事業についてですが、先ほどの御答弁では、自治会や町内会での活動など市民生活を送る上で必要と認められた場合などが派遣対象のようでありますが、現代の社会状況を考えたとき、たとえ聴覚に障害があったとしても自分をもっと成長させたい、もっと知識を豊かにしたいなどの生涯学習の意欲は何ら変わらないと思います。これを単なる趣味と考えていいのかどうかということです。そこで最後にもう一度お尋ねいたしますが、これからの社会状況や生涯学習への意欲などの観点から、要約筆記者並びに手話通訳の派遣についてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

【市の答え】
生涯学習等そういったところに積極的に参加する場合の要約筆記者等の派遣について、どのように考えておるかということでございます。だんだんだんだん、言うまでもなく高齢社会がきて、また今後も進んでいっているわけでございます。そういった中におきまして、障害がある人あるいはない人も、やはりそういった学習の必要性、そういうものを認識しておるところでございます。積極的にそういった場所に出て学習する、これもある面では社会復帰の一つの手法と、このようにも考えておるわけでございます。これも新たなる一つの派遣事業と、そういった考え方をする中におきまして、担当とも十分調整しまして、いかにすることによって派遣することができるのか、このことにつきまして早急に研究、検討していきたいと考えております。


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