藤沢市議会議員  松下賢一郎 オフィシャルサイト トップページへ


 
平成28年12月定例会〈一般質問〉
  「不登校児童生徒への支援」について

【質問】 文部科学省が先日公表した諸問題調査によりますと、平成27年度における全国の小中学校の不登校が3年連続で増加し、特に小学校での増加が顕著になっているという分析がありましたが、まず初めに、本市における平成27年度の不登校の状況について、どのように捉えているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 平成27年度の不登校児童生徒の状況でございますが、不登校児童生徒数は、小学校99人、中学校322人となっており、年度により不登校児童生徒数の変動は見られるものの、1,000人当たりの発生割合を見ると、小学校は4.3人、中学校は30.5人で、全国、神奈川県と比べてもほぼ同水準となっております。平成27年度の不登校になったきっかけでは、小学校では家庭に係る状況が、中学校では家庭に係る状況に加え、いじめを除く友人関係の問題が増加しており、家庭の状況が児童生徒に及ぼす影響が大きいと捉えております。

【質問】 1,000人当たりの発生割合で見ると、全国、神奈川県と比べほぼ同水準ということでありましたが、先ほども触れたように、全国的には不登校の低年齢化が懸念をされておりますが、本市においてもここ数年、小学1、2年生の不登校児童数が増加していることに対して、どのように分析をされ、対応されているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 平成27年度の本市の不登校児童は、小学校1年生が12名、2年生が7名で合わせて19名となっており、ここ数年増加傾向が続いております。不登校となったきっかけと考えられる状況として、家庭環境の課題や保護者の考え方の多様化などによる家庭に係る状況が多くなっていると捉えております。その対応については、家庭との連携が必要であることから、担任が家庭に働きかけることはもとより、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが電話や家庭訪問などを行っております。また、1年生においては、入学後の学校の友人関係に課題が見られることもあり、担任や児童支援担当教諭を中心に学校全体で共通認識を持って指導に当たるよう努めております。

【質問】 不登校の原因として家庭に係る状況が多くなっているという御答弁がありましたが、今回の諸問題調査から不登校の原因を探るため、本人に関係する要因とその背景にある学校や家庭状況の関連について初めて調査をされておりまして、その結果、小学校では不安が33.7%、無気力28.6%が最も多くなっており、その背景としては、家庭状況にもあるという指摘がされておりますが、本市としてはどのように分析をされているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 今回の調査により不登校のきっかけと考えられる状況については、いじめや友人関係をめぐる問題などの学校に係る状況8項目と家庭に係る状況1項目の計9項目と無気力や不安など児童生徒本人に係る状況5項目の中から当てはまる状況をクロス集計しております。小学校では、家庭に係る状況が関係して児童が不安を抱え、不登校となっていることが考えられるケースや、中学校では、家庭に係る状況が生徒の無気力につながり、不登校となっていることが考えられる割合が高い傾向にあり、児童生徒本人に係る課題のほかに家庭環境が大きく影響しているケースがふえていると捉えております。

【質問】 家庭に係る状況において、児童が不安を抱えたり、生徒の無気力につながるなど、家庭環境が大きく影響しているケースがふえているという御答弁でありましたが、もう少し詳細な分析として、小学生の場合、発達障がいで勉強がおくれたり、貧困や虐待などで教育の優先度が低い家庭などで不登校につながっている事例もあるとする指摘がありますが、発達障がいや貧困、虐待など、家庭背景における分析について、どのように捉えているのかをお聞かせください。

【答弁】 家庭に係る状況が要因となる不登校については、保護者の子離れができないことやネグレクトなどにより不登校になることが考えられます。そのため、家庭環境への適切な支援が必要であると捉えております。

【質問】 家庭環境への適切な支援が必要であるということでありますが、この支援のあり方については後ほどお聞きするとして、ここでは、別の観点から不登校の理由についてお聞きをいたしますが、不登校をめぐる学校側の認識と不登校生徒本人とに大きな乖離があるという指摘もあります。これは不登校について研究をされている名古屋大学大学院の内田准教授の分析によれば、2006年度当時に中学3年生だった不登校生徒が回答した結果と、その後、2014年に文科省が行った追跡調査との比較では、不登校の理由に教員との関係を掲げたのが、2006年の学校側の調査では生徒の1.6%であるのに対し、2014年に追跡調査で生徒本人が回答した調査では、その16倍に上る26.2%だったことがわかりました。本市の場合でも、中学校の不登校生徒は平成27年度322人に対し、不登校のきっかけを教員との関係と回答したのは9人という約3%ということで、友人関係の問題141人や家庭に係る状況115人とする結果との違いは極めて大きいというふうに見てとれます。  

  そこで、本市としては、不登校の理由に関する教員との関係については、学校生活についてのアンケート調査においてもこの調査をされていないわけでございますが、この点についてどのように認識をされているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 不登校の理由についてはさまざまな要素がございます。教員との関係を理由に挙げる児童生徒が一定数いる一方で、教員側の意識が薄いことについては、教育委員会といたしても認識しております。そのため、児童生徒や保護者の気持ちに寄り添い、声をよく聞き、丁寧に対応することが大切であると考えております。教育委員会といたしましては、研修等を行う中で、教員の意識の啓発を行うとともに、児童生徒の思いを適切に受けとめることのできる教員の養成に努めてまいります。

【質問】 ここでは、本市の教員に問題があるということを言っているのではなくて、御答弁にあったように、丁寧に対応するということに尽きるんだと思いますが、当然子どもと教師との相性の問題もあると思いますし、子どもの気持ちをすくい上げられるような教職員の連携も必要になってくると思います。もし1人の教師の認識が当の子どもの気持ちとずれていても、別の形でその気持ちをすくい上げることができれば、このような食い違いは起こらないと思います。  まさに子どもをめぐる問題は、不登校に限らず、多様化する中で、したがって、1人の教師が全てを背負うことには無理があります。そこで、多彩な専門家が先生や子どもたちを支える体制が重要であると考えますが、そういう意味でも、今後、ますますスクールソーシャルワーカーの必要性が高まってくると考えますが、今後のスクールソーシャルワーカーの増員に向けたお考えをお聞かせください。

【答弁】 本市では、平成27年度にスクールソーシャルワーカーを1名増員し、2名体制としてまいりましたが、対応ケース数は平成26年度末と比較して2倍近くに増加しています。このことは、学校生活を送るに当たり家庭が抱える課題が多く、学校だけでは対応できないケースがふえているためであると考えております。スクールソーシャルワーカーの対応件数が増加している状況に加え、早い時期から家庭に対する丁寧な支援を行うためにも増員については検討してまいります。

【質問】 家庭に対する丁寧な支援を行うために、増員について検討されるということですので、ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、我々公明党は、教職員の負担を軽減し、質の高い教育を提供するため、学校外の人材と連携して学校の問題に対処するチーム学校の実現を目指しています。そして、その鍵を握るのが社会福祉の専門知識を有するスクールソーシャルワーカーの存在であると捉え、2008年度から自治体によるスクールソーシャルワーカーの活用を促す補助事業を創設して、2015年度は本市でも1名増員されたように、全国で1,399人が配置をされています。

 スクールソーシャルワーカーの配置については、日本では、派遣方式や1人のスクールソーシャルワーカーが複数校を回る巡回方式が大半で、本市の場合も同様でありますが、これらの方式では、教職員や保護者との信頼関係が構築しにくく、必要な支援が把握できていない状態で対応するリスクがあることから、国においては、人材確保のための処遇改善などの環境整備を推進しています。今後も公明党としては、教員にとって最も大切な生徒と向き合う時間の確保を進めるという観点から、チーム学校の重要性を国会の場などにおいて訴えてまいりますので、本市としてもぜひチーム学校という観点でのお取り組みを推進されるよう要望させていただきたいと思います。  

 それでは次に、いじめ防止対策推進法では、学校の設置者またはその設置する学校による対処として、不登校重大事態にかかわる調査の指針が示されておりますが、本市における不登校重大事態の調査と現状における対応についてお聞かせを下さい。

【答弁】 いじめ防止対策推進法では、いじめにより当該学校に在籍する児童生徒が年間30日以上学級を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めたとき、学校の設置者は、設置する学校において重大事態として対処し、速やかに調査を行うものとなっております。本市における不登校重大事態の調査につきましては、藤沢市いじめ防止対策基本方針に基づき、直ちに学校が事実関係を明確にするよう対応いたします。学校が単独で事実関係を明確にすることが困難な場合、教育委員会は学校の要請により必要な支援を行います。また、学校主体での調査では、重大事態への対応等に十分な結果を得られないと教育委員会が判断した場合には、教育委員会が調査を実施することとなっております。  なお、本市におきましては、平成27年度はいじめ防止対策推進法に該当すると認められる事案は発生しておりません。

【質問】 現在のところ、不登校重大事態に該当する事案は発生していないということでありますが、この不登校重大事態にかかわる調査の指針においては、不登校児童生徒一人一人の状況を適切に把握しながら、当該児童生徒の置かれた状況を関係機関で情報共有し、組織的、計画的に支援を行うことを目的として、学校担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を中心に、学校が組織的に作成をする児童生徒理解・教育支援シートを用いて支援することを求めておりますが、本市ではどのように活用されているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 不登校児童生徒一人一人の状況を適切に把握した上で、当該児童生徒の置かれた状況を、学校内はもとより、関係機関で情報共有し、組織的、計画的に支援を行うことは重要なことと捉えております。共通する支援シートはございませんが、各学校で行うケース会議等においては、児童生徒の実情がわかるようなシートを作成し、情報の共有化を図っております。

【質問】 本市においては、共通する教育委員会が作成したような支援シートはないという御答弁でございますが、不登校に関する調査研究協力者会議からの最終報告によれば、不登校児童生徒に対する支援における重点方針として、困難を抱える児童生徒には児童生徒理解・教育支援シートを作成するなど、個々の児童生徒に合った支援計画を策定し、その児童生徒を支援する関係者により、組織的、計画的な支援を実施するように求めております。  

 そこで、児童生徒理解・教育支援シートの作成については、不登校の定義である年度間で30日以上の欠席に至った時点では確実に作成することが望ましいとしており、欠席日数のみにとらわれず、遅刻や早退などにも着目し、不登校が危惧された時点で迅速に組織的な計画を立てて支援することは、非常に有効であることから、児童生徒の状況に合わせて柔軟に作成することも期待がされ、例えば初期段階では、欠席が目立つ児童生徒の記録として、事実関係を記載できる範囲で記載をし、その児童生徒の状態に合わせて、段階的に作成、活用していくことも有効と考えられることから、この児童生徒理解・教育支援シートの作成について、全国的な実施を促すために、モデル的なフォーマットとしてひな形を示して、今後、各学校において、記載項目をカスタマイズするなどして使用するように促しておりますが、本市としても積極的に活用していくお考えはあるのかお聞かせを下さい。

【答弁】 児童生徒理解・教育支援シートにつきましては、国から示されているシートを参考にしながら、本市の学校でより有効に活用できるシートとなるよう工夫をしてまいります。

【質問】 ぜひ効果的な活用を期待したいというふうに思います。  不登校児童生徒への支援の最終的な目標である児童生徒の将来の社会的自立を目指す上において、学びへの意欲や学ぶ習慣を含む生涯を通じた学びの基礎となる力を育てる学習支援の視点が重要であると考えますが、不登校児童生徒の学校復帰を初めとしたその他の通学状況や学習状況の把握についてお聞かせを下さい。

【答弁】 平成27年度の不登校児童生徒の学校復帰の状況につきましては、保健室登校や別室登校も含め、小学校では99人中29人が、中学校では322人中107人が復帰をしております。通学状況については、相談支援教室やフリースクールに通う児童生徒も含め、教育委員会では毎月学校から報告される長期欠席児童生徒報告書により、通学状況等を把握しております。また、学習状況については、学校が保護者と相談の上、別室での学習支援や家庭訪問を行い、課題を与えるなど、個々の状況に合わせて支援を行うとともに、相談支援教室やフリースクールから学習状況についての報告を受け、把握に努めております。

【質問】 不登校児童生徒一人一人の状況に応じて、相談支援教室やフリースクールなどの民間施設やNPO、ICTを活用した学習支援など、多様な教育機会を確保する必要があるというふうに思うわけでありますが、同時に多様な学習機会の確保という観点から、例えば夜間中学において本人の希望を尊重した上での受け入れについて、文科省では今後、公立の夜間中学での不登校中学生の受け入れを進める方針を示しております。  

 今国会においても、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案の動向が注目をされておりますが、さまざまな事情により、義務教育を修了できなかった方々の中には、戦後の混乱期の中で教育を受けるにも受けられなかった方、あるいは親の虐待によって学齢にもかかわらず、居どころ不明となって学校へ通えなかった方や無戸籍などの特別な事情で学校に就学させてもらえなかった方々も含まれていると言われておりますが、こうした方々がもう一度学びたいと希望する場合の教育を受ける機会の確保について、本市教育委員会としてどのようにお考えなのか御見解をお聞かせください。

【答弁】 教育委員会といたしましては、義務教育を修了できなかった方々や不登校で学校に通いづらい生徒、あるいは通うことができなかった方々が再び教育を受ける機会の確保については必要であると考えております。

【質問】 再び教育を受ける機会の確保については必要であるという御答弁でありますが、本市における義務教育を修了できなかった方や、あるいは外国籍市民、そして不登校生徒の対象者も含めた状況について、わかる範囲で結構ですので、お聞かせをいただきたいと思います。

【答弁】 平成22年に実施した国勢調査では、就学義務のない外国籍の方を含め、15歳以上の市内在住者のうち、男女合わせて252名の方について義務教育課程未修了であることが確認されておりますが、不登校児童生徒の卒業後の状況も含め、詳細な実態把握については難しい状況でございます。

【質問】 本市においても義務教育課程未修了の方も含め、不登校の生徒の卒業後における対象者も私はそれなりの人数はいるというふうに推察されると思います。国の法律案によれば、夜間中学の設置など、未就学者の就学機会の確保のための措置を行うことを全ての自治体に義務づける内容が盛り込まれておりまして、夜間中学の設置等に関する協議を行う協議会を組織することができるというふうにされていますが、本市においても協議会を組織して夜間中学の設置に向けた検討を進めるべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

【答弁】未就学者の就学機会の確保のための夜間中学の設置等に関する協議会については、現在、県教育委員会が主体となって設置し、協議を始めたところでございます。この協議会には、本市教育委員会も参加をしておりますので、協議会の内容を踏まえて研究してまいりたいと考えております。

【意見・要望】 確かに夜間中学については、まだまだ不確定な部分も多いとは思いますが、文科省によるこの夜間中学の必要性について調査した結果では、公立の夜間中学は昨年5月時点で8都府県の25市区に計31校あり、生徒数は1,849人となっています。この25市区は、中学を卒業していない15歳以上の人を対象にしており、生徒の約8割の1,498人が外国籍の方で、外国籍の人も公立の義務教育を希望する場合は、国際人権規約などを踏まえ、日本人と同様に無償で受け入れることになっていることから、今後も日本で生きていくための基礎的な教育を夜間中学で受けた上で、進学を目指す外国籍の生徒も多くなることが予想されます。  

 また、これまで文部科学省では、義務教育に就学すべき年齢を超えた人の中学校への受け入れについて、1度中学校を卒業した者が再入学を希望した場合の考え方について明確に示してこなかったことから、さまざまな事情からほとんど学校に通えず、実質的に十分な教育を受けられないまま、学校の配慮等により中学校を卒業した生徒が、改めて中学で学び直すことを願い、夜間中学への入学を希望しても、1度中学校を卒業したことを理由に基本的には入学は許されてきませんでした。しかし、不登校児童生徒に対し、学校復帰に向けた学校外での個人の努力を評価し、学校における指導要録上、出席扱いとすることなど、児童生徒の立場に立った柔軟な取り扱いも広く行われていることから、学校に十分に通わないまま卒業する生徒が今後も生じてくることは十分に考えられます。このような状況を踏まえると、入学希望既卒者については、義務教育を受ける機会を実質的に確保する観点から、一定の要件のもと、夜間中学での受け入れを可能とすることが適当である

 不登校や親による虐待等により中学校の課程の大部分を欠席していた、またはそれに準ずる状況であったなどの事情により、実質的に義務教育を十分に受けられず、社会で自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うといった義務教育の目的に照らして、再度中学校での教育を受ける機会の必要性について、本市の教育委員会としても、神奈川県の協議会において積極的に取り組み、本市としての今後のあり方についても前向きに検討されていくよう強く要望いたしまして、私の一般質問を終わります。


このウインドウを閉じる


copyright(c) matsushita kenichiro. All rights reserved.