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平成28年12月定例会〈一般質問〉
  「いじめ対策」について

【質問】 御承知のように、横浜市で起きた2011年の東京電力福島第一原発事故後に、福島県から横浜市に避難した男子生徒が、転校先の市立小学校でいじめを受けた問題で、同級生が遊ぶ金を支払うため、少年が家から現金を持ち出していたことを学校側が把握していたにもかかわらず、少年の親に連絡していなかったことや、両親からも金品の授受がわかった時点で、いじめ防止対策推進法に基づいて重大事案であると学校や市教委に相談したにもかかわらず、全く取り合ってもらえなかったとして、学校及び横浜市教育委員会の不適切な対応が大きな問題となっております。  

 本市においては、同様に福島からの避難児童生徒は小中学校で25人となっていますが、これら児童生徒に対するいじめ等は発生していないという調査結果が示されておりまして、ひとまずは安心をいたしましたが、ここで改めていじめに対する本市の対応について幾つか確認をさせていただきたいと思います。  

 まず初めに、今12月定例会に教育委員会から示された平成27年度の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査、いわゆる諸問題調査の結果について、平成27年度の本市のいじめの発生状況についてどのように捉えているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 平成27年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査による本市のいじめの認知件数は、小学校で54件、中学校で114件の合計168件で、前年度に比べ、小学校では36件の増加、中学校で5件の増加となっております。小学校での認知件数に増加が見られますが、これは小学校12校に児童支援担当教諭を試行配置したことにより、児童への目が行き届くようになったことが認知件数の増加につながったものと捉えております。

【質問】 今の御答弁で児童への目が行き届くようになったことから、認知件数の増加につながったということでありますが、この諸問題調査に基づいた1,000人当たりのいじめの認知件数における全国及び神奈川県と本市との比較において、小学校については全国で23.1件であるのに対して、藤沢市の2.3件というのは余りにも少ないと思いますが、この結果をどのように受けとめておられるのかお聞かせを下さい。

【答弁】 議員御指摘のとおり、全国及び神奈川県と比較して本市のいじめ認知件数は非常に少ない報告となっております。これは本市のいじめ防止対策のあらわれとも考えられますが、一方で、本市教育委員会が行っている学校生活アンケートにおいて、学校生活の中で嫌な思いをしていると答えている児童生徒が一定数見られ、認知件数との乖離があることは、強い口調での言葉やふざけ合いなどについて、いじめと判断するか否かの見きわめの難しさがあらわれていると考えております。  

 教育委員会といたしましては、今後、児童支援・生徒指導担当者会、またいじめ防止担当者会において、いじめの定義を改めて確認し、適切にいじめの認知が行われるよう努めてまいります。

【質問】 学校生活アンケートの結果とこの認知件数に乖離があるということを自覚されているということだと思うんですが、このアンケートの実施方法については後ほど改めて詳しくお聞きをしたいと思います。  その前に、いじめと判断するか否かの見きわめが難しいという御答弁もあったわけでありますが、諸問題調査におけるいじめの要因、この態様別件数についてどのように分析をされているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 諸問題調査におけるいじめの態様別件数を見ますと、小学校は、冷やかし、からかい、悪口、おどし文句が一番多く、次いで仲間外れ、集団による無視、3番目に軽い暴力とひどい暴力をあわせた暴力で、過去3年間同様の傾向を示しております。中学校も過去3年間にわたり、冷やかし、からかい、悪口、おどし文句が最も多い結果となっておりますが、平成27年度は2番目にパソコンや携帯電話による誹謗中傷、3番目に仲間外れ、集団による無視となっており、パソコンや携帯電話による誹謗中傷の割合がふえております。調査の結果から、いじめの態様については、小中学校ともに、日常起こり得る対人的なトラブルと見られるものが最も多く、中学校においてはパソコンや携帯電話による誹謗中傷が課題であると捉えております。

【質問】 小中学校ともに日常起こり得る対人的なトラブルと見られるものが最も多いということでありますが、今回の諸問題調査の結果から、小学校における要因として、全国的には暴力の低年齢化が問題視されておりますが、小学1、2年生における暴力行為といじめの関係性についてどのように捉えて対応されているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 諸問題調査における小学校の生徒間暴力を見ますと、21件中、1年生が4件、2年生が3件の計7件となっており、本市においても暴力行為は低年齢化の傾向にあると捉えております。1、2年生のいじめ認知総数18件について、いじめの態様を見ますと、そのほとんどが冷やかしやからかいであり、暴力によるいじめは認知されていないことから、暴力といじめの直接的な関係性について判断することは難しいと捉えております。低学年においては、まだ自分の気持ちを言葉でうまく伝えられないことから、暴力に訴えてしまうケースがあるため、担任は児童に寄り添い、話をよく聞き、丁寧に対応するなど、発達段階に応じた支援、指導を行っております。また、担任の指導に加えて、児童支援担当教諭による指導助言、サポート講師や介助員の支援を活用し、よりきめ細かな支援に努めてまいります。

【質問】 暴力といじめの直接的な関係性について判断することは難しいという御答弁もありましたが、国のいじめ防止対策協議会では、いじめ防止対策推進法で定義されているいじめや子どもの心身に深刻な被害が出る重大事態について、いじめの定義の解釈が学校や教員で異なり、把握に差が出ていることを指摘しております。本来なら該当するのに、いじめと扱われなかった事例や重大事態かどうか判断が分かれた事例を複数示すなど、解釈やその範囲を明確化するよう求める報告書をまとめております。  

 そこで、この11月に示されたいじめ防止対策協議会からの提言をもとに、幾つかお尋ねをしていきたいと思いますが、まずこのいじめの認知件数とともに報告されているいじめの解消について、本市では平成27年度は、小学校が54件の認知件数に対して解消が39件、中学校が114件の認知件数に対して解消が102件と、いじめが解消されたと判断されている件数が非常に多いと言えます。そこで、いじめの解消について、本市ではどのように解消と判断をされているのか、平成26年12月議会の一般質問でお尋ねをしましたが、いじめを当該児童生徒が一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより精神的な苦痛を感じているものとして、解消については、当該児童生徒間にこのような状況がなくなったと認められ、以後の学校生活を双方の児童生徒が安心して送ることができる場合と判断した場合と御答弁をされておりますが、この一旦発生したいじめは長期間に及び、いじめ解消には一定の時間を有すると考えますが、本市の判断基準で本当に実態が把握されているとお考えなのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

【答弁】 教育委員会といたしましては、いじめの解消はいじめに遭った児童生徒の精神的な苦痛が解消したと認められ、双方の児童生徒が安心して学校生活を送ることができると判断した場合と考えております。学校が一定の解消と判断をしても、保護者が解消と捉えていない場合は継続事案として対応いたします。学校は事後の経過観察を丁寧に行い、解消か否かの判断をして教育委員会に報告しております。このことから、教育委員会といたしましては、解消の実態については把握できていると捉えております。

【質問】 教育委員会としては、いじめの解消について実態を把握できているということでありますが、いじめ防止対策協議会からの提言によれば、学校から教育委員会等に対するいじめの報告が適切に行われていないケースがあるという指摘もあります。そこで、いじめに関する学校から教育委員会に対する報告については、昨年9月の一般質問でもお聞きをしておりますが、保護者等からのいじめに関する相談から対応について、即座に委員会への報告はされていないということでありました。この背景には、学校として全てのいじめに関する対応状況を教育委員会に報告することは、事務分掌に負担がかかるという見方、また、いじめに関する相談があったこと全てを教育委員会に報告することは、学校にとってマイナス評価をされるという考え方があるという指摘もあります。いじめへの迅速で適切な対応を進めるためにも、いじめに対する対応状況等の学校から教育委員会への報告については、改めて周知徹底をするべきではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。

【答弁】 現在、学校では、児童生徒指導上の問題について教育委員会への報告は、校長の判断により行っております。いじめについては、学校生活の中で早期に解決を図ることが重要であると考えており、報告については、重大な事態は即座に、重大ではないが、教育委員会との連携が必要なケースはその都度、また軽微なものですぐに解消されたケースは事後、または定期的に行っている調査において、それぞれ報告することとしており、教育委員会では、学校が認知したいじめについては報告を受けております。教育委員会といたしましては、今後も解決に向けた対応を最優先し、藤沢市いじめ防止対策基本方針にのっとり、相談を受けたいじめについて、事実を確認し、結果を把握してまいります。

【質問】 学校が認知したいじめについては報告を受けているという御答弁でありましたが、やはり保護者からの相談等については依然として即座に報告する体制にはなっていないわけであります。したがって、今回の横浜市での事例を鑑みても、保護者等から学校への相談については迅速に対応され、教育委員会への速やかな報告がされるよう改めて要望させていただきたいと思います。  

 次に、いじめに関するアンケート調査についてであります。  いじめ防止対策協議会からの報告では、アンケート調査実施後の結果の評価や個人面談の対応等について指摘がされておりますが、本市では、結果を踏まえた組織的な検証及び対処方法についてどのように徹底をされているのか、そして、全国的にはアンケートの実施回数をふやして、実態の把握に努める傾向が強くなっていると受けとめておりますが、本市ではどのようにお考えかお聞かせを下さい。

【答弁】 各学校にはアンケートを依頼する際に、いじめを初めとする困り事の実態把握及び児童生徒指導体制の見直しや今後の指導資料を得ることを趣旨として実施するよう徹底しております。さらに、アンケート実施前後の時期に個別面談等をあわせて行うことで、アンケートに記述できなかった児童生徒の声を拾い、より深く困り事に対応できるようにしております。また、アンケートの実施回数につきましては、教育委員会から年間2回依頼し、それ以外に各学校で最低1回のアンケートを実施するようにしております。さらに、学区によっては、生徒会を中心にアンケートを実施しており、各学校のアンケート実施回数としてはいじめの実態把握に資するものになっていると捉えております。

【質問】 このアンケートの実施回数については、いじめの実態把握に資するものになっているという御答弁でありましたが、このアンケート調査の項目について、本市の場合は、いじめという言葉を使って直接的にいじめを受けているかどうかという設問はないわけであります。全国的には、私はいじめを受けているという質問を入れているケースもあります。神奈川県教育委員会からは、いじめという言葉を使って調査するかしないかは、学校の状況によって、いじめという言葉を使用した調査を行うこともできるというふうにしておりますけれども、先ほどのいじめの認知件数に関する御答弁でも、アンケートで、学校で嫌な思いをしている児童生徒が一定数いるにもかかわらず、認知件数との乖離があるということは、やはりいじめについて直接的に問いかける調査方法も取り入れるべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。

【答弁】 現在実施している学校生活アンケートにつきましては、いじめに限定しないことにより、自分がいじめられている、あるいはいじめていると認めたくないケースや児童生徒本人が自覚していないいじめも含めて、幅広い回答が得られております。また、学校生活全般についての状況把握もできることから、現行の方式で継続して実施してまいります。

【質問】 学校生活全般についての状況把握ができるということでありますが、いじめの有無に関するアンケートという位置づけで考えた場合には、いじめ防止対策協議会からの報告では、児童生徒の目線に立ったアンケート調査の方法、例えば状況に応じた記名式、無記名式の選択や記入しやすい環境の整備等について触れております。  

 そこで、これまでも再三申し上げてきているアンケート調査の記入については、学校で記入するのではなく、一旦家に持ち帰り、封筒に入れて提出するなど、児童生徒が気兼ねなく記入できるように改善をするべきではないかと思いますが、改めて御見解をお聞かせください。

【答弁】 アンケート調査を実施するに当たっては、調査の趣旨や目的等を担任が児童生徒の発達段階に応じて丁寧に説明した上で、私語の禁止、机を離す、向きを変える、他人をのぞかない、一斉に記入し、書き終わっても前を向いてよそ見をしない等、他人に見られない記入方法及び回収方法等を十分に指導して実施しております。家に持ち帰っての記入につきましては、以前試行した学校において十分な回収が得られなかったことから、原則としては今後も教室での実施を考えております。

【質問】 家に持ち帰ると十分な回収が得られないことから、今後も教室での実施という御答弁でありますが、学校生活におけるアンケート調査として統計的な分析を図る上では、私も回収率は重要であると思いますが、やはりいじめに関して、保護者を交えた実態調査として捉えれば、家に持ち帰り、保護者からのアンケートとしても大いに意義があると私は思います。  

 そこで、教育委員会では、2009年に藤沢市内の全保護者にいじめチェックシートを作成して配付したことがありますが、お聞きしたところ、現在は小学1年生入学時にこのいじめのサイン発見シートという形でパンフレットをお配りしているということでありますけれども、(資料を提示)改めていじめに関する保護者へのアンケート調査として実施をすることについて、御見解をお聞かせください。

【答弁】 保護者に対するいじめアンケート調査についてでございますが、現在、本市では、教育委員会からの配付物として、藤沢市子どもをいじめから守る条例リーフレット、小学1年生保護者向けリーフレット、小学4年生、中学1年生に対する啓発リーフレット等を配付しており、保護者の皆様に対しても、いじめのチェック項目を示して、早期の学校への相談を促すなど啓発を行っており、相談を受けた学校でも面談などにより早期の対応を図るようにしております。また、いじめ相談ホットラインやいじめ相談メール等により、保護者の方からも相談が寄せられていることから、保護者の意向については、現行の方法で把握できていると捉えております。

【質問】 保護者向け啓発リーフレットを配付して意識啓発を図っているということで、ここに現物、実物も頂戴をいたしましたが、(資料を提示)これを見ると、小学4年生のときと中学1年生のときの内容は全く同じなんですね、紙の色が違うだけで。特に中学校入学時というのは、複数の学校から生徒が集まってきます。新たな人間関係が生まれるということからも、改めて保護者への注意喚起を図る上で、より充実した内容でこの中学校入学時には配付をするといった工夫を要望したいというふうに思います。  

 諸問題調査におけるいじめの態様別件数では、パソコンや携帯電話による誹謗中傷の件数が大きく増加しており、本市においても、中学校においてはパソコンや携帯電話による誹謗中傷を課題として捉えておられるという御答弁もありましたが、いじめ防止対策協議会からの報告でも、SNSにおけるいじめへの対応は、ネットパトロール等の従来の対策ではもう対応ができないという指摘があります。インターネット上のいじめが重大な人権侵害に当たり、被害者に深刻な傷を与えかねない行為であることを理解させるとともに、具体的な事例を示しながら、いじめの行為が刑法上の名誉毀損罪、侮辱罪や民事上の損害賠償請求の対象となり得ることを理解させるなどの取り組みを推進するよう求めておりますが、本市では、今後どのように対応されていくお考えかお聞かせを下さい。

【答弁】 現在、インターネット上のいじめにつきましては、各学校において教育委員会が派遣する外部講師による講演会や文部科学省が配付した資料を活用した授業等を通して、情報モラル教育を実施し、ネットトラブルの実態や犯罪の被害者にも加害者にもなり得ることについて指導しております。また、保護者に対しても、学年・学級懇談会や中学校の新入生保護者説明会において、スマートフォン、携帯電話、通信機能つきゲーム機によるトラブルの具体例を示し、所持する上での注意喚起を行う学校がふえております。ネットトラブルについては、スマートフォン、携帯電話等の通信機器を所持する前の指導が有効であり、学校からの児童生徒及び保護者への啓発活動が重要であることから、今後も教育委員会といたしましては、学校における情報モラル教育の推進を支援してまいります。

【質問】それでは、いじめに関しては最後の質問にしたいと思いますが、いじめ防止対策協議会では、児童生徒の自己肯定感、疎外感等を測定するための学級満足度調査及び心理検査等のアセスメントツールの活用など、多様ないじめの早期発見にかかわる取り組みを推進するよう求めておりますが、本市としてはどのように対応していくお考えなのか御見解をお聞かせください。

【答弁】 学級満足度調査及び心理検査等のアセスメントツールの活用については、本市の学校においても、学校の実態に合わせて自主的に活用している学校もあり、児童生徒理解及び指導資料として有効なツールであると考えております。現在、本市では、学校生活アンケートを初め、学校評価、いじめ防止プログラム、いじめ相談ホットライン、いじめ啓発リーフレットや相談機関紹介カードの配布など、既存のいじめ防止対策事業が効果を発揮していることから、新たなアセスメントツールの導入につきましては、学校の実践も踏まえ、研究をしてまいりたいと考えております。

【意見・要望】 新たなアセスメントツールの導入について研究をしていきたいということでありますが、このアセスメントツールについてはまだ確立されたものは少ないという状況ではございますけれども、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされたといういじめについては、最近ではサイバー型いじめという表現も使われるようになっています。このサイバー型いじめに特化したアセスメントツール及び効果的な予防・回復プログラムの開発が進んでいると聞いておりますので、このような観点において、本市としても積極的に調査研究され、早期の具体的な導入を期待しております。  

 また、今回の質問では、いじめの認知についての取り組みなどを中心に確認させていただきましたが、教育委員会としては、おおむね現状の取り組みで実態が把握されているということでありましたけれども、冒頭の質問でも確認したとおり、本市のいじめの認知件数は余りにも少ないということは、学校生活アンケートの結果からも認識をされていて、今後、適切にいじめの認知が行われるよう努めていきたいという御答弁もありました。  

 そこで、いじめの適切な認知のための取り組みを進めた結果、実態をより正確に把握して、その認知件数がふえることが肯定的に評価されることを、改めて学校の管理職等に対して周知徹底をするとともに、いじめの発生状況や学校基本方針に基づく取り組み状況など、いじめ対策の達成目標をより明確にして、年間を通してどのように取り組みを実施するのかを示しながら、学校においては、教職員とともに目標の達成状況を評価することも必要ではないかと思いますので、最後に、私の意見として申し述べさせていただきたいと思います。


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