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平成26年6月定例会〈一般質問〉
  国保医療費の適正化に向けた「データヘルス計画」の策定について

【質問】 昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略」において、「国民の『健康寿命』の延伸」というテーマの中で、予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくりとして、「データヘルス計画」の策定が盛り込まれました。

 これは、まずは全ての健康保険組合がデータヘルス計画を策定し27年度から実施することを目標に、「健康保険法に基づく保険事業の実施等に関する指針」を改正し、それとともに、市町村国保でも同様の取り組みを行うことを推進するとしています。 そこで、このデータヘルスとは、医療保険者によるデータ分析に基づく保健事業のことで、レセプト(診療報酬明細)・健康診断情報等を活用し、意識づけ、保健事業、受診勧奨などの保健事業を効果的に実施していくために作成するのがデータヘルス計画であります。

 厚生労働省では、今年度予算において、健保組合等におけるデータヘルス計画の作成や事業の立ち上げを支援し、また市町村国保等が同様の取り組みを行うことを推進するための予算を計上するなど大変に力を入れており、データヘルスは今後の重点課題の一つであるといえます。

 そこで、データヘルスに先進的に取り組んでいる呉市では、65歳以上人口比率が約31%に上り、同規模人口の都市では高齢化率が全国第1位で。当然、医療費も膨れ上がり、2008年には1人当たりの年間医療費が約60万円と全国平均より4割も高いという状況でした。

 危機感を募らせた同市は、国保加入者のレセプトのデータベース化を図り、医療費適正化に向けて本格的に乗り出していると聞いております。

 そこで、本市においても、データヘルスを導入することによって、医療費の適正化に効果を発揮すれば、国保財政にとっても大きなメリットがあると考えますが、本市におけるデータヘルスへの取り組み状況についてお聞かせください。

【答弁】 データ分析に基づく保健事業である「データヘルス」の取り組み状況についてでございますが、本市では、平成20年度から特定健康診査・特定保健指導のデータ分析を、保健医療財団に委託しており、そのデータを活用し、「健康寿命の延伸」や「医療費の適正化」に向けて、保健事業を行っております。

 また、平成25年10月からは国保中央会が開発した医療、健診・保健指導データを活用して地域の健康状況を把握するシステム、「国保データベースシステム」のモデル市となり、県内では小田原市、寒川町とともに先行して導入しております。  

【質問】 本市として、国保データベースシステムのモデル市となり、他市に先行して取り組んでいるという事でありますが、その効果をどのように捉えているのかお聞かせを下さい。

【答弁】 本市といたしましては、健診・レセプトデータの分析結果 に基づき、「特定健診の受診率の向上」「疾病の重症化予防」「生活習慣病に対する知識の普及」などの保健事業を進めており、「受診率の向上」が図られるなど、効果が得られているものと考えております。

 まず、「特定健診の受診率の向上」といたしましては、健診データを活用し、未受診の方にハガキや電話による受診勧奨を行っております。

 次に、「疾病の重症化予防」といたしましては、健診結果から治療が必要であるにもかかわらず医療機関を受診していない方へ、重症化する前に医療機関に掛かっていただけるよう、電話等による勧奨を行っております。

 また、「生活習慣病に対する知識の普及」といたしましては、レセプト分析の結果から、今年度は「高血圧予防」のリーフレットを、藤沢市医師会の協力のもと作成し、医療機関から健診受診者に渡していただけるよう依頼しております。

 さらに、健診データにより全市及び市内13地区ごとの加入者の健康状況を分析することができますので、藤沢市健康増進計画及び健康づくり推進会議などで活用し、市民の方の健康寿命の延伸にも繋げております。

【質問】 本市におけるこれまでの取り組み効果ということでお答え頂きましたが、先ほど紹介した呉市では、患者が処方された医薬品や診療内容をデータベース化し、独自に分析した上で、医療費削減に効果があるとされる患者を対象に、継続服用している先発医薬品を安価なジェネリック医薬品に切り替えた場合の負担減額を通知した結果、対象者の約7割がジェネリック医薬品に切り替え、薬剤費の削減額は累計5億円超になったと聞いておりますが、本市においてもデータヘルス化した情報をもとに、ジェネリック医薬品の使用促進を図るべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。

【答弁】 ジェネリック医薬品の使用を促進するため、本市では、平成22年度から専門業者に委託して、調剤レセプトデータを活用した、ジェネリック医薬品差額通知を実施しております。

 平成24年度からは、神奈川県国民健康保険団体連合会に委託して行っております。 その他、国保加入世帯にお送りしております「国保ハンドブック」の中に「ジェネリック医薬品希望カード」を印刷し、さらに、平成23年度の保険証更新時からは、送付する台紙にも「希望カード」を印刷するなど、使用促進に努めております。  

 これらの結果、ジェネリック医薬品の使用割合が、数量ベースで平成22年度は18.8パーセントのところ、平成25年度は29.3パーセントと、10.5ポイント上昇いたしました。 今後も引き続き、ジェネリック医薬品の使用促進を図ってまいりたいと考えております。

【意見・要望】 ジェネリック医薬品の使用促進に積極的に取り組んできたことは理解を致しますが、ジェネリック医薬品の普及は、患者負担の軽減、医療保険財政の改善に資するものと考えられます。

 現在のところ、我が国では、ジェネリック医薬品の数量シェアは平成23年9月時点で39.9%であり、欧米諸国と比較して普及が進んでおらず、厚生労働省では平成25年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定し、その中で「平成30年3月末までに、後発医薬品の数量シェアを60%以上にする」という目標を掲げ、ジェネリック医薬品の積極的な使用促進を推奨しておりますが、本市としても具体的な目標を掲げ、出来れば、数量ベースとともに財政的効果も検証できるよう、取り組みの充実を要望したいと思います。

【質問】 次に、データヘルスの大きなテーマとして、重症化した人の過去の状況から傾向を掴み、同じ傾向を持つ将来重症化しそうな人に対して重点的に保健指導を行うことが挙げられており、同時にもっと前段階で、将来発症しそうな人に対して行う保健指導も想定されています。

 そこで、このような体制をとるには行政と地元医師会との協力関係がカギとなるわけでありますが、データヘルスに基づく保健師や看護師による「訪問指導」について、どのようにお考えかお聞かせをください。

【答弁】 将来、疾病が重症化しそうな方に対しての保健指導につきましては、平成25年度の健診結果に基づき、26年1月から電話等による受診勧奨を開始したところでございますので、今後、この勧奨が医療機関への受診に繋がっているのか等、レセプトデータや健診データにより確認を行ってまいります。 保健師や看護師による「訪問指導」につきましては、この結果を踏まえ、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。

【質問】 「訪問指導については、必要に応じて検討する」という事でありますが、ある健康保険組合では、加入者全体の2%にあたる「重症化した人」が医療費全体の約40%を占めており、さらに、その2%の人がかかっている疾病は、主に「心臓病、脳卒中」などの循環器疾患をはじめ、「糖尿病合併症や人工透析に至る慢性腎臓病」、そして、「がん」等に大別され、これらは何れも予防可能な生活習慣に起因するものであり、しかも、毎年継続して同等の医療費がかかるケースが多いことから、もし予防できればその人の健康寿命を延ばせるとともに、「年間数百万円の医療費 × 将来にわたる健康保険組合の在籍年数」分の財政効果があると見込まれています。

 そこで、医療費の適正化に向けたデータヘルス計画の策定について、今後の取り組みや具体的な目標をどうするのか、改めてお聞かせ頂きたいと思います。

【答弁】 今後は、本年11月頃から本格稼働する予定の「国保データベースシステム」などを活用し、生活習慣の状況、健康状態、医療機関への受診状況等を把握、分析してまいります。 それにより、地域の健康課題等を明確にし、その課題を改善するための具体的な目標設定を行い、効果的かつ効率的な「データヘルス計画」を策定し、保健事業を展開してまいります。

【意見・要望】 データヘルス計画の策定に向けて、地域の健康課題等を明確にし、具体的な目標設定を行っていくという事でありますが、データヘルスを展開する上で、重症化予防は大きなテーマではないかと思います。

 さすがに保健者全員に対する訪問指導は困難ではありますが、重点対象者を絞り込むことで、訪問指導につなげることが期待されます。また、この他にも、健診受診率の向上や禁煙指導など、比較的取り組みやすいテーマもデータヘルスの範囲となってきます。

 いずれにしても、目的別にデータを用いた目標設定や効果検証を行うことが重要であり、その際には、年齢構成等の要因を想定しながら保健事業計画を展開していく必要があると思います。

 また、分析結果に基づく保健事業を展開しても、その効果が表れるまでには数年以上かかるとも言われており、様々な観点から短期・中期的な目標を設けPDCAサイクルを回していくことで、データに基づいた「健康づくり」と「医療費適正化」向けて取り組んでいくことを要望致します。


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