藤沢市議会議員  松下賢一郎 オフィシャルサイト トップページへ


 
平成25年9月定例会〈一般質問〉
  「改正 災害対策基本法」への対応について

【質問】自力避難が難しい障害者や高齢者ら「災害時要援護者」の名簿作成を市町村に義務付ける「改正 災害対策基本法」が、今年6月に可決、成立しました。これは、国の調査で障害者の死亡率が住民全体の2倍に上った東日本大震災を教訓に、個人情報保護との兼ね合いに敏感な市町村に法的な「お墨付き」を与え、名簿の作成・活用を促進するためだと聞いておりますが、本市としては、「災害対策基本法」改正のポイント(課題等)をどのように捉えているのかお聞かせ頂きたいと思います。

【総務部長答弁】改正のポイントといたしましては、「@大規模広域な災害に対する即応力の強化等」、「A住民等の円滑かつ安全な避難の確保」、「B被災者保護対策の改善」、「C平素からの防災への取り組みの強化」となっております。 

 本市におきましては、これらの改正のポイントについては、これまでに一定の対応が図られているものと考えておりますが、今後も国、県の制度改正の動向を踏まえ、必要に応じて地域防災計画を見直すなど対応を図ってまいります。

【質問】「本市においては、改正のポイントについては一定の対応をしている」というご答弁で、課題等については特に言及をされませんでしたが、私としては、今回の法改正により、本市としても改めて取組を見直すなど、課題が多いと感じておりますので、幾つか確認をしていきます。

 まず、今回の法改正のポイントとしては、大きく分けて二つあると思います。一点目は、高齢者などの支援対策を強化したことで、具体的には、要援護者の名簿作成を市町村に義務付けた事にあると思います。

 また、二点目としては、避難所における生活環境の整備を明記した点にあると思います。

 そこでまず、一点目の災害時要援護者の名簿に関する取組についてでありますが、現時点における自主防災組織への災害時要援護者名簿提供と個別支援プラン作成等の対応状況、また、避難支援希望者数の把握について、お聞かせ頂きたいと思います。
【福祉部長答弁】災害時要援護者名簿の提供状況でございますが、平成25年3月末で475自治会・町内会のうち57.7%に当たります274の団体から申し出をいただき、本人同意の得た13,311名分の名簿を提供しております。 

 次に、個別支援プランの作成状況でございますが、平成24年度に自主防災組織に行ったアンケート結果によりますと、回答があった228自主防災組織のうち、個別支援プランを作成している自主防災組織は14%の 32団体、災害時要援護者宅に訪問した自主防災組織は 31.1%の71団体となっております。

 なお、避難支援希望者数につきましては、現在の災害時要援護者避難支援体制づくりの仕組みでは、申出書の提出先が自主防災組織等の代表となっているため、各自主防災組織等では把握しておりますが、市では把握できておりません 。

【質問】 まず、名簿の提供については、57.7%ということで、平成23年度11月時点が53.8%でしたから大きな進展は無いと言えます。また、個別支援プランの作成に至っては、アンケートの結果ではありますが、228自主防災組織で32団体の14%ということで、仮に475自治会町内会に当てはめて考えると6.7%ということになりますが、名簿提供及び対応が進まない自主防災組織への支援等について、本市の取組状況をお聞かせ頂きたいと思います。
【福祉部長答弁】名簿提供や対応が進まない自主防災組織への支援についてでございますが、毎年、各地区で開催される自主防災協議会総会や自治会連合会総会において、自主防災組織の会長や自治会・町内会長に対して、災害時要援護者の名簿提供や避難支援体制づくりの取り組みを要請するとともに、自治会単位での個別説明会にも対応する旨のご案内をさせていただいております。

 個別に依頼を受けた自治会単位の説明会におきましては、直接、自治会の皆さんから、疑問に思っていることや抱えている課題についてご質問やご意見を受け、意見交換を行う中で、先進的な事例を紹介する等きめ細かな対応に努めております 。

【質問】自主防災組織への支援についてご答弁頂きましたが、従来通りの対応で、ハッキリ申し上げて、今の体制のままで進めるのは、もう難しいと思います。

 特に、本市が繰り返し言っておられる「自主防災組織」を中心とした体制は限界に来ていると感じています。 先ほどのご答弁でも、毎年各地区で開催される「自治会連合会総会」で説明されているとありましたが、今の体制では、「自治会・町内会」の位置づけが非常に曖昧で、自治会・町内会長の立場も明確になっていません。

 そこで、提案をしたいのでありますが、災害時要援護者支援制度の受け皿となる基礎単位を自主防災組織等という単位から改めるべきではないかと思います。

 具体的には、お手元の参考資料@を見て頂きたいと思いますが、上段が現在本市で行っている制度であります。そして下段が一つの案として私が考えたものですが、見てお分かりの通り、制度の受け皿となる基礎単位を「自主防災組織等」から「自治会町内会」単位としています。

  (1)*全ての自治会町内会に名簿を提供する=災害対策基本法の改正点など、事前によく説明した上で

  ○要援護者には自治会町内会から訪問のお知らせをする=C

  ○今までのB「支援等の申し出」はやめる

 (2)D=名簿への対応=『推進委員』 自治会町内会役員、民生委員、老人会役員、婦人会役員等で構成

  ○本人の状況を確認して個別支援プランを作成(複数人で訪問)

  ○災害時要援護者避難支援マップを作成 

  ○安否確認や避難支援をしてくれる支援者への協力依頼

この内容は、大和市の取組を参考に考えさせて頂きましたが、大和市の他にも、自治会町内会を対象に名簿提供を進めている自治体は参考資料Aを見て頂きたいと思いますが、自主防災組織としている県内自治体もありますが、「自治会町内会」を対象に名簿提供している自治体も数多くあります。

 ただ、これは自主防災組織の活動を否定するものではありません。逆に自主防災組織の民さんには、後ほど触れますが、地域の防災訓練や、地域と避難施設との情報伝達、或いは、在宅被災者への対応など、地域に密着した機動的な活動に力を注いで頂き、要援護者への対応は、より人と人との繋がりが強い自治会町内会や民生委員、老人会等の皆さんにお願いした方が適当ではないかというものです。 そこでお尋ねをしますが、今、提案したような「自治会町内会」を基礎単位として「推進委員」を設置する取組について、本市のご見解をお聞かせ頂きたいと思います。
【副市長答弁】現行の災害時要援護者の避難支援体制づくりにつきましては、議員ご指摘のとおり課題があり、見直しを検討する必要性があると認識をしております。

 今後、見直しを進めるにあたり、本年8月の災害対策基本法を受け国の示した「取組指針」や他市の状況、今回ご提案いただいた(案)などを参考に、地域の防災力を高めていくことを最重要課題として捉え、災害時に一人でも多くの市民の命を守ることのできる避難支援体制づくりに向けた取組を進めてまいります 。

【質問】「災害時要援護者の避難支援体制づくり」については見直されるという事でしたが、あまり悠長に考えている時間はないと思いますが、いつまでに見直して、実行に移されるお考えか、再度、お尋ねをします。

【福祉部長答弁】見直し時期につきましては、来年4月に予定されている政令を経て進めてまいりますので、自治会・町内会、自主防災組織等関係機関への周知期間も含め、来年12月の名簿更新時期に合わせて見直しを行ってまいりたいと考えております。

【質問】次に、ポイントの二つ目である、避難所における生活環境の整備についてでありますが、今回の法改正では、安全性を満たした施設を確保する一方で、食料や医薬品などを用意し、医療サービスの提供にも努めるとしていますが、避難施設における医薬品の確保と医療サービスについて、お考えをお聞かせ頂きたいと思います。
【総務部長答弁】藤沢市地域防災計画において、災害時用の医薬品等については、市民病院に3日分、薬事センターに3日分を備蓄することとなっており、薬剤師会には市内の薬局における医薬品の確保と活用にあたっていただくとともに、県及び、災害時相互応援協定締結市に対し要請をいたします。

 なお、医薬品等の集積場所は、応急救護所である医師会館と保健医療センターとなります。 医療サービスを提供する救護活動体制といたしましては、市は、医療救護対策本部を保健所内に設置し、医療救護活動の総合調整機能の確立を図ってまいります。

 市民病院は災害拠点病院として、二次医療圏を担当し、地域救護病院で対応できない患者の処置にあたります。 また、必要に応じて市民センター・公民館、避難施設等に臨時応急救護所を開設することとしております 。

【質問】特別な配慮が必要な高齢者らのため、特別養護老人ホームなどを「福祉避難所」として指定することは、本市においても既に対応されていると承知をしておりますが、実際に初期の段階では、まず避難施設に収容されることになり、要援護者にとってはバリアフリーやある程度のスペースが確保された福祉的スペースの確保が重要だと思います。

 そこで、京都府では、災害時に避難所を開設する際、妊産婦や高齢者、障害者向けの「福祉避難コーナー」を設けるよう各市町村に求めており、具体的には、「ざわざわした雰囲気が苦手な認知症高齢者らが落ち着ける静養室」の設置、また、「寝たきりの人が利用するベッドルーム」等、あらかじめレイアウトを決めておくことや、通路の幅を、車いすが通れる1.1ートルとすること等になっていますが、本市では、避難施設における「福祉コーナー」の設置について、どのようにお考えか、お聞かせ頂きたいと思います。

【総務部長答弁】藤沢市地域防災計画においては、避難施設での生活環境を良好なものとするため、高齢者、障がい者等の災害時要援護者へのケア、避難者のプライバシー確保、大人と子ども、男女のニーズの違いへの対応などに十分配慮する必要があることとしております。

 本市において、災害時要援護者に対しては、避難施設での生活が困難な場合には、市民センター、公民館を一時的な福祉避難所とし、仮設住宅入居可能となるまでの間、受入体制が整った所から民間の福祉施設へ順次避難していただくこととなっております 。

【質問】避難施設での生活が困難な場合には、市民センター・公民館を一時的な福祉避難所とし、受け入れ可能な民間の福祉施設に順次避難するということですが、具体的なシミュレーションはどうなっているのか。 @「避難施設」に避難してくる福祉的ケアが必要な要援護者数 A 市民センター・公民館で一時的に受け入られる人数 B 避難施設から福祉施設への移送手段について。

【総務部長答弁】福祉避難所へ避難される方としては、日頃、生活に支援を必要とされている方で、災害によりその支援が受けられない方、かかりつけの産科医院で受診できない妊産婦さんや、一度避難施設に避難したのち、なんらかの理由で避難生活に支障をきたし、福祉避難所に避難されてくる方が想定されます。

 これらの理由から、現時点で、何人の要援護者が福祉避難所に避難してくるかの想定数については、把握が困難な状況です。  

 市民センター・公民館での受入可能人数につきましては、要援護者の方の中には、寝たきりの方など様々な事情の方がいらっしゃいますが、仮に1人あたり3.3uを必要とし、バリアフリー化されている明治市民センターの本館を例にいたしますと、福祉避難所として開設したと想定してみますと、利用可能な談話室等の面積から210人程度の受け入れが可能と考えられます。  

 避難施設からの移送手段については、避難施設従事職員からの報告により、協定によります民間タクシーや消防局や他市からの応援の救急車、その他公用車等を活用するほか、自主防災組織に協力を求めるなど、その時の状況により判断し最適な手段により搬送を行ってまいります 。

【質問】東日本大震災での教訓としては、長引く避難所生活により、高血圧などに加え、腰痛の患者が急増したと聞いています。

 これは、避難所の硬い床にそのまま布団を敷いて寝たことが原因と考えられており、避難所では早期からのマットレスの使用が不可欠だと言われておりますが、本市の対応をお聞かせ頂きたいと思います。

【総務部長答弁】現在、高齢者用のマットレスの備蓄計画はございませんが、避難所生活対策といたしましては、敷布団の代わりに使っていただけるように高齢者の方には毛布を多く配るなどの配慮は必要だと考えております。  避難施設の備蓄品については、これ以上の品目の追加は、保管スペースの確保の問題から非常に困難な状況となっております。

 現在、避難施設においては、毛布や体育館の備品のエアロビクス用マット、青畳、ござなどで就寝時をしのいでいただくようなっておりますが、日々進化する防災備蓄品を研究し、毛布等に代わる新素材の携帯用シュラフの購入などの検討をし、よりよい環境に向けた研究をしてまいります。

【質問】マットレスの問題は、東日本大震災の大きな教訓だと思いますので、何らかの対応を是非お願いしたいと思います。

 次に、東日本大震災では、多くの避難所で排水機能が不能になり、食べ残し、とりわけスープなどを捨てることが出来ず、そのため、高血圧の人も支給されたカップ麺の汁を全て飲まざるを得なくなり、高齢者を含め高血圧患者については、配給食に含まれる塩分や栄養の管理も極めて重要になると思いますが、本市の対応をお聞かせ頂きたいと思います。

【総務部長答弁】避難施設においては、生活環境の激変に伴い、被災者が心身の健康に不調を来す可能性があるため、避難施設を運営するに際し、被災者の健康状態の確認、常に良好な生活環境を確保するとともに被災者の健康状態を確認することが重要と考えております。

 また、高齢者に配慮した食料の備蓄、健康や食事の管理、健康相談等を行うために、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取り組み指針」で示されているように必要に応じて藤沢市保健所等の専門職職員を避難施設に派遣いたします。

【意見】これまでの質疑の中で、「避難施設等への応急救護所の開設」、また「市民センター等の福祉避難所としての対応」、そして今ご答弁のあった「避難施設への保健所等からの専門職員の配置」など、何れも、必要に応じて対応するという事でありますが、実際には相当混乱する中で、誰がその必要性を判断して指示を出すのか、そして、誰が行くのか、何処に設置するのかといった具体的な手順や要項は整理されていないと聞いておりますので、事前によくシミュレーションをして頂き、具体的な対応についても、マニュアル等を整備されるよう要望したいと思います。


このウインドウを閉じる


copyright(c) matsushita kenichiro. All rights reserved.