藤沢市議会議員  松下賢一郎 オフィシャルサイト トップページへ


 
平成22年6月定例会〈一般質問〉
  「公共交通不便地域の解消」について

【質問】「全国サステナブル調査」では、持続可能な都市を構築するための環境保全度を評価する項目として、「コミュニティーバスの導入」や「コミュニティーバスの住民一人当たり年間利用回数」等から評価する「交通マネジメント」分野。

 また、「住民一人当たりの自家用車台数」や「公共交通へのアクセス度」等から評価する「交通分担率」の分野があり、本市は、環境保全度の総合評価では5位となったものの、「交通マネジメント分野」では、62.4ポイントの62位、「交通分担率の分野」では、62.2ポイントの68位となり、「交通分担率」では、横浜、川崎をはじめ、近隣の逗子市、鎌倉市、大和市よりも本市はさらに低い評価になりましたが、このような調査結果に対し、本市の公共交通不便地域の現状をどのように分析をされているのかお聞かせいただきたい。 

【計画建築部長答弁】このたびの調査結果におきましては、「交通マネジメント」の分野では、コミュニティバスや乗り合いタクシーの導入実績及び住民1人あたりの利用回数などが、評価の指標として設定されております。 本市においては、「コミュニティバス」の導入は進んでおりますが、「乗り合いタクシー」などについては、導入実績が無いことから、62位という順位になっております。しかし、近隣の鎌倉市や茅ヶ崎市と比較しますと比較的高い評価を得ております。  

 また、「交通分担率」の分野では、「公共交通のアクセス度」として、自宅から600m以内に鉄道駅のある人口の割合や、「自動車保有度合い」として、住民1人当たりの自家用乗用車台数などが評価の指標とされております。

 本市においては、鉄道駅から600m以遠に居住されている方々も多いことや、自動車の保有率が高いことなどもあり、他都市と比較してその評価が低くなっているものと考えております。

 しかしながら、実態としては、平成10年に実施されたパーソントリップ調査の結果によりますと、本市の場合には自動車の保有率は高いものの、交通手段として自動車を使う比率は低く、逆に鉄道やバスを使う比率が他の市町村と比較して高いという結果を得ており、現在もこの傾向は変わらないものと考えております。

 本市の交通体系の現状としては、鉄道網の骨格をなすJR東海道線や小田急江ノ島線のほか、相模鉄道いずみ野線や横浜市営地下鉄、江ノ島電鉄なども配置され、他都市と比べ、鉄道の整備が進んでおります。  

 さらに、それを補完するバス交通については、基幹バス路線のほか、主要な駅に向かう路線バスについても既に整備がなされております。  

 こうした中で、鉄道駅の利用圏域外やバス停からのバスの利用圏域をカバーできない、いわゆる公共交通不便地域としましては、西北部地域のほか、長後上谷台方面、石川方面、立石方面などがあると認識しております 。

【質問】本市は、他市と比べ比較的に鉄道網やバス路線が整備されているといった分析もありましたが、それだけに、今、具体的に名前が挙がった公共交通不便地域との地域間格差は大きなものがあると感じております。  

 そこで、「全国サステナブル調査」の総合順位で全国1位となった武蔵野市は、交通分野の取り組みが大変に高く評価されており、特に同市が95年にバス交通空白・不便地域の解消を目指して、国内で初めて行政主導により導入したコミュニティーバスの「ムーバス(写真)」は全国的にも有名であります。  

 この事業は、バス車輌やバス停などの施設は市が管理保有し、運行はバス事業者に委託をするものの、基本的に運行赤字は市が補填するものです。  

 95年の導入当初は、吉祥寺駅北口を起点に周回するコースのみで運行されていましたが、現在では、7路線9ルートで運行され「市内のバス交通空白・不便地域はほぼ解消した」と聞いております。    

 また、計画当初、バス会社3社に運営委託を打診したところ、関東バスだけが、赤字の全額補填を条件に引き受け、当初はまさに計算通りの赤字だったようですが、その後順調に乗客は増え続け、現在では、運行自体は黒字になっているようであります。因みに、サステナブル調査でも「コミュニティーバスの住民一人当たり年回利用回数」は、全国トップとなっています。  

 そこで、本市はこの武蔵野市の取り組みをどのように評価分析をされているのかお聞かせいただきたいと思います。
【計画建築部長答弁】武蔵野市における取組につきましては、その成功の背景には、大きく2つの要因があるものと考えております。  一つは、武蔵野市の地域特性であります。  

 武蔵野市は、人口密度が1平方キロメートルあたり約1万3千人で、本市の約2.2倍もあり、また市域の約85%が住居系の用途地域であることから、交通不便地域と呼ばれる地域では、実際には、高密な住宅地が広がり、潜在的にバス利用の需要が高いことと、市域面積は藤沢市の1/7しかなく、鉄道駅を起点として1ルートが2kmから5kmという短距離ルートの運行で、市域の交通不便地域を解消できるといった非常にコンパクトな都市であったということがあげられます。

 もう一つの要因は、利用者ニーズの把握の手法にあると考えており、現地フィールドワークやグループインタビューなどにより高齢者等の交通ニーズを把握し、誰もが利用しやすいバスのシステムを構築していった点だと考えております 。

【質問武蔵野市の取り組みについて、地域特性が大きな要因であるという分析もありましたが、同時に利用者ニーズの把握の手法など、誰もが利用しやすいバスシステムを構築している点なども分析もされているようですが、それでは本市では、公共交通不便地域の解消に向けて、武蔵野市の例なども参考にしながら、今後どのように取り組むお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

【計画建築部長答弁】本市の今後の取組についてでございますが、まず、鉄道駅にアクセスするバス路線については、今後も、事業者において、バス路線の定時性の確保や利便性の向上に取り組むものと考えており、新たな都市計画道路などが整備された場合には、その路線の活用も十分考慮していきたいと考えております。  

 また、路線バスを補完する「地域から提案されるバス」の導入については、これまでも運行費用の支援では無く、車両購入や利便性向上のためのバスロケーションシステム導入などの際の国との協調補助や、走行環境の整備を基本に、市民・バス事業者・行政が連携して取り組んでまいりましたが、今後も、公共交通不便地域の解消に向けては、地域やバス事業者との連携や行政内部においても部門間の連携が必要と考えております。  

 現在も、地域の足として、コミュニティバス導入などの提案も多くありますが、これらについては、採算性やルートの設定など、様々な課題があります。  

 今後は、地域ニーズの高い交通についての様々なシステムについて、武蔵野市のムーバスの取組みなども参考にしながら、環境面や高齢社会への対応の視点なども踏まえ、研究してまいりたいと考えております 。

【質問「地域ニーズの高い交通についての様々なシステムについて、高齢社会への対応の視点からも今後も研究してまいりたい」というご答弁でありましたが、若干具体性に欠けるお話だったと思います。そこで、もう少し具体的にお聞きをしますが、環境にもやさしく利便性の高い新たな公共交通として「デマンドバス」というものがあります。  

 このデマンドバスとは、利用者のデマンド(需要)に応じて運行を行うバスのことで、予約状況に応じてバスが配車され、利用者のデマンドに応じた迂回ルートを走行するなど利用者のニーズに応じた、柔軟な運行ができることに特徴があります。  

 また、事業者側は利用状況に応じての配車が可能となるため、乗客のいない空バスでの運行を防ぐことで、運行コストを引き下げることになり、さらに、環境面においても無駄に走ることがなくなるためCO2を削減することにも繋がるというものです。  

 そこで、本市ではデマンドバスの運行について、どのように評価分析をされているのか、今後の導入可能性などについてお聞かせいただきたいと思います。

【副市長答弁】デマンドバスの特徴といたしましては、一般の路線バスとは異なり、地域の変動する需要に応じて弾力的に対応することができるといった利点がありますが、その反面、不定期であること、需要に応じて経路が変わることで、到着時刻が予測できないという課題もあると認識しております。

 なお、「利用しやすい運行形態」や収入面・コスト面でのメリットやデメリットを含め、現在、他都市では デマンドバスなどの社会実験なども行われておりますので、これらの実験結果の動向や今後の検証、地域における特性や住民ニーズなどもしっかり把握した上で、本市に見合った様々な交通システムについて、今後も研究を進めてまいりたいと考えております 。


このウインドウを閉じる


copyright(c) matsushita kenichiro. All rights reserved.