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平成20年12例会〈一般質問〉
  「耐震改修の促進について」

【質問】平成7年の阪神・淡路大震災後に制定された建築物の耐震改修の促進に関する法律、いわゆる耐震改修促進法は、新潟県中越地震などの被害状況を受けて平成17年に改正され、その中で、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針に基づき、都道府県にあっては耐震改修促進計画の策定が義務づけられ、市町村にあっても定めるよう努めるものとされました。  

 また、国土交通省では住宅及び建築物の耐震化を促進するため、地方公共団体への補助制度として平成17年度より地域住宅交付金と住宅・建築物耐震改修等事業等を行っていますが、当該補助を受けるためには耐震改修促進計画が必要であるとされており、このようなことから、本市においても「藤沢市耐震改修促進計画」を策定し、今議会の建設常任委員会に報告がされたところであります。

 そこで、地震による建築物の被害、損傷を最小限にとどめる減災という観点から、民間建築物の耐震化を促進するための今後の方針について何点かお尋ねをいたします。  

 まず、木造住宅に対する耐震診断及び耐震工事に係わる負担軽減の為の支援を目的とした助成制度の拡充について、本市ではどのように取り組まれるのか、パブリックコメントでは補助額の増額を望む声もあったようですがご見解をお聞かせ下さい。  

 また、我が会派では、マンションに対する耐震診断補助制度の創設を求め、本年の代表質問でもお尋ねをしましたが、その際「藤沢市耐震改修促進計画に基づき検討してまいりたい」とのご答弁でもありましたが、ここで改めてご見解をお聞かせいただきたいと思います。  

 また、国及び地方公共団体等で構成する検討会において、建築物の耐震化のさらなる促進と建物利用者への耐震性に関する情報提供を目的とした「マーク表示制度」が検討されてきましたが、昭和56年以前に建築された建築物について、耐震診断、又は、耐震改修を行った結果、耐震基準に適合することが確認された場合に、その旨を表すマークプレートを当該建築物の出入り口など目につく場所に提示することで、建物の利用者が安心して利用できるように、「耐震診断・耐震改修マーク表示制度」が創設され、神奈川県でも本年3月から導入されたと聞いておりますが、本市ではどのように対応していくお考えかお聞かせを頂きたいと思います。  

 次に、耐震改修工事を実施するにあたって、最大のネックは高額な費用面にあることは言うまでもありません。このようなことから、我々は再三「簡易な補強工事への補助制度」創設を提言してきました。すでにこれまでも紹介してきた通り、耐震基準を下回る簡易な補強工事であっても、「地震時に家が傾いても完全につぶれなければ命が救われる可能性が高まると」判断して補助金を出している自治体は数多く、市区町村では墨田区を初め、足立区、板橋区、長岡市、四日市市、鈴鹿市、神戸市などが緩和要件で補助をしており、京都市も今年から、木造住宅の段階的な耐震改修の誘導と啓発を目的として、簡易な耐震改修に係る経費の一部を助成する制度を創設するなど、この動きは、確実に広がりを見せております。  

 また、品川区では日本大学理工学部などと共同で、木造住宅用の簡易な耐震工法を独自に開発しており、従来工法より割安で、住みながら補強できるのが特徴となっていて、2009年度にも区の補助事業に採用する方針と聞いております。  

 そこで、これまでの本市のお考えとしては、「設計事務所協会や建設業協会と連携を図りながら、補助の対象としてこれらの工法の普及に努めたい」という事でしたが、今回は是非とも具体的な推進策として本市の前向きな姿勢を示していただきたいと考えますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。  

 また、近年の大地震では、地震による建物被害がない場合でも、家具や棚などが転倒しその下敷きになってケガをしたり、室内が散乱状態のため延焼火災から避難が遅れてしまうなど被害を大きくした要因となりました。  

 そこで、家具の転倒防止については、市内各家庭の家具固定実施率60%に向け積極的に普及啓発を推進されてきたと認識しておりますが、これまでの普及啓発活動の成果をどのように認識されているのかお聞かせを下さい。

 また、高齢者世帯や障害者世帯等、自分で家具の固定が出来ない方には、転倒防止器具の取り付けを行う協定業者を紹介したり、取り付けの工事費用を1台につき2千円 とする支援策を打ち出しておられますが、これまでの実績と、高齢者、障害者等の該当する世帯における家具の固定実施状況はどのように把握されているのかお聞かせ頂きたいと思います。 
【計画建築部長答弁】1点目の木造住宅に対する耐震診断及び耐震改修に係る負担軽減のための助成制度の拡充でございますが、耐震化に伴う助成の考え方には、対象者を拡げ多くの市民に補助を行う方法と、助成額を増やし、1件あたりの負担を軽くする方法の2つの方法が考えられます。

 本年10月に策定し、この建設常任委員会でその報告をいたしました藤沢市耐震改修促進計画で住宅の耐震化率を90%とする目標を掲げました。従いまして、この目標達成のためには、多くの市民に改修工事を行っていただくことが必要であると考え、助成制度への応募状況に合わせ、対象者を拡げてまいりたいと考えております。また、国や神奈川県の現行の補助制度が平成22年度までとなっておりますことから、平成23年度以降の補助制度がどのようなものになるか推移を見守りながら検討してまいりたいと考えております。  

 2点目のマンションに対する耐震診断補助制度の創設につきましては、藤沢市耐震改修促進計画で分譲マンション耐震診断支援事業の検討を位置付けしましたことから、平成21年度に実態を調査し、どのような制度にするか検討してまいりたいと考えております。  

 3点目の耐震診断・耐震改修マーク表示制度への対応につきましては、耐震安全意識の向上などを目的に、財団法人日本建築防災協会などの団体が制定した制度で、対象建築物は、耐震改修促進法に定める特定建築物や階数3以上かつ1000平方メートル以上の分譲共同住宅で昭和56年以前に建てられた建築物でございます。

 制度といたしましては、耐震改修促進法の認定などを受け、耐震改修工事が適正に行われたことが確認できた建築物に対し、所有者にその旨を表すプレートを交付するものでございます。

 一方、認定などを受けないで耐震改修工事を行った安全と思われる建築物にはプレートの交付ができず、利用者の混乱を招く恐れがあります。このような課題はありますが、神奈川県が本年3月からこの制度の運用を開始し普及に努めていますので、本市におきましても、その動向を検証しながら、対応について検討してまいりたいと考えております。  

 4点目の簡易な補強工事への補助制度の創設につきましては、藤沢市耐震改修促進計画における耐震性を有する住宅とは、耐震基準を満たす住宅であると考えております。ご質問の中に一例としてあります墨田区では、簡易な改修工事を行った住宅は、耐震基準を満たさないものであることから、その耐震改修促進計画において、耐震性は無く、耐震化率の向上には寄与しないとしています。このたび策定しました本市の耐震改修促進計画で掲げております住宅の耐震化率の目標、すなわち耐震性を有する住宅の割合を90%まで引き上げるという目標達成のため、安全性が確保される耐震基準1.0以上の改修工事への助成を引き続き行っていきたいと考えております。  

 次に、5点目の家具の転倒防止の普及活動の成果をどのように認識しているのかとのご質問にお答えします。  今年度も各自治会・各地区の防災訓練、講話や各イベント等様々な機会をとらえ、転倒防止器具を実際に見ていただいたり、また、作成したチラシを配布し起震車の震度体験を通じて、地震発生時には家具の転倒防止対策がいかに重要かを訴えているところでございます。  

 また、同時に防災訓練や講話等に参加された方を対象に、家具の転倒防止に関するアンケートを実施しておりますが、11月末現在で家具の固定につきまして、何らかの対策を講じている家庭は、1,924件の回答の内約64%となっております。  

 次に、家具の転倒防止器具の取り付け工事の実績ですが、取り付け協定業者6社の合計は、平成19年度は7月から始まり、3月までの9ヶ月間で12件、本年度は、4月から11月までの8ヶ月間で34件となっております。  

 次に、高齢者及び障害者等の該当世帯における家具の固定実施状況の把握ですが、高齢者につきましてはアンケート結果から見ますと、65歳以上の方で家具の固定につきまして何らかの対策を講じている方は、836件の回答の内約58%となっております。  

 なお障害者等の世帯につきましては、アンケートを実施しておりませんので今後保健福祉部と連携し、状況把握に努めていきたいと考えております。

【再質問藤沢市耐震改修促進計画における耐震性を有する住宅とは、耐震基準を満たす住宅であることから、住宅の耐震化率の目標である90%の目標達成のためには、耐震基準を満たさない簡易な補強工事への補助制度は考えられないというご答弁でした。  

 当然、私も耐震基準を満たす改修工事が理想だとは思いますが、最大のネックは多額の費用面にある事は疑う余地がないわけであります。  

 現に、建設常任委員会に報告されたアンケート調査では、耐震改修工事を行わない理由の第一は、「資金面の余裕がないから」で46%、また、「当面、必要最低限の処置で対応する」が25%となっており、「耐震改修を進めるために必要と思われる支援は何だと考えるか」との問いには、「改修工事にかかる費用の補助制度の一層の充実」が50.6%で最高の数字が示されるなど、つまり、「費用はないが必要最低限の処置はしたい」というのが市民のニーズであると思いますが、これについてどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。  

 また、先程も紹介した墨田区をはじめ、簡易な補強工事を積極的に支援している自治体は、どのような思いで取り組んでいるとお考えか、本市のご認識を再度お聞かせいただきたいと思います。  

 家具の転倒防止対策について、アンケートの結果から、65歳以上の方で何らかの対策を講じている方が58%というご答弁でした。確かにこの数字自体は、全国平均から見ても悪い数字ではないと思いますが、836件の回答の58%ですから、的確に現状を示しているとは言い難いものだと思います。ましてや障害者等の世帯については、これから状況把握に努めたいという現状にもあります。  

 そこで、品川区では、上限2万円で転倒防止器具の購入費を補助する制度を新設したり、区のシルバー人材センターの職員が取り付け作業も行っていると聞いておりますが、この他にも、各自治体あの手この手で家具の転倒防止に取り組んでいます。  

 本市でも、業者を紹介したり、工事費の一部助成は行われていますが、家具の転倒防止には、転倒防止器具を購入するという費用面の課題と、取り付ける事が出来ないという物理的な課題があり、この両面で困難が生じる方と、片方だけ困難が生じる方とが居られるわけですが、もう少し的確な現状把握をした上で、有効な支援策を講じていくことが必要だと思いますが、再度ご見解をお聞かせいただきたいと思います。
【計画建築部長答弁】1点目の費用はないが必要最低限の措置はしたいという市民のニーズを市はどのように考えるかにつきましては、耐震改修促進計画の中では、費用・資金面の問題について、「耐震改修リフォーム融資などの支援制度」等、負担軽減できるものの例を紹介しております。市の補助制度だけでなく、負担軽減のご相談をいただいた方へは計画に記載されている住宅ローンに対する減税や住宅金融支援機構が行っている耐震改修リフォームローン融資制度について、丁寧に紹介してまいります。  

 2点目の簡易な補強工事でも支援している自治体はどのような思いで取り組んでいると市は考えるのかにつきましては、簡易な工法の支援等を行う各自治体については、基本的に、その建築物の居住者が、被災時、最低限の生命を維持できれば避難になんとか結びつくのではないか、という視点に基づいていると解釈しております。  

 本市としましては、耐震改修を行うこととは、その建築物の居住者が無事であるとともに、建築物の破損、倒壊等の二次災害から地域周辺への影響や危険を回避し、避難が出来る、安全性を有する建築物になるということと考え、その促進に努めてまいります。  

 3点目の家具の転倒防止の的確な現状把握についてでございますが、本市では、家具の転倒防止の実施状況を把握するために、平成19年度からアンケート調査を防災訓練や講話等に参加された方を対象に開始したところでございます。平成20年度からは、アンケート調査の範囲を拡大しまして、消防本部で実施しております普通救命講習会に参加された方にも、家具の転倒防止のアンケート調査をお願いしているところです。  

 今後は、保健福祉部とも連携し、アンケート調査の実施対象の範囲を広げ、更に的確な現状把握に努めていきたいと考えております。  

 次に有効な支援策についてでございますが、まず、一番効果的な方法としては、家具の転倒防止の普及活動であり、転倒防止器具を直接実際に見ていただいたり、起震車の震度体験を通じて、地震発生時には家具の転倒防止対策がいかに重要かを肌で感じていただくことであると考えています。  

 このことから、本市におきましては、自治会・町内会や自主防災組織で実施される防災訓練に起震車を派遣するほか、地区総合防災訓練においては、起震車のほかに家具の転倒防止用具の展示などを行い、この転倒防止対策がいかに重要かということを繰り返し訴えているところでございます。  

 また、災害時にはお互いに助け合う「共助」が大変重要であることから、転倒防止器具が設置出来ない方に対して設置のお手伝いをするなどの手助けをしていただけるよう、防災訓練や講話等の機会を利用し、更に働きかけるとともに、本市が進めております、取り付け業者の紹介制度を今まで以上により多くの市民の皆様に周知していきたいと考えております。

【要望簡易な補強工事についてでありますが、確かに本市の耐震改修促進計画が策定された事により、その方針・計画に沿って取り組むという姿勢は、建前論としては正しいですし理解を致しますが、耐震性に問題がある住宅には高齢者や資金的に余裕のない人々が多く暮らしており、ここを耐震化しないと死者は減らないわけであります。

 簡易な補強工事はセーフティーネットとして必要であると思いますので、市独自の取り組みとしてもう少し柔軟に検討して頂けないか、また、セーフティーネットとしては、「耐震ベッド」や「寝室シェルター」の設置に一定の補助をしていく事も考えられますので、併せて、ご検討頂くよう強く要望させて頂きます。


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