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平成20年12例会〈一般質問〉
  「災害時要援護者の避難支援について」

【質問】本市における災害時要援護者の支援については、関係機関共有方式を基本に、市内約1万6,000人の要援護者名簿を行政情報として名簿化し、地区防災拠点である市民センター並びに各公民館に配備するとともに、民生委員・児童委員の日常の活動から、支援を必要とする高齢者の方々の所在情報等を付加して災害時への備えとしています。  

 そして、実際に地震が発生した場合には、この名簿をもとに民生委員・児童委員並びに地区防災拠点応援職員が居住地を巡回し、安否確認を行うこととしていますが、迅速に避難支援を行うためには、近隣住民の協力を初め、自助・共助を基本とした避難支援体制を講じることが極めて重要であることは論を待たないところであります。  

 また、災害時要援護者の避難支援については、地域において、災害時の避難にあたって支援が必要となる人を特定し、その一人ひとりについて、誰が支援してどこの避難所等に避難させるかを定める「個別避難支援プラン」を策定するよう、国からも「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」が示され、すでに3年が経過をしていることから、本年の代表質問においても早急に対応策を講じるよう提言をさせて頂きました。  

 こうした中、ようやく本市においても、モデル地区として2カ所の町内会が選定され、この町内会の方々と個別計画作成に向けた検討を行いながら、そこでの検証結果をもとに、市内全域へ広げる基本的方向性などについて確立していきたいとされています。  

 そこでまず、モデル地区におけるこれまでの検討状況並びに、「個別避難支援プラン」策定のための方向性について、どのようなスケジュールで取り組むお考えか、改めてお聞かせいただきたいと思います。

 また、伊勢原市は本年5月から「災害時要援護者避難支援計画」に基づき、災害発生時に避難支援が必要となる高齢者や障がい者の登録者に対して、本人が所属する自治会単位で支援者を定め、情報伝達や避難支援を行うべく、市は、要援護者の対象となる市民2,442人に対し支援者を定めることへの意思確認を実施したところ、1,179人が同意しており、既に希望者全員の支援者を決定したと聞いております。  

 このように、近隣他市ではすでに多くの自治体が具体的取り組みに着手していると認識しておりますが、本市では、どのように受け止めておられるのか、近隣他市の取り組み状況と、他市と比較して本市の対応は遅れていると言えないのか、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。  

 また、要援護者の避難対策を進めるにあたっては、要援護者自らの積極的な取り組みと家族や地域社会の理解が不可欠となってきますが、本市においても、平成18年に「災害時要援護者防災行動マニュアル」を策定し、地震災害等に対する心構えや適切な行動についての理解と日頃の準備を促進する為、民生委員さんを通じて高齢者世帯や障害者世帯に配布されたと聞いておりますが、マニュアルの活用とその効果については、今一度検証する必要があると思います。  

 そこで、千葉県市川市では、寝たきりの高齢者や身体障害者、知的・精神障害者など一人では避難できない「災害時要援護者」を地域で助けてもらうため、支援方法や避難時のポイントを一冊にまとめた「災害時要援護者支援ハンドブック」を本年5月に作成しています。  

 このハンドブックは、分かりやすさと見やすさに重点をおいてイラストを多く盛り込み、「声をかけて不安を取り除く」「冷静な態度で接する」「相手にあわせたコミュニケーションを」など要援護者の状態に応じた具体的な対処方法を解説するとともに、要援護者に対しても、日常的な地域との交流や部屋の整理、助けを呼ぶ笛やブザーの用意など日ごろからの備えも呼び掛けています。市では十万部作製し、約一万人と推計される要援護者や自治会役員、民生委員らに配布して、「地域で互いに理解し、支援が必要な人を支えていけるようになってほしい」とハンドブックの活用に期待をしているそうであります。  

 そこで、本市でも既に「災害時要援護者の行動マニュアル」として策定をされてはいますが、改めて内容を見直し、さらに分かりやすくイラストなどを用いた内容で、藤沢判「災害時要援護者支援ハンドブック」として活用することも必要ではないかと考えますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。  

 また、千葉市消防局は、市の総合的な要援護者避難プランの策定に先立ち、日常的な救助活動で活用するために、災害発生時に援護が必要な高齢者や障害者らのリストを救助活動に役立てるシステムを本年9月からスタートさせております。  

 このシステムは、市内在住の「自立歩行が難しい一人暮らしの高齢者」「要介護区分3〜5の認定者」「障害程度1〜3級の身体障害者」と「日常生活で常に介護が必要とされる重度の知的障害者」で、約1万5千人を対象としており、該当者のデータと消防局の指令管制システムが連動し、指令管制センターの地図画面には、災害発生地点から半径五十メートル以内にある要援護者の居住地に「弱」マークが表示され、このマークをもとに、出動部隊に指示を出し「災害弱者」の逃げ遅れ防止と早期の救出を目指しているそうであります。

 そこで、消防本部と連携した災害弱者の地図表示システムについて、本市の取り組みをお聞かせいただきたいと思います。 
【保健福祉部長答弁】「モデル地区における検討状況並びに、個別避難支援プラン策定のための方向性と今後のスケジュール」についてお答えいたします。

 平成19年度末にモデル地区として片瀬地区と湘南台地区においてそれぞれ1カ所ずつ町内会を選定し、検討を行っているところでございます。 今年度中には、このモデル地区における検証結果をもとに、災害時要援護者の避難支援体制の構築に向けたマニュアルを作成したいと考えており、その後、自主防災組織等に投げかけをし、地域において避難支援体制を構築していただきたいと考えております。

 また、避難支援を希望する方を把握するため、ねたきり高齢者など災害時に援護が必要な方に対しまして、調査票の発送をしたいと考えており、現在、その準備をしている段階でございます。

 次に、2点目の「近隣他市の取り組み状況などについて」でございますが、神奈川県内では、横浜市の一部、川崎市、伊勢原市、茅ヶ崎市で災害時要援護者登録制度を設けおります。いずれの自治体も登録された方の情報を自主防災組織や自治会町内会に提供し、地域において避難支援者の選定をするなど、避難支援対策を講じていただくというものでございます。

 本市におきましては、平成14年7月に「地震災害時における災害時要援護者支援マニュアル」を作成し、地震発生時に民生委員や地区防災拠点応援職員により、安否確認などを行う体制を整えております。 しかし、他市のように、自主防災組織や自治会・町内会における避難支援体制はまだ整っていないことから、先程ご答弁いたしましたとおり、モデル地区での検証結果をもとに、地域における避難支援体制の構築に向けたマニュアルを作成し、自主防災組織等に投げかけていきたいと考えております。

 続きまして、3点目の「災害時要援護者のための行動マニュアルの充実について」でございますが、このマニュアルは、災害に対する日頃の備えや地震発生時の身の安全確保などについて、障害のある方や一人暮らし高齢者など災害時に援護を必要とする方たちを対象に作成したものでございます。

 高齢者につきましては民生委員が、障害者につきましては、障害者団体をとおして配布しているものでございます。 今後、さらに分かりやすく見やすくなるよう、市川市も含めて他市の状況を十分調査し、研究してまいりたいと考えております。

 次に、4点目の「要援護者データと消防指令システムとの連携」についてでございますが、本市におきましても、平成14年の指令システム更新に伴いまして、指令管制センターの地図画面上に要援護者宅が表示されるシステムを導入しております。

 現在、「障害程度1〜4級の身体障害者」の情報を地図画面上に表示し、災害活動に活用しておりますが、今後は、ねたきり高齢者等の情報の表示につきましても検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

【再質問】「個別避難支援プラン策定のための方向性と今後のスケジュール」についてご答弁いただきましたが、「今年度中には、モデル地区での検証結果をもとに、災害時要援護者の避難支援体制の構築に向けたマニュアルを作成して、その後、自主防災組織等に投げかけをし、地域において避難支援体制を構築していただきたい」というご答弁でしたが、どのように投げかけていくのか、文書等のマニュアルを配布して終わりなのか、もしくは、説明会等を開催しながら協力を求ていくのか、もう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。

 また、「避難支援を希望する方を把握するため、災害時に援護が必要な方に対して調査票を発送したい」という事でしたが、いつ頃実施され、そして、自主防災組織等への情報提供など、今後どのように展開されるお考えかお聞かせを下さい。  

 また、要援護者の避難支援個別計画と併せて、国としては平成21年度までに、市町村における災害時要援護者の避難支援対策の取組方針を明らかにした「避難支援プランの全体計画」を策定するよう促しておりますが、本市としても、災害時要援護者の情報収集並びに、情報共有の方法や対象者の範囲、役割分担、実際の避難訓練など、具体的方針を整理した「災害時要援護者避難支援全体計画」を策定する必要があると考えますが、併せてご見解をお聞かせ下さい。
【市長答弁】「災害時要援護者の避難支援について」の1点目、「マニュアル作成後の自主防災組織等への投げかけについて」でございますが、市内各地区にございます自主防災組織連絡協議会等に対しまして、マニュアルを配布するとともに説明会を開催し、協力を求めていきたいと考えております。  

 次に、2点目の「自主防災組織等への避難支援希望者の個人情報の提供について」のご質問でございますが、ねたきり高齢者や障害をお持ちの方などを対象といたしまして、避難支援を希望する方の把握をするため、早急に、全市的な調査票の発送をしたいと考えております。  

 私としましては、市民の命を守るという大きな使命がございますので、個人情報保護に十分配慮しつつ、この調査により避難支援を希望すると回答をされた方の情報をいかに活用していけるか十分に検討をして、地域における避難支援体制を構築していきたいと考えております。  

 また、災害時要援護者の情報収集並びに、情報共有の方法や対象者の範囲など、取り組み方針を定めた「災害時要援護者避難支援全体計画」につきましては、平成21年度を目途に策定していきたいと考えております。

【要望最初の質問で、災害時要援護者の避難支援について、近隣他市と比較して本市の取り組みは遅れていると言えないのかと申し上げ、この事については直接的なご答弁はなかったわけですが、本市の取り組みが中々具体化しない最大の理由は、個人情報の取り扱いにあることは誰の目にも明らかであり、この事は当初からずっと言われてきたことでもあります。  

 市長からも、「市民の命を守るという大きな使命がある」という力強いご答弁を頂いたところですが、調査票を送って避難支援の意志を確認したからには、そう時間をかけて検討する余裕はもうないと思いますので、懸命なご判断を是非ともお願いしたいと思います。  

 また、今後、地域に投げ掛けをしていく際に、非常に大きな役割を果たすのは、「要援護者避難支援のマニュアル」になると思います。内容的にはこれから詰めて行かれるんだと思いますが、当然、当事者である避難支援を希望する方を含め、支援する自主防災会等の地域に対し広く理解を求めるものでなくてはならないと思いますので、冒頭ご紹介した市川市の「災害時要援護者の行動マニュアル(担当課の方に一部差し上げましたので)」も充分参考にされ、充実したマニュアルを作成して頂きたいと思います。


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