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平成20年6例会〈一般質問〉
  「学校のアレルギー疾患に対する取り組みについて」

【質問】文部科学省は昨年4月、「アレルギー疾患に関する研究調査報告書」を公表しています。同調査では、全国の約3万7000の小中高校を対象に2004年6月末の、児童・生徒のアレルギー疾患の実態や、疾患ごとの学校の取り組みの現状等をアンケート調査したもので、児童・生徒の各種アレルギー疾患有病率は、喘息が5.7%、アトピー性皮膚炎5.5%、アレルギー性鼻炎9.2%、アレルギー性結膜炎3.5%、食物アレルギー2.6%などと高い数値を示しており、報告書では、多くの学校でアレルギー疾患の実態把握に努めているものの、その対策はまだ不十分で、医師が関与する仕組みや、医学的根拠に基づく対策の実施が必要だとしています。  

 こうした報告書を受けて、本年4月、文部科学省が監修し(財)日本学校保健会が発行した「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が全国の教育委員会や小中高校などに配布され、「アレルギー疾患のある子どもたちを学校などでどう支えるか」という視点で取り組みを促そうとしています。

 今回のガイドラインでは、食物アレルギーによる「アナフィラキシーショック」に対処するアドレナリン自己注射、通称「エピペン」を、本人に代わって教職員らが打つことは医師法に違反しないとする初めての見解が示されている他、アレルギー疾患のある子どもの保護者から病型や留意点などを記入した「学校生活管理指導表」を学校に提出してもらい、教職員で情報を共有化することなどが盛り込まれています。  

 そこで、命にかかわると言われる「アナフィラキシーショック」の救命率は、アドレナリンをできるだけ早く投与できるかにかかってきますが、学校でショックが起きた場合で本人が意識を失った場合などに他人が注射することの是非について明確な見解は示されていませんでした。

 これに対し、文科省は法務、厚生労働の両省とも協議し、「救命の現場に居合わせた教職員が注射しても医師法違反にはならず、刑事・民事責任も問われないと考えられる」とガイドラインに明記し、教職員が発見者になった場合、必要に応じてエピペン注射をするなどの対応がとれるよう、教職員全員が情報を共有し、常に準備をしておくことを求めています。  

 一方、個々の症状等を把握するために示された「学校生活管理指導表」はA4判1枚で、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー・アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎の疾患別に、「疾患の有無」「疾患の内容」「処方薬」「学校生活上の注意点」「緊急連絡先」などを記載するようになっていて、これを保護者を通じて主治医・学校医に記入してもらい、学校に提出をします。各校はこれをまとめて管理し、疾患を抱える子どもの生活を支えたり、発作などの緊急時への対応、学校給食への対応などへの活用がされることになります。  

 また、同ガイドラインでは、各疾患の原因や症状、薬の管理なども解説しながら、学校で留意すべき状況と対応について、具体例を挙げて説明されています。  

 そこで、同ガイドラインの冊子が、教育委員会を通じて、各学校をはじめ教職員や保護者へ配布されるとも聞いておりますが、まず、本市における児童・生徒のアレルギー疾患の実態をお聞かせいただくとともに、「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に対し、本市では、どのように取り組むお考えかお聞かせ頂きたいと思います。
【教育長答弁】一点目の「本市における児童生徒のアレルギー疾患の実態について」でございますが、 まず、本市と文部科学省の全国調査の比較にあたりま して、本市は、気管支ぜんそくを除く項目を健康診断時 の医師の診断結果としておりますが、全国調査では、全ての項目に既往症を含めております。

 調査対象について、全国調査では小中高校生が対象となっておりますが、本市と同様に小中学生だけで比較しますと、 ・気管支ぜんそく、市は7.3%、全国調査では6.2%、 ・アトピー性皮膚炎、市は1.6%、全国調査では5.8%、 ・アレルギー性鼻炎、市は11.1%、全国調査では9.3%、 ・アレルギー性結膜炎、市は1.4%、全国調査では3.6%、 ・食物アレルギー市は2.6%、全国調査では2.7% となっております

 次に、二点目の『学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン』のアドレナリン自己注射薬、通称「エピペン」と「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」に対する取り組みについてお答えします。

 「エピペン」につきましては、現在、小学校において、4校5名が学校保管、1校2名が本人保管となっております。該当校における「エピペン」の取り扱い状況は、学校保管・本人保管とも、事前に主治医・保護者・学校が、対応可能な事項など十分な事前協議を行っております。

 緊急時の体制につきましては、主治医、校医の他に学校の近くの医院にもご協力をいただき、緊急受診ができるように確認しております。 食物アレルギーや「エピペン」については、担任や養護教諭だけでなく、全教職員で共通理解を得るように、校内で研修を行っております。

 議員ご指摘のとおり、ガイドラインでは、「エピペン」を自ら注射できない状況にある児童生徒に代わって、その場に居合わせた教職員が注射することは医師法違反にならない、とされました。これを受け、「エピペン」を保管することが多い小学校へは、やむを得ない場合の緊急処置として「エピペン」の取り扱いを周知いたしました。

 中学校におきましても、同様に周知を図り、万全な救急体制の確立を図ってまいります。

 次に、「学校生活管理指導表」についてでございますが、現在、小中学校におけるアレルギー疾患についての把握は、保健調査票、または、保護者からの報告や主治医との情報交換等で把握しております。

 保護者からの報告には、医師の指示や診断の証明は 求めておりませんが、保護者・医療機関・学校間の連絡は円滑に行われております。 緊急体制が必要になる重篤なものは、各校での体制 づくり、また保護者の了承のもと、教職員間の共通理解を図っております。

 日常の学校生活においても、症状や保護者の申し出により、個別に応じているところでございます。 「学校生活管理指導表」の取り扱いについては、今年度、初めて示されたものでありますので、今後、活用等検討してまいりたいと考えております。 なお、ガイドラインにつきましては、各校2部ずつの配布になっております。保護者への配布はございませんが、アレルギー疾患の取り組みについては、子ども達の健康を考える上で重要な課題となりますので、ガイドラインの主旨を、保護者や教職員に周知してまいりたいと考えております。

【再質問】「エピペン」の取り扱いについて、本市は大変注意深く、また、丁寧に対応されてきたことは十分に理解をしているところではありますが、アナフィラキシーショックの救命率は、アドレナリンを30分以内に投与できるかどうかで大きく違ってくることから、あえて今回は、自己注射を本人に代わって教職員らが打つことは医師法に違反しないとする初めての見解が示されたと思います。  

 そこで、ご答弁では、「エピペン」を保管することが多い小学校へは、やむを得ない場合の緊急処置として「エピペン」の取り扱いを周知したという事ですが、これはどのような対応なのか、内容をもう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。  

 また、「学校生活管理指導表」の取り扱いについては、今後、活用等検討していきたいという事でしたが、当事者である保護者の意見も充分聞きながら、対応を検討していく必要があると思いますが、再度、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
【教育長答弁】1点目の「救急処置としての「エピペン」の取り扱い周知」につきましては、小学校へは校長をとおし、本人に代わり教職員が注射するなどの対応は、やむを得ない場合の救急処置として、医師法違反にならないと考えられるなど、ガイドラインに示されている内容について、周知をいたしました。

 「エピペン」を学校保管しております該当校においては、緊急時対応のために、「エピペン」の取り扱いに関するビデオ等を参考に理解を深めております。今後は、緊急時の対応について、指導してまいります。  

 2点目の「学校生活管理指導表」について、保護者の意見を聞き、対応を検討する必要があるのではないか」ということにつきましては、保護者に「学校生活管理指導表」を周知し、利用希望の意見を取り、有効に活用してまいりたいと考えております。  

 また、養護教諭の研究部会と共に、「学校生活管理指導表」の活用方法や調査方法について検討してまいりたいと考えております。


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