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平成20年6例会〈一般質問〉
  「子どもと向き合う時間の拡充について」

【質問】新学習指導要領の移行措置で、小中学校とも、それぞれ来年度から理数系の授業が大幅に増えることに伴い、文科省では「学校現場に負担がないようしっかりと条件整備をしたうえで着実に実施したい」とするものの、本当に現場の負担は増えないのか、現段階では何の保証もないというのが実態だと思います。  

 今回の移行措置に伴い、同省は来年度の教員の増員を予算要求に盛り込む方針を示しておりますが、教師の多忙化などを理由から、今年度求めた教員の約7000人増員について、認められたのは約1000人に止まるなど「授業が増えた分、準備に追われ、子供と向き合う時間が減ってしまうのではないか」といった声も聞かれます。  

 このように、平成20年度予算において定数改善が抑えられた一方、退職教員や社会人等の外部人材を活用した非常勤講師を配置する「退職教員等外部人材活用事業」が創設され、事業費の3分の1を補助する形で7.000人分の国庫補助29億円が予算措置されました。  

 これにより、習熟度別少人数指導の充実、小学校高学年における専科教育の充実、小学1年生への対応等に向けて、非常勤講師が週12時間程度の授業を受け持つことが想定されるなど、独自に非常勤講師をやりくりしている自治体にとって、国が負担してくれるのはありがたい制度だと言えると思いますが、本市としても市費講師の新たな財源として活用するなど、非常勤講師の確保に繋がると考えられますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。

 また、2008年度より文部科学省は、学校教員の負担軽減を図り、教員が子供と向き合う時間の拡充のため、各地で地域住民による学校支援活動を促進し、地域ぐるみの子どもの教育の推進や地域の教育力の向上などを図る取組として、地域全体で学校教育を支援する体制づくりとなる「学校支援地域本部事業」を今年度より実施しています。  

 具体的には、地域住民が積極的に学校支援活動、例えば、学習支援活動、部活動指導、環境整備、登下校安全確保、学校・地域との合同行事の開催等に参加し、教員を支援することにより教員の負担軽減が図られるだけでなく、地域住民と児童生徒との異世代交流を通して、弱まった地域の絆を回復させ、地域の教育力を活性化させようとするもので、各市町村に、行政関係者、学校教育関係者、PTA関係者、自治会等関係者などで構成する実行委員会設置し、域内の中学校区で学校支援地域本部事業の事業評価等を行うとしています。  

 また、学校と地域との連携体制を構築するため、学校支援地域本部を設置し、学習支援活動、部活動指導、登下校安全確保等、学校支援ボランティアが支援する事業を実施するとともに、学校長、教職員、PTA関係者、公民館長、自治会等関係者で構成する「地域教育協議会」を設置して、人材バンクの作成、学校支援事業の企画立案を行い、地域コーディネーターが学校と学校支援ボランティアのコーディネーネートを行う事などが主な事業概要と聞いておりますが、「学校支援地域本部事業」に対し、本市ではどのように対応していくお考えかお聞かせいただきたいと思います。  

 また、これまでも度々お尋ねをしてきました「学生学校支援ボランティア」並びに、県が派遣する「フレンドリースタッフ派遣事業」についても、学校支援地域本部事業との関連が極めて大きいと思いますが、これまでの学生さんの支援状況をお聞かせいただくとともに、学校支援地域本部事業との整合性について、今後どのように進めていくのかご見解をお聞かせいただきたいと思います。
【教育長答弁】1点目の、文部科学省 平成20年度予算の「退職教員等外部人材活用事業」につきましては、国から県への補助事業として行われており、市に直接予算配分がなされているものではございません。  

 県教育委員会によるとその予算は、小学校の専科担当非常勤講師、中学校の生徒指導に係る非常勤講師、特別支援学校のセンター機能支援非常勤講師の任用に充てられていると聞いております。  

 県に対する補助事業ということから、市費講師の新たな財源としての活用はできませんが、県費非常勤講師の任用に繋がるものと認識しております。  

 次に、2点目の「学校支援地域本部事業に対する本市の対応について」でございますが、  藤沢市では、平成11年度より学校・家庭・地域連携推進事業(三者連携事業)を実施しております。  

 学校・家庭・地域のふれあいで、子どもたちの健やかな成長を図るという趣旨が、各地域、特色のある様々な事業を通して年々定着してきております。  

 三者連携会長会では、「学校支援ボランティア」へ 向けての学習会として、講演会「学校・家庭・地域、 新たな協働に向けて」を実施し、地域・家庭・学校に、この制度への理解促進を図っております。  

 本事業につきましては、学校支援が主たるものでは ございませんが、連携の一環といたしまして、総合的な学習の時間への支援、例えば、米作りや伝統工芸の伝承、学校美化活動への協力など、地域が学校へ入って支援活動をしております。具体的な事例といたしましては、地域の人材バンクと連携し、小学生を対象に、マジックやおもしろ実験、合気道などの講座を開催している「長後共育フォーラム」の「ふれあいサタデー」や、片瀬中学校1年生の「総合的な学習の時間」に、地域、PTAが協力して、ものづくりやフラダンスなど7講座を開設し、日頃の授業では体験できない学習を実施した「片瀬地区青少年支援フォーラム」などがございます。  

 以上のことからも、三者連携事業は、ご指摘の「学校支援地域本部事業」に匹敵する事業として展開しており、今後も本事業を充実させることにより、地域の教育力を活性化してまいりたいと考えております。  

 次に、3点目の「「学生学校支援ボランティア」並びに「フレンドリースタッフ派遣事業」のこれまでの学生の支援状況と三者連携事業との関わりについて」でございますが、まず、「学生学校支援ボランティア」の支援状況についてお答えいたします。  

 平成19年度は、教育委員会といたしまして、三つの大学と提携を結び、小学校9校、中学校5校に、延べ 50人の学生学校支援ボランティアを派遣いたしました。  

 おもな支援内容といたしましては、年間を通しての学習支援、個別に配慮を要する児童生徒への支援、クラブ活動の支援、学校行事や総合的な学習の時間においての支援、別室登校の生徒への支援等でございます。

 また、学校独自で近隣の大学と連携をし、樹木調べや探検プログラム、日本語指導等の支援を受けたり、学生個人からの申し出により、運動会といった学校行事の おりの支援を受けたりといったかたちでの学生学校支援ボランティアもございます。

 次に「フレンドリースタッフ派遣事業」につきましては、平成19年度から県の事業として行われており、 藤沢市においては、平成19年度は小学校8校に、平成20年度は7校に大学生が派遣されております。毎週 1日1名の学生がローテーションで対応しており、学習の場面だけでなく、生活の場面においても、児童に寄り添った支援がなされております。今後も、より多くの学校に「フレンドリースタッフ」が派遣されるよう、県に要望してまいります。  

 また、学生学校支援ボランティアの活用につきましては、教育委員会が提携している大学での学生への説明会の実施や、チラシの配付など積極的な募集を行い、多くの学生の協力を得られるようよう、努めてまいりたいと考えております。

 三者連携事業との関わりにつきましては、各学校の ニーズに応じた適切な支援が、様々な手立てにより行えるように、連携・調整を図ってまいりたいと考えております。

【再質問】新学習指導要領の移行措置で、小中学校とも、それぞれ来年度から理数系の授業が大幅に増えることに伴いまして、文科省では小学校に配置する理科支援員の充実などを掲げてはいますが、具体的な教員増の見通しは不透明なままになっているのが現状だと思います。  

 そこで、先程お尋ねをした「退職教員等外部人材活用事業」における補助事業は県が対象なので、市費講師の新たな財源としての活用は出来ないというご答弁もありましたが、多忙化が指摘されている教員の負担が更に重くなる可能性が高い今回の移行措置に向け、市費講師の拡充について、今後どのように対応していこうとお考えなのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。  

 また、「学校支援地域本部事業」については、「学校・家庭・地域連携推進事業」、いわゆる「三者連携事業」を充実させることにより、地域の教育力を活性化していきたいというご答弁でしたが、本来、三者連携事業の趣旨は、「学校・家庭・地域が連携し、本来それぞれの地域が持っている特色を十分に生かし、互いに活用しながら、地域社会全体で子どもたちの健やかな成長を支援していく」ことにあると思います。  

 それに対し「学校支援地域本部事業」の趣旨は、学校教育において、教育活動以外の業務など、教員の業務量の増加が問題となっており、教員が、子ども一人一人に対するきめ細やかな指導をする時間を確保するために、教員の勤務負担を軽減するサポート体制の充実に趣があるように思います。  

 そこで、今回の「地域ぐるみで学校運営を支援する体制整備」として、「学習支援活動」をはじめ「部活動指導」や「登下校安全確保」等、学校支援活動に参加する意欲のある地域住民を「学校支援協力者」として「人材バンク」に登録し、学校からの協力依頼に対し調整役となる「地域コーディネーター」が学校支援の具体化を図るもので、特に、団塊の世代の退職者には、地域教育力として大変大きな期待が掛かっていると聞いておりますが、多様な形態の教員支援により、教員の子どもと向き合う時間の拡充を図るという観点から、今後の三者連携事業の充実について、どのように取り組むお考えか、改めてお聞かせいただきたいと思います。
【教育長答弁】まず、「移行措置における教育委員会の対応について」でございますが、 市費講師は、中学校教員の免許教科以外の担当を解消し、教科指導の充実と教育効果の向上を図るために配置しているものでございます。

 今回の移行措置におきまして、中学校で理科や数学の授業時間数が増えることから、 それらの教員の指導時間数が増加し、負担が重くなると考えられます。  

 今後、国・県の教員配置方針の動向を把握し、さらに学校からの要望を聴取していく中で、教員の人的支援について研究してまいりたいと考えております。  

 また、三者連携の充実につきましては、学校との連携を深めていくことが重要と考えております。先にご答弁させていただきましたように、学校支援ボランティアに関する学校支援についての研修会等を開催し、三者相互での取り組みを、各地域の実情に合わせて実施していただけるよう支援してまいりたいと考えております。

【再々質問】「学校支援地域本部事業」に代わる三者連携事業の充実についてでありますが、どうも先程のご答弁では少し歯切れが悪いと言いますか、地域ぐるみで学校運営を支援して、教員の勤務負担を軽減するサポート体制として発展していけるのか疑問に思います。  

 そこで、本市の三者連携事業は、15の地域協力者会議で構成されていて、各会議1中学校区を基本にして、その内4地区は2中学校区合同で組織されています。従って、小学校を含めた各学校毎の細かなサポートまでは中々手が回らないのが実態だと思いますし、逆に各学校からの細かなニーズが上がってこなければ、本来の目的である「子どもと向き合う時間の拡充」には繋がってこないと思いますので、今後は、学校側が支援を受けるニーズを積極的に示していくことが求められていると思いますが、改めて学校側の姿勢についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

【教育長答弁】三者連携事業における学校からの発信がないと、中々地域の皆さんが学校に入っていくのは難しいことだと考えますので、この点については、校長会を通して各学校へ呼びかけていきたいと思います。


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