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平成19年12例会〈一般質問〉
  「環境マネジメントシステムの向上について」

【質問】 環境保全に関する取組を自主的に進めるに当たり、環境に関する方針や目標等を設定し、それらの達成に向けて取り組んでいく環境マネジメントシステムとして、既に本市ではISO14001を平成13年度に認証取得しています。  

 ご承知のように、ISO14001は環境マネジメントシステムの満たすべき必須事項を定めており、組織がこの規格に基づいた環境マネジメントシステムを構築、運用することで、組織活動による環境への影響を低減・改善されることが期待されています。  

 具体的には、環境方針を立て、その実現のために計画し、それを実施及び運用して、その結果を点検及び是正し、もし不都合があったならそれを見直し、再度計画を立てるというシステム、いわゆるPDCAサイクルを構築するために必要な事項が規格として定められていますが、「CO2の排出量を何%以下にしなければならない」といった環境パフォーマンスは要求されません。ただし、その環境マネジメントシステムがこの規格に適合することを、外部機関により審査・認証を得ることで、組織外部からの信頼を得ることができると位置づけられます。  

 そこで、まず初めに、本市も今年度2回目の認証取得を向かえるわけでありますが、6年間取り組んできた効果をどのように分析をし、また、今後の課題をどのように受け止めているのかお聞かせいただきたいと思います。  

 次に、地方自治体によるISO14001 認証取得をはじめとした環境マネジメントシステムの導入は、環境に優しいまちづくりを推進する上で、現在では一つの基準となりつつありますが、一部の自治体においてはISO14001 の認証制度に頼らない自己宣言方式や、PDCAサイクルに基づく独自の環境マネジメントシステムを追及しようという流れもあり、近年では、自治体を対象とした独自の規格である環境自治体スタンダード(LAS-E:Local Authority’s Standard in Environment )を導入する自治体が現れてきております。  

 この、環境自治体スタンダード(LAS-E)は自治体ネットワーク組織である環境自治体会議によって「環境自治体」作りを目的に作られたスタンダードで、自治体に特化した環境政策パフォーマンス基準である点に特徴があり、この基準は政策の中身や市民参加の質も同時に問える自治体環境政策の目安として作成されています。  

 そこで、ISO14001との比較において、LAS-Eは、自治体が環境に優しい自治体なのかどうかが基準のため目標が重要であり、逆に、システム自体については、書類を簡素化出来るメリットがあります。  

 つまり、ISO14001では手順や仕組みにおいて、満たすべき事項が定められていますが、目標や取組内容の設定は組織の自由であるのに対し、LAS-Eでは、一定レベルの目標設定と取組が要求され、それを実施するためのシステムは自治体が独自に構築することとなります。  

 そして、LAS-Eでは目標を設定する会議に市民、事業者の参加を要求しています。そのため、行政の独りよがりではない、地域の課題やニーズに応じた目標設定が可能となります。  

 次に、LAS-Eを導入するメリットとしては、自分の自治体が「環境自治体」としてどのレベルにいるかが客観的に評価されるので、真の「環境自治体」であることを対外的にアピールすることができること。また、地域住民の視点から環境マネジメントシステム構築や点検が可能であり、職員のさらなる意識向上や地域住民・事業者への取組みの波及が期待できること。 そして、自治体の全施設を対象範囲とした場合、トータルの費用がISO14001の認証取得費用に比べかなり安くなることが上げられます。  

 このような事から、LAS-Eに対する注目は高まりつつあり、人口50万人以上の都市では初めて八王子市が昨年度より導入しており、今年度も大阪交野市が導入するなど広がりを見せつつあります。  

 そこでお尋ねを致しますが、本市では、環境自治体スタンダード(LAS-E)について、どのような見解をお持ちかお聞かせいただきたいと思います。  

 次に、平成11年2月に全国で6番目にISO14001を認証取得した水俣市では、学校版や家庭版ISOを独自創設するなど市職員の意識も向上したとして、平成15度年に外部審査を受ける「認証登録」方式から、自らの責任で規格に沿って実施する「自己宣言」方式に転換するとともに、市民を中心に監査チームを編成し外部監査を実施しており、今までの規格に基づく監査よりも環境政策の成果を確認する監査を中心にしています。  

 ISOの認定機関である、日本適合性認定協会は「自己宣言では自己責任が重く、実際に評価するのは周囲の目であり、しっかりした運用が求められる」と話しており、自らがハードルを高くしていると認識しています。  

 そこで、本市ではISO取得から6年が経過するなか、本市独自の家庭版・学校版ISOも創設されていますが、「自己宣言」ついては、どのようにお考えかご見解をお聞かせいただきたいと思います
【環境部長答弁】「ISO14001における認証取得から現在までの6年間の効果、課題」につきまして、お答えいたします。  

 ISO14001は、国際標準化機構が発行した、環境マネジメントシステムの国際規格で、本市でも平成 13年度に認証取得し、現在6年目を迎えております。  

 本市の具体的な取り組み内容といたしましては、コピー用紙、ガソリン、電気、水の使用など環境に負荷がかかる項目の削減、また、グリーン購入、大気汚染の調査、緑地の取得など環境を保全する項目の推進等があり、それぞれの項目で目的・目標を設定し、PDCAサイクルに基づき継続的な改善を図っております。  

 認証取得から現在までの効果でございますが、「オフィス活動における環境負荷が削減できた」、「職員の省エネ・省資源に対する意識が高まった」「市民、事業者への規範となっている」などが挙げられます。  

 一方、認証取得から6年間、環境に負荷がかかる項目の削減を続けてまいりましたので、「これ以上の削減が難しくなっている」などの課題もあり、今後は現在、環境を保全する項目として特定されていない新たな項目を増やすなど、内容をさらに充実させていきたいと考えております。  

 続きまして、2点目の「環境自治体スタンダード(LAS-E)に対する見解」についてお答えいたします。  

 環境自治体スタンダードは、環境自治体会議が定めた取り組み項目を実施しているかどうかを評価するもので、現在、秋田県能代市、東京都八王子市など、10の自治体でこのシステムに基づく環境マネジメントシステムを運用しております。   

 このシステムのメリットといたしましては、「目標設定と監査に市民が参加することができる」、「システムの文書類が、20〜30ページぐらいで済むため、文書類の作成を大幅に軽減できる。」などが挙げられます。  

 一方、「環境マネジメントシステムの企業への波及を考えている自治体には不向きである」、「国際規格でないため、ブランド力が弱い」「既にISO14001を取得している自治体には積極的に勧めるものではない」などの環境自治体会議の見解もございます。  

 本市におきましては、来年2月に3年に1度の更新審査を予定しており、次の更新までの3年間は、このシステムの更なる充実を図ってまいりますが、併せまして、どちらのシステムが適しているのかを研究してまいりたいと考えております。  

 続きまして、3点目の「ISO14001における自己宣言方式」についてお答えいたします。  

 ISOの認証取得につきましては、近年、ISOの認証機関から自己宣言方式に移行する自治体も見受けられるようになりまして、県内でも横須賀市、秦野市、南足柄市で自己宣言方式を採用しております。  

 自己宣言方式ですと費用を軽減できる等のメリットがございますが、ISOの専門機関からの認証取得の方が透明性や客観性を確保できますので、先程、申し上げました「環境自治体スタンダード(LAS-E)」同様、今後、どちらの方式が適しているのか研究してまいりたいと考えております。

【再質問】ISO14001の更新にあたっては、「環境負荷に係わるこれ以上の削減が難しくなっていることから、新たな環境保全の項目を増やすなど充実させていきたい」  また、「環境自治体スタンダード(LAS-E)」並びに「ISO14001における自己宣言」については、今後どのような方式が適しているのか研究していきたいというご答弁でありました。  

 現状において、このスタンスは容認するところではありますが、環境自治体会議環境マネジメント委員会が出した「5原則」の中に「民主性」の原則といものがあります。  

 これは議会や地域住民が環境マネジメントシステムの構築や運用に関与することの必要性を訴えたものですが、このような関係について、ISOでは環境方針の公開を要求しているのみであります。また、ISOではそれ以上のことを実行するのを妨げはしませんが、現実的には、内部環境監査員に市民や事業者を登用するなどの措置をとっている自治体は極めて少なく、本市を始め大多数の自治体では行政内部のシステムとして機能させているのが実態であります。  

 こうしたことから環境自治体会議では市民や事業者の関与を指摘しており、私もこの点が最も重要な課題であると思います。  

 そこで、今後、環境マネジメントシステムを向上させていくには、市民・事業者の関与を強めることが求められていると思いますが、再度、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。
【環境部長答弁】現在の本市の環境マネジメントシステムは、内部監査員に市民・事業者が参加するシステムにはなっておりませんが、国際規格として位置づけられたものでありますので、「ブランド力がある」、「企業への波及が期待できる」等のメリットがあり、現行のシステムを継続していくことが、庁内のみならず、市全体の環境負荷軽減や市民・事業者の意識の高揚につながっていくものと考えております。  

 従いまして、先程申し上げましたとおり、来年の更新審査を踏まえ、今後3年間は、現在のISO14001による環境マネジメントシステムをさらに充実してまいりますが、ご指摘の市民・事業者の関与するシステムにつきましても、併せて研究してまいりたいと考えております。


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