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平成19年9例会〈一般質問〉
  「暴力・いじめ・不登校の現状と対策について」

【質問】 価値観の多様化する社会にあって、教育への期待や要請も多種多様となり、学校はさまざまな教育課題に対して、すべての子どもが心身共に豊かに成長できるよう、教育支援の充実に組織をあげて取り組む必要があります。  

 また、学校だけでは対応できない困難な課題に対しては、関係諸機関との連携を一層密にして適切に対応していくことも重要となります。  こうした中、いま、学校現場や子どもたちの生活に見られる暴力行為やいじめ、不登校などの実態は憂慮すべき状況にあると言わざる終えません。  

 特に、近年は青少年による犯罪の凶悪化が指摘され、全国各地で青少年による凶悪事件が多発しています。また、両親や友人を傷つける事件が数多く発生しており、最近では小学生による暴力行為の件数も増加し、暴力の低年齢化が懸念されています。  

 また、いじめを苦にした児童生徒の自殺など、最近の相次ぐいじめ事件は、子どもたちの日常生活を不安なものとし、学校、家庭及び地域が一体となって子どもを守り育てるための体制をつくることが急務であると痛感させられると同時に、子どもたちが様々な経験と多様な人間関係を通して、一歩一歩着実に成長し、安心して自分らしく生きることができる環境を整えることは、社会全体に課せられた喫緊の課題であると言えます。  

 また、不登校について文部科学省の発表によれば、昨年度、不登校だった児童・生徒数は約12万7千人で5年ぶりに増加をし、中学生における不登校の割合は2.86%で、平成3年度の調査開始以来過去最高となり、神奈川県でも公立中学校の不登校は7806人の4.02%、公立小学校は2051人の0.44%で、人数では小中共に全国最多という結果となっています。  

 このような実態を踏まえ、本市における「暴力・いじめ・不登校」の現状と対策について、何点かお伺いをしてまいりますが、まず「暴力行為」について、昨年度の調査報告では、対教師暴力11件、生徒間暴力27件、対人暴力4件、器物損壊30件の計72件と聞いておりますが、平成18年度の調査報告ではどのようになっているのか、形態と件数をお聞かせいただくと共に、小学生による暴力行為についてどのように分析をされているのかお聞かせいただきたいと思います。  

 つぎに、「いじめ」について、文部科学省はいじめによる悲惨な事件が相次いだことから、「より実態に即して把握できる」ようにするため、いじめの定義を見直し、「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」とした現行定義を、「児童生徒が、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」に改めるとともに、「インターネットや携帯電話による誹謗中傷」を新たに加え、これまでより幅広く定義したことから、前年度調査と比べ3倍から5倍になったという報告も聞かれますが、本市のいじめの状況はどのようになっているのか、昨年度までの調査報告内容との違い、また、いじめを認知した学校数をお聞かせいただくと共に、「学校で把握したいじめの態様別件数」の変化について、どのように分析をされているのかお聞かせいただきたいと思います。  

 また、いじめ対策では、いじめを未然に防ぐ取り組みが最重要であると考えますが、茨城県筑西市の市立下館中学校では、「いじめをしない、させない、許さない。」とする、いじめをなくそうとする決意した子が参加できる「君を守り隊」を結成し、生徒同士が互いに理解し合い、いじめゼロをめざし活動をしています。  

 また、本市の村岡中学校でも、友の輪でいじめゼロを目指す「スクールバディ」の活動を展開していますが、「バディ」とは英語で「仲間」を意味しており、いじめを無くすには何ができるかを生徒自身が考え解決に導くもので、6月9日に放送されたNHKのおはよう日本の中で紹介をされ、大きな反響を呼んでいるようであります。  

 このような、生徒自身の決断は大変貴重であり、こうした決断をした子が半数を超えると学校の雰囲気は劇的に変わると言われておりますが、未然に防ぐ取り組みとして本市教育委員会ではどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。  

 また、いじめを受けていることを言い出せないでいるケースも十分に考えられ、解決が遅れるということがありますが、川崎市では「人権オンブズパーソン」という、子どもや男女平等にかかわる人権侵害に対して、簡易に安心して相談や救済の申し立てができる救済機関を立ち上げ、いじめや学校の不適切な対応、虐待、DVなどで、強制力をもたない第三者の立場から助言・調査を行い、解決に向けての支援を行っています。

 その中で、2005年度の相談受付件数414件のうち、いじめに関する相談が59件を占め、子ども本人からの相談が最も多いのが特徴で、親や教師に相談できない子どもも、悩みを打ち明けられる場が確保されており、教育委員会などとも連携しながら、子ども本人が解決したと思えるまで粘り強く支援を行っていると聞いておりますが、本市では、こうした第三者的立場の相談支援について、どのようにお考えかご見解をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、不登校についてでありますが、先程も少し触れたように、全国の不登校は前年度に比べ3.7%増加し、35人に一人つまり1クラスに一人は不登校の生徒がいることになり、神奈川県の場合はさらに深刻で、25人に一人の割合で不登校が発生している状況にあります。  

 そこで、本市の平成17年度の不登校は、小学校で81人、出現率は前年と変わらず0.36%。中学校については、1年生53人で、前年度比20%の減、2年生108人で、前年度比4.4%の減、3年生132人で、前年度比4.4%の減と、いずれの学年も減少しており、出現率についても、各学年とも前年度に比べて減少するなど、小・中合わせた全体としての人数・出現率ともに2年連続で減少となり、本市は県内でも低い水準で推移していると認識をしており、教育委員会の努力に敬意を表したいと思います。しかしながら、依然として本市の不登校の現状は憂慮すべき状況にあることは論を待たないところであります。  

 そこで、まず、平成18年度の調査報告から、小学校の人数と出現率、中学校については学年別の人数と出現率をいずれも対前年比と併せてお聞かせ下さい。

 また、不登校児童生徒の在籍学校数もお聞かせいただきたいと思います。  また、今回の調査では、不登校になったきっかけとして、初めて「いじめ」の有無が問われていますが、本市ではどのように分析されているのかお聞かせ下さい。  

 また、小学生から中学校進学後に環境の変化から不登校の生徒が急増するいわゆる「中一ギャップ」の問題は、本市にとっても大きな課題であり、小中学校の連携を密に図り、小学校と中学校の接続をより強固なものにする必要があると考えますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。  

 次に、在宅の不登校児童生徒の学習支援策として、ITを活用した在宅学習支援について何回かお尋ねをしてきました。  

 そこで、明年設置される総合教育相談センターの中で考えていきたいとのご見解を伺っておりますが、どのように具体化するお考えかお聞かせいただきたいと思います。
【教育総務部長答弁】1点目の、本市における暴力行為の形態と件数でございますが、平成18年度は、対教師暴力が10件、生徒間暴力が50件、対人暴力が3件、器物損壊が32件の計95件となっております。  

 このうち小学生によるものは、生徒間暴力が2件、器物損壊が1件で、前年度に比べ生徒間暴力2件が増加いたしました。生徒間暴力の1件は、いじめに端を発した複数の児童による暴力行為であります。  

 県や全国においては、議員ご指摘の通り小学生による暴力行為の件数が増加しております。今後、いじめに対する指導とともに、暴力行為についても未然防止を図る取組の強化が必要であると考えております。  

 2点目に、いじめについての昨年度までの調査報告内容との違いについてお答えします。議員ご説明のようにいじめの定義や調査内容が変わり、認知した件数は増えております。

 また、新たに「いじめられた児童生徒が誰に相談しているのか」等の項目が加えられ、以前のものより細かく調査が行われました。  

 本市の調査結果でございますが、小学校では35校中18校において合計39件のいじめが認知され、中学校では全19校において合計201件のいじめが認知されました。うち90%以上が年度末には解消または一定の解消に至っております。  

 いじめの態様別件数につきましては、およそ70%が冷やかし・からかい・悪口・脅し文句等のことばによるいじめであり、仲間外れや無視、暴力がこれに続きます。これは昨年度までもほぼ同様の結果でございます。  

 また、新たに選択肢として示された「パソコンや携帯電話による誹謗中傷」が、中学校で7%ほど報告されております。  

 3点目のいじめを未然に防ぐ取組についてでございますが、各学校においては「いじめ・暴力行為等防止キャンペーン」による児童会や生徒会がスローガンを作成して全校に呼びかける取組や、「いじめ予防教室」による子どもたちの人間関係づくりのスキルを高めるための取組等が行われております。  

 教育委員会といたしましても、議員にご説明いただいた村岡中の「スクールバディ」の活動のような、生徒自身による学校をあげての取組は、いじめ防止に向け大きな力になると考えております。  

 また、日頃から生命や人権の尊重、望ましい集団づくりを目指した教育活動を展開し、児童生徒間の良好な人間関係が構築されるよう指導していくことが、未然防止につながるものと考えております。  

 4点目のいじめに関する第三者的立場の相談支援についてお答えします。  本市におきましては、市の青少年相談センターに加え、県の相談機関として、教育相談センター、中央児童相談所等があり、ケースに応じて、相談機関と学校・教育委員会とが連携し、解決に向け対応しております。  

 子どもの状況により、周囲の人間に知られたくない心理が働くこともあり、こうした相談機関の意義をふまえ、関係機関連絡会等を開く中で、連携を図っております。  

 5点目の本市における不登校の状況でございますが、平成18年度、中学校3年生につきましては、前年度より4人増の136人で出現率は4.36%、中学校2年生が4人増の112人で出現率は3.48%、中学校1年生が22人増の75人で出現率は2.19%となっております。小学校につきましては、22人減の59人で出現率は0.26%でございます。また、不登校児童生徒の在籍学校数は小学校が35校中24校、中学校は全19校でございます。  

 学年が上がるにつれて不登校児童生徒は増える傾向にございます。教育委員会といたしましても、このことは大きな課題と考え、未然防止・早期対応の取組をすすめております。  

 6点目の不登校のきっかけとしてのいじめの有無についてでございますが、本市の中学校では、いじめがきっかけとなったケースは、29名で不登校生徒全体の9%となります。また、いじめを除く友人関係をめぐる問題では、75名で23.2%であります。  

 こうしたケースは、児童生徒の社会性の育成や他者との関係作りが課題の一つであるとともに、不登校減少という観点からも、いじめの未然防止と初期対応は重要であると考えております。  

 7点目の中1ギャップについての見解でございますが、議員ご指摘の通り、小中学校の連携は大きな課題と考えております。8月に県主催で行われた児童生徒指導担当者研修会では、本市の小中学校から児童生徒指導に係る協力体制や小学生の中学校での体験授業の実践等について情報交換が行われました。市でも、児童生徒指導担当者会や学校警察連絡協議会等を通じて、今後も小中学校の情報交換や連携の推進に努め、対応してまいりたいと考えております。  

 8点目のITを活用した在宅支援学習の具体化でございますが、来年開設予定の(仮称)藤沢市教育相談センターにおきまして、在宅の不登校児童生徒に対して、ITを活用して相談指導教室の活動の様子等を紹介するなどの取組を試験的に始めていくことを検討しております。

〈藤沢市小・中学校の暴力・いじめ・不登校の現状(過去6年間)〉
 
平成13年
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
暴  力
102件
68件
59件
80件
72件
95件
いじめ
小学校
8件
1件
2件
0件
2件
39件
中学校
61件
46件
61件
45件
40件
201件
不登校
小学校
71人
77人
71人
78人
81人
59人
中学校
310人
324人
357人
317人
293人
323人
381人
401人
428人
395人
374人
382人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【再質問】「暴力・いじめ・不登校の現状と対策について」でありますが、暴力行為については、95件という説明でした。調査開始以来一番多かったのが平成13年の102件で、今回はそれに次ぐ多さとなっておりますし、生徒間暴力が50件と、例年ここが一番多いわけですが、器物損壊の32件はここ数年で一番多くなっていると思います。

 「今後、未然防止を図る取り組みの強化が必要と考えている」というご答弁でしたが、学校の秩序を破壊し、他の児童生徒の学習を妨げる暴力行為に対しては、児童生徒が安心して学べる環境を確保するために、問題行動が実際に起こった際には、十分な教育的配慮のもと、現行法制度下において採り得る措置である出席停止等の措置も含め、毅然とした対応をとり、教育現場が安心できるものとなるよう、適切な措置を講じて頂きたいと思います。  

 次に、「いじめ」についてでありますが、いじめの定義や調査内容が変わり、認知した件数は、前年度、小学校2件に対し39件、中学校が40件に対し201件と大幅に増えたわけですが、言い方を変えれば、これで少し実態に近づいてきたのかなという印象で受け止めております。  

 先程は、いじめを未然に防ぐ取り組みということで、村岡中学校の「スクールバディ」の活動を紹介いたしました。校長先生にもお会いしてお話を聞いてきましたが、村岡中学校で昨年12月にいじめに関するアンケート調査を実施したところ、「いじめを見たことがありますか?」という質問に、9割の生徒が「見たことがある」と答えたそうであります。また、「その時どうしましたか?」という質問に、ほとんどの生徒が「何もできなかった」と答えたそうであります。  

 やはり、私たち大人の知らないところで、いじめは確実に起きていて、子どもたちも見て見ぬ振りをしてしまうというのが、実態ではないかと思います。  村岡中学校では、この9月から生徒自身による「いじめ相談室」も設置して、「スクールバディ」の活動をさらに前進させるともお聞きしておりますので、その成果を教育委員会としても十分に検証して、他の中学校に積極的に紹介していかれるよう要望いたします。  

 次に、いじめに関する第三者的立場の相談支援についてでありますが、市の青少年相談センターに加え、県の教育相談センター、中央児童相談所等と連携して、ケースに応じて対応しているというご答弁でしたが、確かに相談の場が確保されていることは理解を致しますが、やはり、いじめの問題は、学校の中だけや、学校と教育委員会、保護者だけで、いじめの解決に努力しても、関係者にしこりが残り、なかなか思うような解決に至らないのが現実だと思います。  

 そこで「いじめられた」また「いじめに気づいた」時に、誰でも安心して相談でき、公平に当事者の話を聞いた上で、最後まで子どもに寄り添って問題解決に力を発揮する「第三者的相談機関」が必要であると考えます。  

 そういう意味で、現在の相談体制を抜本的に見直し、子どもや親などからのSOSに瞬時に対応するための相談機関を一本化して、学校関係者といじめる側、いじめられる側との仲立ちをしつつ、最終的には子ども同士の人間関係、「絆」の回復を図る、言わば「いじめレスキュー隊」のような緊急対応窓口を設置すべきではないかと考えますが、改めてご見解をお聞かせいただきたいと思います。  

 次に、不登校についてでありますが、小学校の出現率は全国平均を下回るものの、中学校に至っては、全国平均をかなり上回る結果となりました。  

 文科省では「いじめ問題などで、無理に学校に行かなくてもいいという考えが広まっているかもしれない」と分析しており、子どもたちに適した復帰プロセスを重視する傾向が伺えますが、実態はさまざまであり、さらに詳細に分析をし、支援に取り組む必要があると思います。  

 そこで、不登校の児童生徒の状況をどのように把握して分析をしているのか、在宅で引きこもりがちの不登校と、深夜徘徊などの「遊び・非行型の」不登校では、支援策も大きく違ってくると考えますが、不登校児童生徒の状況把握と個別支援策について再度お聞かせ下さい。  

 また、子どもの成長に学校が果たす役割は大変大きいと考えますが、だからといって学校に復帰することで問題が解決したことにはならないと思います。大事なのは、子どもが安心して過ごせる「居場所」の確保と、学びの場を与えられるようにすることだと考えます。  

 そこで、不登校児童生徒へのITを活用した学習支援として、先程のご答弁では、「教育相談センター」における、相談指導教室の活動の様子を紹介していくということでしたが、それで学習支援といえるのか疑問が残りますので、ここで改めて、フリースクールなど学校以外の子どもたちの「居場所」の確保と、不登校児童生徒の学習支援策について、どのように充実していくお考えなのか、ご見解をお聞かせいただきたいと思います
【教育総務部長答弁】1点目の、いじめに関する第三者的相談機関や緊急対応窓口の設置についてでございます。いじめの問題の解決にあたるには、いじめる子ども・いじめられる子ども・取り巻く子どもたちや学校の状況などの要因を把握し、子どもたちに対し継続的にさまざまな方法で支援や働きかけを行っていく必要があり、子どもたちと日常的・継続的に接している立場でなければ難しいと考えます。

 したがいまして、現状では学級担任を中心に学校が保護者と連携し、相談機関や教育委員会の支援を受けながら取り組む形が適当であると考えております。  

 2点目に、不登校児童生徒の状況把握と個別支援策についてでございます。不登校児童生徒につきましては、引きこもり型、遊び・非行型だけでなく、不登校となったきっかけ、本人の心理状態、家庭環境等が多様化しており、一人ひとり異なった個別支援策が必要でございます。

 具体的にはまず担任の家庭訪問等によって原因や状況を把握し、定期的に開かれる職員会議や生徒指導会議で共通理解を図り、さらに必要に応じてケース会議を開くなどして対応策を検討します。

 また保護者とも継続的に相談し、必要に応じてスクールカウンセラー・学校教育支援相談員や関係機関と連携して対応しております。

 さらに児童生徒の状況によって相談指導教室への通級や学校への別室登校をすすめたり、継続して家庭訪問や保護者との相談を行ってまいります。最近では家庭訪問や電話連絡を何度行っても全く応答のないケースも増えておりますが、学校としては児童相談所や民生委員等の関係機関との連携のもと、粘り強く取り組んでおります。  

 3点目の学校以外の子どもたちの居場所の確保と不登校児童生徒の学習支援策についてでございます。居場所の確保につきましては(仮称)藤沢市教育相談センターの中で相談指導教室の機能の充実を図ってまいりたいと考えます。

 またフリースクールにつきましては、昨年度から県がすすめております「学校とフリースクールとの連携推進事業」に参加する中で連携の可能性を検討しております。

 不登校児童生徒の学習支援策につきましては、相談指導教室での学習指導、また別室登校が可能な児童生徒につきましては、学校ができる限りの対応で個別の学習指導を行っております。

【要望】いじめについてでありますが、いじめに関する緊急対応窓口について、問題解決にあたるには、子どもたちと日常的・継続的に接している立場でなければ難しく、現状では学級担任を中心に取り組むのが適当であるというご答弁でしたが、果たしてそれが最善なのかという点では少し疑問が残ります。  

 やはり、子どもといえども一人ひとりの人格としてプライドを持っており、同時に、強い自己防衛的心理が秘められています。このため、周囲の人々に、なかなか自分の弱さを表すことが難しい場合もあると思いますので、学校の内外を問わず、いろいろな場面で、様々な大人と接し、心を開いて安心して相談できる場面を保証する必要があると思います。  

 したがって、学校では、教員や養護教諭などがしっかりと子どもたちと接しながら、子どもたちの人間関係のあり方を全体として改善していくことが求められますが、その上で、専門的な相談支援体制の充実に向け検討されるよう要望いたします。  

 また、いじめなどに悩み、保健室を訪れる児童生徒に対し、養護教諭が子供の表情や体調の変化からいじめに気づくケースも多いことから、文部科学省は「いじめ防止の面で保健室が果たしている役割は大きい」と捉え、来年度から、退職した養護教諭による「(仮称)スクールヘルスリーダー制度」を創設し、保健室の体制を充実する方針を固めています。  

 心の問題への相談では、スクールカウンセラーの方が専門的に対応されていますが、子供が悩みを自ら打ち明けに行くスクールカウンセラーと違い、養護教諭は子供が抱え込んで吐き出せずにいる悩みを見抜くことが出来る点が改めて見直されていると聞いておりますので、本市としても配置に向け、関係機関へ積極的に働き掛けていくよう要望いたします。  

 次に、不登校児童生徒の居場所と学習支援策については、明年設置予定の「教育相談センター」の相談指導教室の機能を充実するなどして対応していきたい、というご答弁でした。  

 そこで、不登校児童生徒の公的支援施設である適応指導教室では、一般的にカウンセリングや小集団活動などを通じ、子どもの心の安定とともに、自立心や社会性の育成を図り、最終的には、子ども達の学校復帰への意欲を高めることを目的としており、基本的には本市の相談指導教室も同様であろうかと思います。  

 ただ、なかなか学校復帰の道は厳しいものがあり、どうしても学校に通えない生徒は、学業面での評価が難しく、進学の際、不利になります。  

 こうしたなか、奈良県の大和郡山市では、適応指導教室に小規模指導の形態を保ちながら、学校並みの学習指導内容で、学校に戻れなくても中学校卒業レベルに達するよう学習指導を行っており、指導するのは、採用先の決まっていない若い教員免許取得者と、教員OBの計9人で、カウンセリングにあたる臨床心理士も週3日勤務しています。  

 また、特徴的なのは、独自に高校進学に関わる内申書が書ける権限が与えられており、開設以来3年で29人が高校進学を果たしたそうであります。 もちろん、すべての不登校生徒が毎日通ってくることはないと思いますが、将来に向けて希望のもてる居場所として、本市の教育相談センターにおける学習支援機能の充実にむけ、前向きにご検討いただきたいと思います。


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