藤沢市議会議員  松下賢一郎 オフィシャルサイト トップページへ


 
平成18年12定例会〈一般質問〉
  「多文化共生社会について」

【質問】平成元年の入管法改正を契機として、ブラジル人を中心とした南米日系人の増加が顕著となり、藤沢市に住む外国籍市民は12月現在、3,946世帯、5,877人となっており、在住外国人が急増した地域コミュニティーにおいては、ことばの違いによるコミュニケーション不足や、文化や生活習慣の違いから、在住外国人と日本人の間で摩擦を生じるケースも見受けられます。  

 また、近年在住外国人の長期滞在化・定住化傾向が高まる中、ともに暮らす生活者の視点から、教育、労働、医療、住居等、様々な面で環境整備を求める声が高まっているなか、本市においては、これらの課題を解決するため、「藤沢市多文化共生のまちづくり指針」を本年9月頃を目安に策定することが、我が会派の代表質問で明らかとなっています。  

 そこで「藤沢市多文化共生のまちづくり指針」について何点かお尋ねをしたいと思いますが、まず指針策定における経緯と進捗状況についてお聞かせ頂くと共に、多文化共生のまちづくりにむけた施策の具体的推進内容を概要で結構ですのでお聞かせ頂きたいと思います。  

 また、今回の指針策定にあたっては、昨年11月に発足した「藤沢市外国人市民支援・交流懇話会」の方たちが中心となって取り組まれてきたと伺っておりますが、指針策定後の活動はどのようになるのか、また、多文化共生推進の環境整備として、どのような取り組みが成されていくのか、そして、多文化共生のための庁内推進体制はどのようにお考えか、併せてお聞かせを頂きたいと思います。  

 次に、県内の自治体が行った住民意識調査で、外国籍住民を調査対象から外している自治体が約七割に上るという新聞報道がされました。  

 これによると、住民の行政満足度を定期的に探る目的のほか、総合計画や条例制定の基礎資料として市町村が実施している調査について、対象者をどう抽出しているか尋ねたところ、日本人のみが登録された住民基本台帳と、外国人登録原票の両方から抽出したのは横浜、川崎市など九自治体だけだったのに対し、日本人のみを対象とした住民基本台帳に限定していたのは本市を含め相模原市、大和市など23自治体に上り、外国人登録者数が三千人以上いる自治体は県内に本市を含め10市ありますが、外国人も調査対象にしていたのは横浜、川崎市のほか厚木、秦野市の計4市にとどまるというもので、在日外国人問題に詳しい慶応大学の柏崎助教授は「住民の意識調査では当然、国籍にかかわらず全住民を対象にすべきで、外国籍の人々への行政の基本認識が問われており、外国籍市民にかかわる課題は山積しているなか、関連施策を進めるためにも、当事者の意見を聞くことが必要だ」と指摘しています。  

 そこで、本市としても「藤沢市多文化共生のまちづくり指針」を策定し、共に生きる地域社会を構築するためには、意識調査に外国籍市民の意見が取り入れられるよう調査対象の拡大を図るべきと考えますが、ご見解をお聞かせ頂きたいと思います。

【総務部長答弁】1点目の「指針策定の経緯と進捗状況」についてでございますが、  まず、指針策定の経緯につきましては、近年本市では外国籍市民の人口が増加を続ける中で、言葉をはじめ労働・医療・教育・生活等にさまざまな課題が顕在化してきております。こうした課題の解決とともに、国籍や民族を超えて互いの文化を認めあい、共に生きる地域社会づくりをめざし、昨年8月に、指針づくりの検討に着手いたしました。  

 その後、12人の市民で構成する藤沢市外国人市民支援・交流懇話会及び庁内推進プロジェクトなどにおいて検討を重ね、11月に案ができあがったところでございます。この案をもとに、来年1月17日から30日間パブリックコメントを行ったうえで今年度末までに策定したいと考えております。  

 続きまして、2点目の、施策の具体的推進内容についてでございますが、1としてコミュニケーション支援、2として防災・危機管理・防犯、3として医療・保健・福祉、4として定住者支援、これは具体的には住宅施策、市政参加、自立と地域参画、人権・相互理解、労働、学校教育・生涯学習でございます。5として国際交流、6として多文化共生推進の環境整備、7としてITの活用、以上の7項目について施策推進の基本方向を定めております。  

 3点目の、指針策定後の藤沢市外国人市民支援・交流懇話会の活動についてでございますが、市に対する提言や啓発事業の共催等、市民と行政が協働して施策を推進するための活動をしていただきたいと考えております。

 4点目の多文化共生推進のための環境整備への取組についてでございますが、藤沢市都市親善委員会や藤沢市外国人市民支援・交流懇話会からの提言をいただき、外国人市民の声が施策に反映されるよう、努めてまいります。 

 なお、今年12月3日には、藤沢市外国人市民支援・交流懇話会の発案により、市と共催で、多言語で気軽にコミュニケーションや相談のできる場として、「外国人市民交流・相談会」を藤沢市役所において実施したところでございます。 

 5点目の多文化共生推進のための庁内推進体制についてでございますが、庁内に関係各課で構成する仮称「多文化共生推進会議」を設置し、指針にそって積極的に外国人市民対象事業をすすめ、外国人市民と一般の市民がともに住みやすいまちづくりをすすめてまいります。  

 6点目の、住民意識調査への、外国籍市民意見の取り入れについてでございますが、ご指摘のとおり本市では現在のところ住民基本台帳から対象を抽出しておりますが、神奈川県内の一部の自治体には外国人登録原票も含めて抽出している市もございます。  

 今後については、外国籍市民についても、調査の対象とするべきと考えており、その手法などについて検討してまいります。  

【再質問】国籍や民族を超えて互いの文化を認め合い、共に生きる地域社会づくりをめざした「藤沢市多文化共生のまちづくり指針」については、今後、パブリックコメントを経て今年度末までに策定して行かれるという、近隣他市に先駆け前向きに取り組まれてきたことに敬意を表したいと思いますが、せっかくですので施策の具体的推進内容についてもう少し確認をさせて頂きたいと思います。  

 まず一点目は、防災についてであります。これは、国際都市・神戸を直撃した阪神・淡路大震災で災害時における外国籍市民の支援をめぐる様々な課題が浮き彫りにされ、それは新潟県中越地震でも同じであったという教訓を活かす必要があります。  

 そこで、やはり一番の課題は災害時における情報のメンテナンスになると思います。これは、外国籍市民と一口にいっても、求める情報は出身地域によって異なり、例えば、地震のあまり無い南米出身者には、余震への備えを助言する際にまず「余震とは何か」を説明する必要があり、また、住んでいる場所や被害状況によってニーズも異なり、時間の経過によっても必要な情報は変化していきます。こうした多様な要素を、行政による一律的な情報提供で充足させることは不可能であり、日常的に築かれた地域コミュニティの力が問われることになると思います。  

 また、避難所生活においても、お互いの文化や習慣などを互いに理解し合い、避難所が一つのコミュニティとして形成されるよう、多文化共生のまちづくりを浸透させる必要があると思いますが、災害時における外国籍市民の支援について、もう少し具体的にお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、二点目として、県が外国籍県民の県政参加を進める目的で8年前から設置している「外国籍県民かながわ会議」では、外国籍の子どもへの教育支援のさらなる充実などを求める報告書を提出しており、特に、外国籍の子供が様々な理由で学校に通わない「不就学」が全国的に問題となっている中、就学案内が保護者に確実に届くように市教育委員会への要請を提起しています。

 また、日常会話の上達が早い外国籍の小中学生でも、勉強で必要な「学習言語」の習得には時間がかかると指摘するなど、日本語教育スタッフの充実を求めており、日本語ができない子どもへの教育支援は最優先課題とする自治体も見られますが、本市ではどのように取り組むお考えかお聞かせを頂きたいと思います。  

 そしてもう一点、指針が策定された後、市民の皆さんにはどのように周知して啓発していこうとお考えなのか併せてお聞かせを頂きたいと思います。
【総務部長答弁】1点目の災害時における外国籍市民の支援につきましては、まずは平時からの的確な情報提供が必要であり、重要であると考えております。

 そこで、新たに市民として転入してこられた方に、地震発生時にまず落ち着ついて身の安全をはかることや、避難のテクニック、家具の転倒防止策、家の補強法などの地震に関する様々な情報を4カ国語で記載した小冊子「地震に自信を」を配布し、地震の際の心構えを持っていただくための情報提供に努めております。  

 さらに、大地震発生時に混乱なく避難できるような事前対策として、避難施設や広域避難場所、公共施設等の情報を6カ国語で記載した地図を、市民相談課や市民窓口センター、各市民センター、公民館で配布するとともに、これらを拡大した地図を小田急やJRの駅にも張り出し、周知の徹底を図っております。  

 次に、災害時における外国籍市民への支援でございますが、災害時の避難施設には、外国籍市民の方を含め要援護者など様々な方が避難してまいります。従いまして、避難所生活を送るすべての人々が互いに理解し合い、避難所が一つのコミュニティとして形成されることが重要であると考えており、具体的には、地域住民で構成する避難施設運営委員会が中心となって、避難施設の円滑な運営及び避難者間の融和が図られるよう、各施設ごとにその地域の実情に応じた避難施設運営マニュアルを作成してきております。  

 とりわけ、外国籍市民の方々への支援につきましては情報提供が重要なことから、各避難施設に避難してきた外国籍市民のうち、日本語を話すことができる方の協力や国際交流団体や災害ボランティアネットワークから派遣される通訳などのご協力をいただいて、情報提供を行い不安解消の取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 2点目の「日本語ができない子どもへの教育支援について」でございますが、まず、外国籍の子どもの就学案内につきましては、新入学の対象となる児童の保護者に対しては郵送で、新中学1年となる児童に対しては在籍の小学校から、それぞれ「就学案内」を配布しております。また、年度途中で本市に転入される際にも配布をしており、保護者からの就学申請に基づき、就学指定を行っております。  

 次に、日本語教育スタッフの充実についてでございますが、外国籍等児童生徒は1年〜2年で日常生活に必要な日本語を習得できますが、学習言語の習得については、7年から9年かかると言われております。藤沢市ではこの認識に立って日本語指導を行っております。  

 湘南台小学校を初めとして6校の小学校と湘南台中学校に国際教室が設置され、個々の日本語の習熟度に応じて指導を行っております。特に、湘南台小学校は日本語指導教室として、日本語指導教材の開発や、他の学校から通級する児童生徒の受け入れを行っております。また、国際教室のない学校につきましては、母国語の話せる日本語指導員が巡回で週1〜2回、個別に指導を行っております。  

 今後とも、子どもたちが希望を持って学校に通えるよう、これらの支援をさらに充実してまいります。    

 3点目の「市民への周知・啓発について」でございますが、指針のパンフレットを作成し、市民の方々や企業・学校・団体などに配布するほか、広報ふじさわやFM・ケーブルテレビ・市のホームページなどを活用し周知を図ってまいります。  

 また、国際交流フェスティバル(毎年10月開催)や講演会などを市民と行政が協働して開催し、啓発に努めてまいりたいと考えております。

【意見・要望】多文化共生社会についての災害時における外国籍市民の支援については、情報提供が重要なことから、不安解消の取り組みを進めていきたいということでしたが、やや具体性に欠けるご答弁だったと思います。  

 そこで、地域における国際化に対し、地方自治体の活動を支援し推進するための共同組織である「(財)自治体国際化協会」では、災害時における外国籍市民に対する円滑な情報提供を支援することを目的として、使用することが多い6つの言語(英語、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語)による「災害時多言語情報作成ツール」を作成しています。  

 この中には、災害時に避難所等で掲示による文字情報の提供が可能な「多言語表示シート作成ツール」、また、携帯Webサイトに、災害時の被害情報、生活情報、余震情報等を簡易に掲載することが可能な「携帯電話用多言語情報作成ツール」、そして、音声メディアを通じて、災害用の告知や被災者への注意等を行うための「多言語音声情報作成ツール」という3つのツールが用意されていて、既にCD−ROMとして各自治体に配布されているとも聞いておりますので、これらも有効に活用していくことが大きな課題ではないかと思いますが、この件についてはまた別の機会にお聞きをしたいと思います。


このウインドウを閉じる


copyright(c) matsushita kenichiro. All rights reserved.