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平成18年9定例会〈一般質問〉
  「不登校の現状と対応策について」

【質問】文部科学省の調査では、2005年度の不登校の小学生は前年度の2万3318人から2万2709人へと2.6%減少。中学生は10万40人から9万9546人へと0.5%減少し、全体では前年度比0.9%の減となったものの、少子化により児童生徒数自体が減っているため、不登校児童生徒の出現率では1.14%から1.13%と微減に止まり、中学生に限れば0.02ポイント増の2.75%で、4年ぶりに僅かながら増加に転じ、同省によると、中学一年生で割合が減っているものの、三年生で増加傾向にあるとしています。  

 また、県内では、小学生は前年度より41人減の1864人で、3年連続で減少したものの、中学生では前年度より325人増の7399人で、91年の調査開始以来、過去最多となり、出現率も前年度より0.15ポイント増の3.84%で、26人に1人が不登校にあたり、出現率では全国最高水準となりました。  

 こうしたなか、本市における前年度の不登校児童生徒は、小学生が78人、中学生は1年生66人、2年生113人、3年生138人の計317人で、全体では5年ぶりに減少しましたが、小学生が中学校に進学後、不登校になる「中1ギャップ」と呼ばれる現象は本市においても大きな課題であると言えます。  

 そこでまず、本市の2005年度、不登校児童生徒数の推移はどのようになっているのか、小学生は全体で、中学生は学年毎に人数と出現率を対前年度比でお知らせ頂きたいと思います。  

 また、不登校問題に詳しい専門家からは、「これまでは情緒不安定や神経質、内気な子が不登校になりやすかったが、コミュニケーションがうまく取れないなど新たなタイプの不登校が増えている」という指摘がされておりますが、本市ではどのように分析をされているのか。  

 さらに「不登校の子供の気持ちを受け止めることは大事だが、受け止めるだけで適切な指導につながっていない場合が見られ、様々なケースに応じた対応や連携も不十分で、行政内部でも教育と福祉部門の連携などを強める必要がある」という指摘もあり、本市においても不登校の相談支援についてコーディネート機能を早急に確立するとともに、教育委員会と福祉部門の連携を強化する必要があると考えますが、ご見解をお聞かせ頂きたいと思います。  

 また、県教委ではこれまで疎遠だったフリースクールとの連携を強化するなど、不登校対策に本腰を入れ始めようとしておりますが、本市では、フリースクールをはじめ、NPOなどの民間団体との連携はどのように考えておられるのか。  

 そして、不登校で適応指導教室やフリースクールなどに行かない、いわゆる在宅の不登校児童生徒の実態をどのように捉え、支援していこうとお考えなのかお聞かせ頂くとともに、文部科学省は、自宅において学校及び、学校外の公的機関又は民間事業者が提供するIT等を活用した学習活動を行った場合、校長は、指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができるとしたことからも、ITを活用した在宅学習支援についても答えを出すときに来ていると考えますが、併せてご見解をお聞かせ頂きたいと思います。

〈藤沢市小中学校の不登校の現状(過去5年間)〉
 
平成13年
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
不登校
小学校
71人
77人
71人
78人
81人
中学校
310人
324人
357人
317人
293人
381人
401人
428人
395人
374人

 


 

 

 

 

 

【教育長答弁】まず1点目の本市における不登校児童生徒についてですが、小学校につきましては、平成17年度の不登校児童数は81人であり、前年度に対し3人増えております。出現率につきましては、児童数が微増しているため、 0.36%で前年と同様でございます。

 中学校につきましては、1年生は53人で、前年度比20%の減、2年生は108人で、前年度比4.4%の減、3年生は 132人で、前年度比4.4%の減と、いずれの学年も減少しております。出現率につきましても、1年生が 1.7%、2年生は3.38%、3年生は4.27%で各学年とも前年度に比べて減少しております。小・中合わせた藤沢市全体としては、人数・出現率ともに2年連続減少しております。  

 2点目の不登校児童生徒の分析についてでございますが、不登校状態となったきっかけは、「学校生活に起因」が39%と一番高く、ついで「本人の問題に起因」が29%、「家庭生活に起因」20%の順となっております。不登校が継続している理由については、「不安など情緒的混乱」、「無気力」が上位を占めております。 この中には、議員ご指摘のように、コミュニケーションがうまく取れないタイプの児童生徒もふくまれております。

 不登校はさまざまな問題の複合によっておこることが多く、対応の方法も個々の置かれた状況にあわせて考える必要があり、このような児童生徒に対する支援や相談も含め、きめ細かな対応を充実させてまいりたいと考えております。こうしたことから、教育委員会では、本年度とくに不登校の傾向を早期に発見して、原因と解決方法を探る取り組みをすすめております。  

 3点目の教育相談のコーディネート機能につきましては、現在、相談関係機関連絡会を開催し、相談指導教室・いじめなんでも訪問相談員・スクールカウンセラー等市内にございます相談機関が情報交換及び連携を行い、さまざまなケースに対応する相談支援の充実をはかっております。

 また福祉部門との連携についてでございますが、これまでも民生委員・児童委員の協力を得たり、児童相談所や児童福祉課などの福祉部門と連携するなどして、不登校児童生徒や保護者に対し働きかけを行うなどの取り組みを進めてまいりました。  

 4点目の民間団体との連携についてでございますが、不登校児童生徒に対して教育・指導など適切な対応をしている団体が運営する施設に通う児童生徒には、従前から各学校でその期間を出席扱いし、児童生徒の状況把握を行うなど、連携してきております。

 県は本年度から、「学校とフリースクールとの連携推進事業」を開始いたしました。5月に湘南三浦地区の「学校・フリースクール等連携協議会」が開かれ、藤沢市内で活動するフリースクール1校も参加する中で情報交換と今後の連携に向けての協議が行われました。本市におきましても、これまでに不登校に関するSSN研修会においてフリースクールの方の講座を開くなどの連携を行っております。

 しかしながら、フリースクール等民間団体には、教育方針や学校に対する姿勢などでさまざまな考えが混在しているため、その実体を見極めながらどのような連携が可能なのかを模索していくことが必要であると考えます。  

 5点目の在宅の不登校児童生徒の実態とその支援についてでございますが、まず学校が児童生徒の実態を把握し、適切な支援方法を考え、実行していくことが基本でございます。

 そのために担任や関係教員が家庭訪問等を行い、また要請に応じて市の相談員が家庭訪問による指導・援助にあたっております。また、先ほども述べましたように、民生委員や児童相談所などとも連携した福祉的なかかわりも必要だと考えております。「IT等を活用した在宅学習支援」については現在、総合教育相談センターの計画と関連づけ研究を進めているところでございます。  

【再質問】本市における不登校児童生徒については、人数・出現率ともに2年連続で減少するなど、取り組みの成果が少しずつ表れてきたことは高く評価をしたいと思いますが、よく見てみると小学生は81人とこれは調査開始以来、過去最多の人数でもありますし、憂慮すべき状況は続いていると思います。  

 そこで、不登校児童生徒の分析として、不登校になったきっかけで「学校生活に起因」が39%と一番高く、全国的にも同様の傾向が現れているようですが、本市では、この学校生活が原因となっていることに対し、どのように分析をされ、取り組みを強化していこうとお考えなのかお聞かせ頂きたいと思います。  

 また、福祉部門との連携については、民生委員・児童委員の協力を得たり、児童相談所や児童福祉課などと連携して取り組みを進めてきているとご答弁がありましたが、不登校が長引けば長引くほど「ひきこもり状態」に繋がっていく恐れがあることから、保健所との連携も強化する必要があると思いますが、改めてお考えをお聞かせ下さい。

 また、ITを活用した在宅学習支援については、総合教育相談センターの計画と関連づけ研究を進めていくというご答弁だった訳ですが、総合計画でいくと総合教育相談センターは平成20年度に設置・運営となっていますが、センター開設と同時にITを活用した在宅学習支援を行っていこうとお考えなのか、また、総合教育相談センターでなければITを活用した在宅学習支援は実施できないのかお聞かせ頂きたいと思います。
【教育長答弁】まず1点目の「学校生活に起因」する不登校の分析と取組の強化についてお答えします。  

 学校生活に起因すると答えたうちの半数以上をしめるのが「友人関係の問題」でございます。人間関係が希薄な中で育ち、生活体験も不足していることから、人間関係の構築や、トラブルを自ら解決していくことが苦手な子どもが増えております。  

 こうしたことから、各学校では、児童生徒理解に努め、児童生徒が主体となる授業づくりやふれあい体験を重視した教育活動をすすめ、相互の好ましい人間関係を育てるよう努めております。  

 教育委員会といたしましては、スクールカウンセラーや訪問相談員などを配置し、相談体制の充実をすすめ、こうした教育活動を支援しているところでございます。  

 また、これまで長欠報告で1ヶ月に7日以上の欠席者について報告を受けていたものを3日以上の不登校についても報告させ、早期対応について指導をおこなうなど取組の強化を図っております。  

 2点目の保健所との連携についてでございますが、8月に「第1回藤沢市ひきこもり関係機関連絡会」が開かれ、関係各課が参加する中で情報交換と今後の連携についての協議が行われました。  

 また「思春期保健連絡会」や教育委員会が開催しております「相談関係機関連絡会」におきましても、保健所との情報交換を行っております。今後もこのような連携を継続してまいりたいと考えております。  

 3点目のITを活用した在宅支援学習についてでございますが、この学習形態につきましてはソフト・ハード両面で検討すべき課題も多く、人的な対応も必要であり、実施するとすれば総合教育相談センターがふさわしいと考えております。


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