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平成18年6定例会〈一般質問〉
  「災害時要援護者の避難支援について」

【質問】政府は今年の3月、災害時に援護が必要なお年寄りや障害者などの、いわゆる災害弱者に対する避難支援ガイドラインを改正し、住所や障害程度などの個人情報について、本人の同意がなくても地方自治体の判断で福祉部門から防災部門や自主防災組織などに提供し、情報共有するなど、災害時要援護者の積極的な避難支援策を講じるよう求めています。 

 ただし、個人情報の取扱いについては、個人情報保護を重視する観点から、本市をはじめ情報共有に消極的な姿勢の自治体も多いことから、政府は、「行政機関保有の個人情報保護法」で定めた目的外利用の「本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益となる時」との規定を生かし、災害時などの個人情報提供は明らかに要援護者本人の利益になるとの判断を改めて示し、地方自治体に積極的な取り組みを求めています。  

 そこで、2005年3月に策定された改正前ガイドラインでは、情報共有には本人の同意を得ることを原則としていましたが、新ガイドラインでは「避難支援体制の整備には平時からの要援護者情報の収集、共有が不可欠」と指摘しており、自治体に対し、福祉部門が保有する住所、介護保険の要介護度、障害の程度などの個人情報を防災部門や避難支援者で積極的に共有して、避難支援計画を作成するとともに、個人情報を共有する民生委員や防災組織関係者ら避難支援者には、条例や契約、誓約書の提出などによって「守秘義務を確保することが重要」としております。  

 そこでまずお尋ねを致しますが、これまでも災害時要援護者の情報共有について質問してきた経緯の中で、藤沢市個人情報保護制度運営審議会に諮問されることになっていましたが、災害時要援護者の情報共有についてどのような答申がなされているのか、また、新ガイドラインでは、要援護者に関する情報を平常時から収集し、電子データ、ファイル等で管理・共有するとともに、一人ひとりの要援護者に対して複数の避難支援者を定める等、具体的な避難支援計画を策定するよう求めておりますが、今後どのように対応していくお考えかお聞かせいただきたいと思います。  

 また、要援護者の避難対策を進めていくに当たっては、要援護者自らの積極的な取組が不可欠であることから、地震災害等に対する心構えや適切な行動について自らが把握し、日頃の準備を促進する為の「災害時要援護者防災行動マニュアル」の有効活用が重要であると考えますが、現在の取り組み状況及び有効活用策を改めてお聞かせいただきたいと思います。  

 次に、避難支援ガイドラインの改正においては、避難支援プラン等を基に要援護者の計画的・組織的な避難支援業務を的確に実施するために、要援護者の支援担当を明確にするよう指摘しており、福祉関係部門や防災関係部門など行政の横断的な対応と、自主防災組織や社会福祉協議会等の様々な関係機関との間でスムーズな連携を図っていくための組織として、「災害時要援護者支援班」を設置するよう求めておりますが、本市ではどのように対応するお考えかお聞かせいただきたいと思います。  

 また、要援護者の避難対策を進めていくためには、要援護者の情報共有や避難支援計画に加え、「避難所での支援」並びに「関係機関等の間の連携」が重要と指摘しております。 

 そこでまず、避難所における支援として、要援護者は必要な支援に関する相談等がしにくく、一方、避難所の責任者や市も、避難所における要援護者のニーズの把握や支援の実施が不十分となる傾向にあります。  

 そのため、市の災害時要援護者支援班等が中心となり、自主防災組織や福祉関係者、そして避難支援者の協力を得つつ、各避難所に「(仮称)要援護者班」を設けるとともに、各避難所内に要援護者用の窓口を設置して、要援護者からの相談対応、確実な情報伝達と支援物資の提供等を実施するとともに、その際、女性や乳幼児のニーズを把握するため、窓口には女性も配置する等、要援護者班は、避難所内・外の各要援護者が必要とする支援等を積極的に把握するよう求めております。   

 また、要援護者のために特別の配慮がなされた避難所として、「福祉避難所」の設置・活用が指摘されていますが、介護保険関係施設における要援護者の受入には限界があり、緊急入所できない者のために福祉避難所が必要となります。  

 そこで、福祉避難所としては、施設がバリアフリー化されているなど、要援護者の利用に適しており、生活相談職員等の確保が比較的容易である老人福祉センター、養護学校等の既存施設を活用するとしていますが、適切な場所にこのような施設がない場合又は不足する場合は、必要に応じて、公的な宿泊施設、民間の旅館、ホテル等の借り上げや、応急的措置として、教室・保健室を含め、一般の避難所に要援護者のために区画された「(仮称)福祉避難室」として対応することも指摘しています。  

 そこで、このような避難所における支援策については、本市はどのように対処していくお考えかお聞かせいただきたいと思います。  また、関係機関等の間の連携については、発災時において、市の災害時要援護者支援班は、福祉サービス提供者等が把握した安否情報と、避難所の避難者名簿等を照らしつつ、要援護者避難の「抜け、漏れ、落ち」もフォローできるよう、福祉サービス提供者との連絡を密に取り、積極的に支援していくこと。  

 また、市は、福祉サービスの災害時における運用方針等に関し、都道府県、国と緊密に連絡をとりながら、地域防災計画等において災害時における福祉サービスの継続の重要性を明確に位置付け、福祉サービスの継続に必要な体制を確立するよう求めておりますが、本市においては、どのように対応していくお考えかお聞かせを頂きたいと思います。  

 そして更に、大規模災害時、被災地には関係機関等による広域的な応援も含め、様々な人的・物的資源が集結するため、積極的に情報共有を図り、各関係機関等が効率的かつ効果的な支援活動を展開することが求められます。

 そのため、市は関係機関等の支援活動の実施状況や人的・物的資源の状況、避難所等における要援護者のニーズを把握し、共有する必要があることから、「(仮称)要援護者避難支援連絡会議」を適宜開催するよう指摘しており、要援護者避難支援連絡会議の役割、業務等については、マニュアル等を作成して具体化し、平常時から関係者に対する研修や訓練を実施しておくとともに、介護保険制度における地域包括支援センターの活用・連携も図るよう求めておりますが、本市では、「(仮称)要援護者避難支援連絡会議」の設置及び運営について、どのようにお考えかお聞かせを頂きたいと思います。
【福祉健康部長答弁】災害時要援護者の避難支援についてお答えします。 まず、個人情報保護制度運営審議会における審議内容についてですが、3月に開催されました審議会へは、今後、地域防災力の強化の一環として、災害時要援護者対策の充実のために、自主防災組織との連携の必要性、個人情報の収集、管理体制の確保等についての検討を進めていくことを報告し、審議をお願いしました。この中で、必要性を認識しつつ、実効性、管理体制などについて疑問視する等のご意見があり、検討に当たっては個人情報の取り扱いについての認識を高めると伴に、マニュアル等の整備が必要不可欠との指摘がございました。  

 要援護者の情報収集、共有化、要援護者への複数の支援等、具体的な避難支援計画への対応についてですが、 情報の収集方法及び要援護者情報を受ける側の守秘義務の確保等につきまして、具体的な検討を進めてまいります。併せて、地域における安否確認、避難誘導活動の充実のために、地区防災拠点単位で、具体的な民生委員と自主防災組織との連携強化に取り組むこととします。  

 「要援護者行動マニュアル」の取り組み状況と有効活用策についてですが、高齢者の行動マニュアルにつきましては、現在、6月中に民生委員の皆様方に2万7千部を直接、対象の方々へ配布をお願いしているところです。障害者の行動マニュアルにつきましては、障害者団体を対象とする説明会を7月に予定し、各団体の研修等で活用していただけるようにしてまいります。  

 「災害時要援護者支援班」の設置についてですが、現在、福祉健康部の6課において災害時要援護者対策チームを編成しています。ガイドラインにあります、災害時を想定した訓練、関係機関との連携等について、より充実を図ります。  避難所における支援策についてですが、要援護者からの相談対応、状況・ニーズの把握、配慮したスペースの提供、バリアフリー化した施設の活用等については、大変重要な課題と認識しております。  

 総合相談窓口については、各避難所に設置することとなっていますが、具体的な対応については今後の検討課題となっております。また、要援護者優先の教室を位置づけていますが、白浜養護学校の活用等が課題となっております。当面、避難所運営マニュアルの活用を基本としながら、要援護者への総合的な支援の充実について検討を進めます。  

 福祉サービス提供者等との連携、サービスの継続についての対応についてですが、障害者施設につきましては、昨年の11月に7法人、高齢者福祉施設とは本年4月に17法人と、緊急受け入れについての基本協定を締結しております。また、藤沢市障害福祉法人協議会、高齢者施設長会等におきまして、自主的な研修等を行っていただいているところです。今後とも、行政と事業者、事業者と事業者等の連携を図る中で、サービスの継続性の確保について検討を進めます。  

 「(仮称)要援護者避難支援連絡会」の設置及び運営についてですが、本市では、各地区に地域防災ネットワークを構築することとしています。また、現在、地域福祉のネットワークの充実を図っているところです。今後、こうした取り組みとも併せまして、「(仮称)要援護者避難支援連絡会」につきまして検討をしたいと考えております。  

【再質問】要援護者の個人情報の取扱いについては、情報を受ける側の守秘義務の確保等について、具体的な検討を進めていくことをはじめ、個別の要援護者避難支援計画、また、避難所での支援策である「(仮称)要援護者班」の設置や要援護者用の相談窓口、並びに福祉避難所の設置。  

 また、福祉サービス提供者等との連携とサービスの継続性の確保をはじめ、「(仮称)要援護者避難支援連絡会」の設置・運営など、質問した項目ほとんど全てに渡って検討していくというご答弁だったわけで、今回、改正された避難支援ガイドラインは極めて具体的で、的を射た指摘だと言えると思います。  

 そこで、今後検討を進めるにあたっては、要援護者避難支援に係わる全体のスキームを見直し、改めて、本市の災害時要援護者の避難支援策について全体像を示す必要があること思います。また、全国で地震が頻発している状況から、スピード感をもって早急に取り組むべきであると考えますが、再度ご見解をお聞かせいただきたいと思います。

 また、総務省消防庁は災害が発生した際に、一人で避難するのが困難なお年寄りや身体障害者などの要援護者に対し、自治体による避難支援の具体的事例を紹介した手引書を全市町村に配布していますが、事例では、高齢化の進展に伴い支援者が不足することを想定し、中学生を避難支援者として活用すること等も紹介されており、消防庁は、「手引を活用して、自治体ごとに地域の実情に沿った形の避難支援プランを早期にまとめてもらいたい」としておりますが、本市ではどのように取り組むお考えか、併せてお聞かせいただきたいと思います。
【福祉健康部長答弁】災害時要援護者の避難支援についての再質問にお答え します。  

 本市の災害時要援護者への支援につきましては、平成 14年7月に、災害時における支援マニュアルを作成し、 対象者名簿の整備、地区防災拠点における民生委員との 連携による安否確認、避難誘導等の活動を中心に位置づ けをしてきました。  

 今後につきましては、改正された避難支援ガイドライ ンを参考に、情報の取り扱い、安否確認及び避難誘導、 相談機能等の避難所における支援、関係機関等の間の連 携等、総合的な視点での充実が必要になっていると考え ます。  

 さらに、避難支援プランヘの取り組みにつきましても、 消防庁の作成した[避難支援プラン作成に向けて]によ るモデル地域の事例、作成のポイント等を参考とするな かで、具体的な対応が求められています。  

 本市としましては、今年度より取り組んでおります、 地区防災拠点の機能強化、避難所の運営マニュアルの整備等と併せまして、災害時要援護者支援の充実に向けまして、福祉健康部関係各課、災害対策課、各地区防災拠点等の連携で検討を進めてまいります。

【再質問】「総合的な視点での充実が必要になっている」というご答弁を繰り返されているが、それは行政としては当然の姿勢であり、当たり前のことだと考えます。  

 ただ、私は先程、藤沢市の避難支援体制について全体像を示すべきではないかとお聞きしたわけであり、スピード感をもって早急に取り組むべきではないかとお聞きをしましたが、それについてはお答えがなかったわけであります。  

 全体像を示すべきではないかと申し上げたのは、当事者である要援護者は勿論のこと、今後支援をお願いする地域の方々には避難支援者として多大なご協力を頂かなければならないのに、藤沢市の要援護者避難支援体制が体系的に整理されていなければ理解されてこないからであります。したがって、この事はスピード感をもって早急に取り組んでいっていただきたい。


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