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平成18年6定例会〈一般質問〉
  「地域冷暖房について」

【質問】先日、ある新聞で「グリーンランド溶解」という見出しが踊り、世界最大の島「グリーンランド」の氷がとけ始め、氷河の流出が加速し後退が続くという北極の異変が報道されていました。この氷河は、20世紀初頭から次第に後退を始め、近年、その加速は激しさを増し、地元の漁師によると、この数年で100メートル以上、後退していると言います。

 また、NASA(米航空宇宙局)は、グリーンランドを覆う氷河の年間流出量がこの10年で約2.5倍になったとも発表しており、地球温暖化は、高緯度の地帯により深い爪跡を刻んでいると言えます。  

 そして、このような地球全体の海面上昇を招き寄せる、最大の原因と考えられるのが、日本を含む国々が排出する温室効果ガスであります。  

 こうしたなか、2005年2月に発効された「京都議定書」では、日本は2008年から2012年までの期間で、1990年比6%の温室効果ガス削減が義務付けられたものの、現行の対策だけではこの目標値が大幅に超過する見通しとなり、早急な追加対策が求められています。特に、エネルギー需要が集中する都市部民生部門での省エネルギー・C02削減はとりわけ重要な課題となっています。  

 そこで、都市部で省エネルギー・省C02を進めるうえでは、ビルの省エネ性能強化といった個々の取り組みに加え、その前提となる都市のエネルギーシステムのあり方についても検討を行う必要があり、当該地域のエネルギー需要・賦存状況に応じて、地域のエネルギー負荷を集約し効率を高める為に、「地域冷暖房システム」を導入することが考えられます。  

 この地域冷暖房の特徴は、一箇所又は数箇所の熱源プラントで製造した冷水や温水、蒸気を地域配管を用いて供給区域内の複数のビルや住宅等に送り、冷房や暖房、給湯を行うシステムで、各建物にとっては、熱源設置スペースが不要になり、地下や屋上を有効に使え、熱源の運転管理員も不要になるといったメリットをはじめ、エネルギーの有効利用や快適な生活環境の提供等、多くのメリットを持つ新しい都市インフラとして、都市の再開発やニュータウン開発等において導入が進んでいます。

 そして、地域冷暖房は熱供給事業法による、電気・ガスに次ぐ第3の公益事業とされており、2006年3月時点の事業許可地区数は154地区となっています。  

 こうしたなか、政府の「都市再生本部」は、2004年12月の会合で、「都市再生事業を通じた地球温暖化対策・ヒートアイランド対策の展開」を都市再生プロジェクトとして位置づけ、関係省庁が連携して、都市再生緊急整備地域などで大規模な土地利用の再編高度化等が行われる地域を中心に、国・地方公共団体・民間事業者が連携し、まちづくりと併せた温暖化・ヒートアイランド対策を一体的・集中的に推進する方針を示しております。  

 そこでお尋ねをしたいと思いますが、本市においても、藤沢市環境保全率先実行計画の中で、エネルギー利用の合理化として、地域冷暖房システムの導入を検討されてきたようですが、どのように検討がされてきたのか、また、湘南C−X(シークロス)をはじめ、藤沢駅北口通り線整備に伴う藤沢駅北口再整備や、企業撤退などによる跡地利用においても、積極的な導入を推進すべきと考えますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。
【環境部長答弁】地域冷暖房についてお答えいたします。まず、一点目の藤沢市環境保全率先計画の中でどのように検討がなされてきたかというご質問ですが、率先実行計画の「取組内容」の一つとして、「公共施設の建設、管理にあたっての環境保全への取組」という項目があり、「地域冷暖房システムの導入の検討」がございます。  

 率先実行計画を策定した平成13年3月から、建設された公共施設では地域冷暖房システムを導入するほどの大規模施設はなく、また厳しい財政状況が続いてきたこともあって、実現にはいたっておりません。  

 しかしながら、地球温暖化対策は重要課題と認識しておりますので、市施設や小中学校の新設や改修にあわせて、太陽光発電システムを中心とした新エネルギーの導入を積極的に進めてきたところでございます。  

 また、平成19年4月から供用開始予定の、北部環境事業所の新1号炉では、ごみ焼却によるエネルギーの利用を積極的に行うこととし、ごみを焼却した際の余熱利用による発電を行い、この電気を併設の2号焼却炉や し尿処理施設のほか、隣接する桐原環境事業所と資源化施設へ供給することになっております。これにより、現在は3つの施設がそれぞれ電力会社から電気を購入しておりますが、新1号炉供用開始以降は、電気を購入する必要がなくなり、余剰電力は電力会社に売却する予定でございます。今後も施設あるいは周辺環境の状況を考慮して、効率の良いエネルギーの導入を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  

 2点目のご質問でございますが、湘南C−Xについては要旨2でお答えさせていただきますが、まず、藤沢駅北口通り線整備に伴う藤沢駅北口の再整備につきましては、現在、基本的な整備計画が策定されたところでございます。 この整備計画の中では全体的な考え方として環境への配慮を位置付けておりますが、個々の施設計画や土地利用については、いまだ詳細が明らかになっておりません。 

 今後、それらの個々の土地利用計画が具体化されることとあわせて、様々な角度からの環境対策について、地権者等との協議・検討をして参りたいと考えております。

 また、企業が撤退した場合における跡地等への導入可能性につきましては、オフィス・住宅等需要家の大規模かつ高密度配置といったスケールメリットの追求が必要と思われます。  

 したがいまして、その前段として、跡地に立地する都市機能及び密度計画の本市都市政策との整合、周辺都市基盤への影響等を精査したうえでの検討となろうかと思っておりますのでよろしくご理解をお願いいたします。  

【再質問】湘南C−X(シークロス)における、エコまちネットワーク整備事業の導入は難しいようですが、都市再生事業と併せた環境負荷低減の取り組みを推進していくというご答弁もありましたので、地域冷暖房システムを導入するしないに係わらず、環境負荷低減の具体的な目標を設定して、その効果と共に公表していくべきだと思いますが、これは要望としておきたます。  

 また、藤沢市環境保全率先実行計画の中では、「公共施設の建設、管理にあたっての環境保全への取り組み」として検討したが、地域冷暖房システムを導入するほどの大規模施設はなく実現には至っていないというご答弁だったわけですが、総合計画では市役所本庁舎の建て替えも今後検討していくということもありますので、地域冷暖房システムを導入する一つの目安であるスケールメリットについて、どのようにお考えなのかお聞きをしておきたいと思います。
【環境部長答弁】スケールメリットについてどのように考えるのか、というご質問でございますが、地域熱供給事業の要件としましては、規模として、時間あたり加熱能力21ギガジュール以上、また複数の建物に対して供給されるものと受け止めております。  

 また、地域冷暖房の導入されている事例を見ますと、供給区域の平均的な面積は、「約12ha」、供給対象床面積は「約150,000u」となっております。  

 代表的なものとしては、「新宿新都心地区」や「赤坂・六本木アークヒルズ地区」、あるいは横浜の「みなとみらい21中央地区」等、相当規模な開発地区で、都心部の高層建築物が集中する地区において、多く導入が図られております。  なお、市役所本庁舎の建て替えがなされるとしても、本庁舎単体であれば地域冷暖房システムの導入は難しいのではないかと、現段階では思っております。  

 しかし、その場合でも、天然ガスによるコージェネレーションシステムや燃料電池など、技術動向を踏まえた上で、環境への負荷が少ない設備の導入を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


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