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平成17年12月定例会〈一般質問〉
  「木造住宅耐震化施策について」

【質問】 今世間では、マンションの耐震強度偽造問題が大きく取りあげられ、本市としてもその対応に追われるなど、全容の解明とともに、今後の抜本的な対策が求められますが、今回の問題を契機に、木造住宅の耐震化にも市民の関心が向けられているとの報道がされています。  

 また、新潟県中越地震や福岡県西方沖地震など、大規模な地震が相次いだ事から、市民の地震対策への意識も高まりつつあると言えます。 こうしたなか、「木造住宅の耐震化」は、阪神・淡路大震災の最大の教訓であります。

 内閣府の資料によれば、阪神・淡路大震災では死者の8割強が「建物倒壊による圧死」とされ、犠牲者6433人のうち、建物の倒壊等による死者は約5500人に及び、また、建物倒壊が延焼拡大の要因となったほか、道路を閉塞し救援車両の行く手を阻むことにもなりました。

 そこで、国土交通省が行った特定地域における木造住宅の悉皆調査では、昭和56年以前に旧耐震基準により建築された住宅の64%が大きな被害を受けており、昭和56年以前の住宅の耐震化が非常に重要であると指摘しています  

 また、2003年の住宅・土地統計調査によると、わが国には空き家を除く全住宅が約4700万戸あり、その約40%にあたる約1850万戸が昭和56年以前に建築された住宅で、そのうち約25%の1150万戸、つまり4戸に1戸が耐震性を不足していると考えられており、本市の場合も昭和56年以前の住宅が、現在約3万2000戸ほどあり、統計調査の分析を当てはめると、約8000戸あまりの住宅で耐震性が不足していると言えます。  

 こうしたなか、本市においても平成8年度より木造住宅耐震診断促進補助事業を創設し、木造耐震診断費用の一部を補助してきましたが、平成8年度から平成16年度までの9年間で480件の耐震診断を行い、その内「やや危険」と「危険」に診断されたものが377件にも上っているものの、資金面や住宅建て替え等の時期的な問題から耐震補強工事を行った割合は約13.3%に止まっているのが実態であるという事が、先の平成16年度決算委員会の質疑でも明らかとなり、このような実態を踏まえ、本市としても診断だけではなく耐震補強工事についても補助していく方向を示されたことは大いに評価をするところであります。  

 そこで、政府の中央防災会議が今年3月に公表した「地震防災戦略」では、「耐震化」を対策の核に据え、「今後10年間で死者数、経済被害額を半減」するという「減災目標」を設定し、2013年度までに住宅の耐震化率を2003年度の75%から90%に引き上げるという具体目標を掲げました。  

 そしてこの方針を受け、今年度から国交省は耐震化施策のリニューアルを進めており、まず、既存の四つの補助制度を「住宅・建築物耐震改修等事業」に統合して、制度を簡易にするとともに、自治体の状況等に応じて柔軟な対応を図ろうとしています。  

 さらに、「地域住宅交付金」を創設し、自治体が面的な居住環境整備などについて策定した計画に基づく交付金事業で、一般住宅の耐震診断は基より、改修・建替えも対象に含めることが可能となっています。  

 また、「耐震改修促進法」を改正して、国が建築物の耐震診断・改修に関する目標設定や技術上の指針などを盛り込んだ基本計画を策定し、これを基に県が診断・改修を促進するための計画を定めるとしており、今後、一般住宅など建物の耐震化を促進するうえでは、本市としても「耐震改修促進計画」を策定する必要があると考えます。  

 そこでお尋ねをいたしますが、今後、一般住宅の耐震改修を促進するための「地域住宅交付金」の活用と「耐震改修促進計画」への取り組みについて、本市のご見解をお聞かせ頂きたいと思います。
【神田計画建築部長の答え】木造住宅の耐震化につきましては、これまで耐震診断の補助を平成8年より実施し、平成16年までに480棟が耐震診断を行いました。耐震診断後の耐震改修につきましては、いままで国の補助制度も限定的なものであること及び建物の耐用年数や生活様式、家族構成の変化により、リフォームや建て替えをする傾向にあることから、耐震改修工事の助成は行っておりませんでした。  

 しかし今年度より公営住宅整備事業等の既存の補助金を一つの補助金にまとめ、地方公共団体による住宅政策の推進を総合的に支援する制度として、「地域住宅交付金制度」が創設され、木造住宅の耐震診断、耐震改修についても補助の対象となりました。  

 耐震診断につきましては、今年度診断を実施する一部について「地域住宅交付金制度」を活用させていただくために、この12月議会に補正予算のご審議をおねがいしているところでございます。従いまして来年度についても耐震診断だけでなく、耐震改修についても「地域住宅交付金制度」を活用し、建築物の地震に対する安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。  

 また「耐震改修促進計画」への取り組みについてでございますが、本年11月「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律」が公布されました。 改正の内容のひとつとして、計画的な耐震化の推進のため、国は基本方針を定め、都道府県はこれに基づいて耐震改修促進計画を策定し、市町村は国の基本方針や都道府県の耐震改修促進計画を勘案して、市の耐震改修促進計画を策定するよう努めることとなっております。 いつ起きるか分からない大規模地震に備え、木造住宅の耐震化を推進するために、国の定める基本方針及び県の定める耐震改修促進計画に基づいて、藤沢市の耐震改修促進計画の策定に向けて検討してまいります。  

【再質問】「木造住宅耐震化施策について」は、来年度から耐震診断だけでなく、耐震改修についても「地域住宅交付金制度」を活用し、木造住宅の耐震化を促進していかれるとご答弁がありましたが、この地域住宅公金制度のポイントとして、交付金申請の際、地方自治体が自ら設定した目標等をもとにした事後評価を実施していくことになりますが、それでは、本市ではどのような目標を立て申請されているのか、お聞かせを頂きたいと思います。  

 また、耐震化を促進していくためには、やはり工務店団体や建築士団体などとの連携を強化する必要があり、ネットワーク化をさらに促進して対応する必要があると思いますが如何でしょうか。  

 また、耐震改修促進法の改正に伴う「耐震改修促進計画」については、国の基本方針、及び県の促進計画に基づき、本市の耐震改修促進計画の策定を検討されていくとご答弁がありましたが、建物の耐震化と共にいま求められているのは、家具の転倒防止であります。

 そこで、耐震改修促進法の改正にあたり、総合的な対策ということで、窓ガラスや天井の落下防止を含む、家具の転倒防止が指摘をされています。特に、高齢者など自分で家具の固定ができない家庭では、家具の転倒防止について何処に相談して良いか分からずに、そのまま放置されている状況にあることから、高齢者など家具の固定が出来ない家庭への対応を早急に図る必要があると考えますが、ご見解をお聞かせ頂きたいと思います。
【神田計画建築部長の答え】1点目の地域住宅交付金を活用するにあたり、どのような目標を設定しているのか。についてお答えいたします。 計画目標でございますが、総合計画2020第2次実施計画として平成18年から22年までの5年間で、耐震診断は250棟、耐震改修は50棟を予定しております。しかし近年の大規模地震の発生により市民の関心が高まってきているので、状況に即して対応を図ってまいりたいと考えております。

 地域住宅交付金を活用するにあたっては、「建築物の耐震改修促進に関する法律の一部を改正する法律」による補助制度の活用についても検討し、耐震診断、耐震改修の促進を図ってまいります。  

 2点目の耐震改修を推進するにあたり、関連機関とのネットワークづくりについて、でございますが、本市では平成8年より耐震診断を実施しており、設計事務所協会と連携をとってまいりました。

 またこれからは地域住宅交付金を活用し、耐震改修を予定しておりますので、耐震改修では建設業者との連携も必要となり、信頼できる建築士や建設業者の協力が不可欠でございます。

 市民が安心して耐震改修を行うことができるよう、これら設計事務所協会や建設業協会の関連機関と行政によるネットワークづくりを進めてまいります。

 3点目の高齢者など家具の固定ができない家庭の安全対策についてお答えいたします。 過去の地震によって家具の転倒や、重い物の落下によって多くの方が怪我をしたり、尊い命を失っている教訓から市としても地震による減災対策として、その重要性は認識しているところであります。

 また、地区防災訓練などの際には会場で器具を展示したり、講評のなかで、家庭での防災対策としての転倒防止策の必要性を訴えており、多くの家庭で家庭内防災の観点から何らかの転倒防止対策を行っているものと考えます。 そのようなことから、高齢者など自分で家具の固定が出来ない世帯につきましては、今後、関係各課及び自主防災組織も含めてその対応について検討してまいりますので、よろしくお願い致します。


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