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平成17年9月定例会〈一般質問〉
  「学校評価(外部評価)の進展状況と授業評価について」

【質問】 よく学校は変わりにくいと言われます。それは4月に始まり、3月に終わる教育サイクルを、同じレベルで繰り返すだけでは、教育の質の高まりは望めないからであります。従って、前年度よりも一段高い質の教育を行うためには、計画-実行-評価(Plan-Do-See)のシステムを確立し、スパイラル的に教育の質を高めていくことが重要となってきます。

 その為には、教育目標や年度の重点努力目標を達成するための具体的方策について、その実施状況を点検し、成果や課題を明らかして、学校運営や教育活動の改善に生かすという学校評価が欠かせなくなってきます。  

 また同時に、保護者や地域の方々に理解され、信頼される開かれた学校づくりを進めるために、学校の説明責任が求められています。  

 教育目標や年度の重点努力目標を達成するための具体的方策とその達成状況、成果や課題などを説明することで、保護者や地域社会の学校に対する理解と協力が得られ、学校の教育力を高めることにもつながります。  

 このように従来の学校内での自己点検・自己評価に、児童生徒や保護者、地域の人たちによる外部評価を加えて、より客観的な学校評価システムにしていくことが重要な視点になっていると思います。  

 こうしたなか本市では、近隣他市に先駆けて、昨年度、各学校で学校評価検討委員会を設け、実施に向けた取組をすすめてきたことは評価をするところでありますが、既にほとんどの学校で評価が終えていると聞いております。

 そこでまず、今回の学校評価について教育委員会としてどのように分析をされているのか、とりわけ、外部評価の実施はどのように取り組まれてきたのかお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、評価結果の公表・学校情報の発信は,学校評価のシステム化を進めるうえで, 重要なプロセスと言えますが、これまで学校は、どちらかと言うと校内外の情報管理・情報の発信に関して、正直、意識が低い状況にあったように思います。  

 そこで、この状況を改善するためにも、きちんとした年間計画を立て、だれもが分かる公表手順をまとめたマニュアルづくりや公表内容を決定するためのガイドラインづくりが必要であると考えますが、評価結果の公表についてどのように進めて行かれるお考えかお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、特色ある学校づくりと同時に学校の経営責任が問われ、学校評価の推進が課題となっている中で、学校評価の中心は授業改善であります。なかでも授業評価は学校改善に資する有効な方法であり、授業評価を学校評価の一環として位置付けることが重要であると思います。  

 そこで、授業評価とは、何らかの観点を手掛かりに、目標の実現状況や授業の進め方、授業の分かりやすさなどを評価する活動で、授業評価を実施するためには、まず、評価の狙いや対象、範囲、時期などを含む基本的な計画を立てることが必要となります。  

 この授業評価の計画を立てる段階では、授業のどの部分をどんな観点・方法で評価するか、また、評価結果のまとめ方、授業改善への反映の仕方などについて明確にすることが求められ、このように授業評価を設計し計画すること自体が、授業を意識的に、しかも改善の対象として捉えることにつながるものと言えます。  

 一方、授業評価を受ける教師にとっては、自分自身の考えている授業像と、評価者である児童生徒やほかの教師がとらえる授業像とのズレに気付かされることになり、このズレに気付くことが、授業改善への第一歩と言われています。  

 そして、評価者においては、授業のどこに着目すればよいのか、授業を見る目が育つことが期待され、学習者つまり児童生徒による評価の場合も、授業者に対する評価だけでなく、自分自身の学習の在り方についても目を向けるようになることが期待され、このように、授業評価は設計と計画に伴う効果と共に、授業者および評価者における効果が期待されています。  

 また、授業評価の主体は、原理的に考えて、同一校の教師、校長・教頭、児童生徒、保護者や学校評議員などが考えられますが、児童生徒による評価については、教師の授業の準備状況や一人ひとりへの対応、授業への熱意、公平な態度と姿勢、授業の分かりやすさや速度、板書や資料の内容などを評価項目とすることができ、児童生徒による授業評価は印象による評価となりがちですが、評価を重ねることによって、授業を多角的にとらえる力も身に付いてくるものと考えられています。  

 そこで、このような児童・生徒による制度化された授業評価は、学習塾に始まって多くの私立・公立学校を問わず既に広く導入されつつあり、高知県でも99年度から公立の小中高校全校、東京都足立区でも2002年度から全小中学校で実施しており、横浜市も来年度から、外部評価の中心となる授業評価を全市立校で導入する方向で検討していると聞いておりますが、本市では授業評価についてどのように位置づけ、今後どのように取り組むお考えかお聞かせを頂きたいと思います。
【小野教育長の答え】1点目の学校評価の分析についてですが、昨年度はすべての学校が学校評価を行い、管理職を中心に学校評価検討委員会等で集計し、評価結果の分析を行いました。  

 評価結果では、各校が保護者・地域・児童生徒ともに 概ねよい結果をいただいておりまして、子どもたちが楽しく学校に通っているという声が多数ありました。  

 課題としては、保護者・地域の方からは、最近の情勢を反映して、学校安全対策についての意見や要望が多くありました。また、児童生徒につきましては、自分の悩みの相談相手を求めている傾向が見られています。他にも各校それぞれの課題がありますが、こうした課題をこれからの学校運営に生かしていくこととしております。

 次に、外部評価の取組についてですが、教職員による内部評価とともに実施していくことにしておりまして、学校評議員や保護者、PTA役員などに、評価をお願いしています。  

 2点目の評価結果の公表についてですが、学校評価を実施する上で、その結果について多くの保護者や地域等に公開することを前提として行っております。公表の方法や内容等については、各学校が学校だより等を通じて保護者に向けて公表しております。  

 また、地域の方々に対しても必要なものに関しては、学校ホームページに掲載したり市民センター等に学校だより等を掲示したりして、信頼される学校づくりをめざして広く公表しております。  

 今後も、各学校の実情も考慮しつつ、公表の仕方や内容を精査しながら、積極的に情報公開するよう各学校に啓発してまいりたいと考えております。

 次に3点目の授業評価につきましては、児童生徒に対して、「学習は楽しいですか」や「先生は教え方にいろいろ工夫しているか」といった項目を設定したり、保護者に対しても「子どもが授業がわかりやすいと言っているか」「わかりやすい授業を目指し努めているか」などの項目について授業評価を行っております。  

 学校評価につきましては、藤沢市の学校評価検討委員会の報告書で、学校教育目標・努力点、教育課程・教育活動、教科指導、生徒指導の四点を柱に項目を立てており、授業評価につきましては、今後も大切な柱の一つとして位置づけ、評価方法等を研究してまいりたいと思います。  
【再質問】まず、外部評価についてでありますが、評価結果では、保護者・地域・児童生徒ともに概ねよい結果を頂いたとご答弁がありましたが、教師側、つまり学校側の評価と保護者・地域・児童生徒の評価では認識にズレは無かったのかお聞かせを下さい。

 また、 「授業評価について」ですが、学校評価の中心は授業改善にあり、授業評価は学校改善に資する有効な方法と言えます。そこで、先程のご答弁にもあったように、児童生徒による授業評価は印象による評価となりがちですが、評価を重ねることによって、授業を多角的にとらえる力も身に付いてくる効果が期待されます。  

 また、もう一方では、教師の指導力を向上させるための評価が課題となっていると思います。今日では、個に応じた指導や少人数指導の実現など、指導体制、指導方法の工夫改善が図られる中で、新たな意味で教師の指導力の向上を図るには、授業で狙いとしたことがどの程度実現したのか、どの児童生徒が授業が分からなくなっているのか、その原因は授業のどこにあるのか、これらの点について、授業評価を通じて明確にすることが大切になってくると思いますが、本市では教師、或いは指導主事などによる授業評価について、どのように取り組まれているのかお聞かせを頂きたいと思います。
【小野教育長の答え】1点目の評価結果での認識の違いということですが、各学校それぞれの評価結果が出ている中で、いくつか学校の予想と少し違ったものも見られます。 学校の情報提供、開かれた学校、あるいは地域との連携といった面では、保護者・地域では、その不足を感じている方もいて、学校の意識とは少し違うようです。

 また、わかりやすい授業、楽しい授業という点でも、児童生徒や保護者の中には、まだ不十分と考えている回答があり、教員の努力しているという意識との間に違いのあるケースが見られました。 学校評価では、全体に評価が低い項目は当然ですが、こうした立場等による認識の違いも、改善に向けての貴重な材料になります。それぞれの学校でも、情報提供や公開性、地域との連携のさらなる推進や基礎基本の定着、一人ひとりに応じた指導法の工夫などを今後の改善のポイントとしてあげています。 今後につきましても、こうした形で分析結果をその後の教育活動に生かしていくことを考えています。

 次に2点目、教師等による授業評価についてですが、各学校で行われる校内研究や小学校、中学校それぞれの教育研究会におきまして、教員相互で、教科・領域などの部会ごとに研究授業や研究会が行われています。  

 また、新採用教員の増加にともない、初任者研修による教員相互の授業技術や授業内容の向上をめざした授業研究、教科研究会も盛んに行われています。  

 さらに、教育委員会では、学校教育課による学校訪問に際して、2年に一度、全教員の研究授業とその後の研究協議が行われ、指導主事が指導・助言しています。 授業評価につきましては、専門性を生かしたこうした教員相互による評価も進めていきたいと考えています。
【要望】学校側の自己評価と、保護者をはじめ児童生徒や地域から見た外部評価とのズレが生まれることは至極当たり前なことだと思いますし、一方では、この部分が学校評価を行う際の大きな目的でもあると思います。  

 従って、外部評価を有効に機能させるためには、保護者との信頼関係を構築できるよう、お互いの評価の違いについて積極的に公表し、改善に向けて活かして頂くよう要望をいたします。


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