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平成17年9月定例会〈一般質問〉
  「児童生徒の問題行動対策について」

【質問】 「2003年度の生徒指導上の諸問題の現状調査」が昨年8月に公表され、そこでは暴力行為の発生件数が3年ぶりに増加に転じており、本市でも同様の結果でありました。

 また9月7日には、高倉中学校登校中の生徒に対し消化剤を噴射し、同校生徒66人が病院に運ばれた事件で逮捕されたのは、本市の中学生2名を含む同校の卒業生であり、非常に憂慮すべき状況にあると言わざる終えないことは誠に残念であります。  

 そこで、こうした問題行動の要因には家庭教育の在り方、学校教育の在り方、地域社会における連帯感の希薄化、青少年を取り巻く環境の悪化などの要因が複雑に絡み合っていると考えられますが、いずれも実証的な裏付けもなく、主観的な印象の域を超えないものでありました。  

 このため、調査結果の原因が何によるのかについて事実を判明することを目的として、文部科学省が「生徒指導上の諸問題に関する調査研究会」に委嘱し、調査・分析を行った結果、「全体的な暴力行為の発生件数が増加しているのは、都道府県レベルで広域的に見れば暴力行為はさほどの変化はないか沈静化しているが、特定の地域または学校で、暴力行為が増加している。  

 そして、暴力行為に対する判断基準について、都道府県教育委員会または市町村教育委員会が独自の解釈を加えているものが約四割に上るなど、都道府県ごとにその判断基準が異なる可能性も見られている」と指摘しており、その上で報告書は「学校として組織的に取り組むための制度的裏付けや基準などがないこと、方策の横断的な連携を進めるための制度的なよりどころがないため、地域、学校での対策に温度差が生じており、今後は生徒指導に関する包括的ガイドラインの作成が望まれる」と提案しました。  

 また、昨年6月の長崎県佐世保市における小学校六年生の女子児童による同級生殺害事件をはじめ、子どもによる重大事件の相次ぐ発生は、社会全体に大きな衝撃を与え、学校教育においても教育の原点に立返った早急かつ根本的な対応が求められている状況にあり、このような状況を踏まえ、文科省は、長崎県佐世保市における事件発生後、省内に「児童生徒の問題行動に関するプロジェクトチーム」を設置し、事件の背景等を整理するとともに、同種の事件の再発防止について検討を行ってきました。  

 そして、その再発防止に向けた取組として、学校と家庭、地域、関係機関等とが一層緊密に連携して取り組む課題を、一点目として「命を大切にする教育の充実」、二点目として「学校で安心して学習できる環境づくりの一層の推進」、三点目として「情報社会の中での情報モラルやマナーについての指導の在り方の確立」。といった3点に重点を置いた施策を講ずることとする「児童生徒の問題行動対策重点プログラム」を策定しております。  

 そこでお尋ねを致しますが、まず、本市における「暴力行為」の実態をどのように分析されているのか、そして、文科省が提示した「児童生徒の問題行動対策重点プログラム」について、どのように取り組まれているのかお聞かせを頂きたいと思います。
【小野教育長の答え】1点目の「暴力行為」についてですが、生徒指導上の諸問題調査においては、対教師暴力・生徒間暴力・対人暴力・器物損壊をまとめて「暴力行為」としており、16年度は前年より21件増え80件となっています。特に、対教師及び生徒間暴力に増加が見られました。  

 対教師暴力については、教師の注意・指導に対する反発から暴言や肩を小突くといったケースなどが報告されています。また、生徒間暴力の原因としましては、些細なことから口論になりケンカに発展してしまうケースが多く、同じ生徒が何回か繰り返すというケースも見られました。 こうした暴力行為の背景には、人間関係の希薄化、規範意識の低下、自己コントロール能力や忍耐力の低下などが考えられますが、その指導にあたっては、暴力行為が安全な生活を脅かす反社会的行為であり、暴力では何も解決できない、いじめ同様、絶対に許されない行為であること等を理解させ、暴力のない、暴力を容認しない集団づくりを目指して指導しております。

 また、道徳の時間を軸にあらゆる機会を通して、正義感、思いやりの心、生命尊重等についての指導を行ってまいります。

 次に、2点目の、文部科学省から出された「児童生徒の問題行動対策重点プログラム」についてですが、 まず、「命を大切にする教育の充実に向けた取組」ですが、本市の児童生徒指導の基本姿勢として、健全育成を目指す上で、最も大切にしていることは、自他の生命を尊重する心を育てることです。全ての児童生徒がよりよい人格を築き、自己実現や他者理解ができるような資質や態度を育てていくことを目指し、学校だけでなく、家庭や地域・関係機関などの協力を得ながら指導の充実を図っております。  

 道徳において命の大切さを指導し、各教科、特別活動及び総合的な学習の時間を通して、児童生徒が主体となる授業づくりやふれあい体験を重視した教育活動も積極的に取り入れております。

 また、児童生徒と教師、児童生徒相互の好ましい人間関係を育てるなど、教育課程全体を通して自他の生命のかけがえのなさや夢をもって生きることの大切さなど、児童生徒の心に響く指導を行っております。

 次に、「学校で安心して学習できる環境づくりについての取組」でございますが、暴力行為やいじめなどといった児童生徒指導上の諸問題に対しては、毅然とした対応をするとともに、家庭や地域社会及び関係機関との連携を図り、学校間や校種間の連絡を密に、未然防止・早期発見・早期指導に努めております。

 さらに、校内においては、教職員はもちろんのこと、スクールカウンセラーや相談員等も加え、複数の視点で児童生徒を見守り、児童生徒の変化に対していち早く対応が図れるよう体制を作り取り組んでおります。

 情報社会の中でのモラルやマナーの指導についてでございますが、学校でインターネットを利用する機会としては、各教科の授業や総合的な学習の時間において調べ学習を行う時などがあります。その際、県立総合教育センター発行の「情報モラル指導資料」等を参考にしてモラルやマナーの指導をしております。  

 また、教員に対しては、今年5月の学校警察連絡協議会総会において、神奈川県警察本部のハイテク犯罪対策センターから「サイバー犯罪の現状と対策」についての研修や、7月のパソコン担当者会において、県総合教育センター指導主事による情報モラルについての研修を行っております。

 今後も、教職員に対しての研修を行い、児童生徒には折に触れ情報モラルやマナーについて指導してまいります。さらに、保護者に対しても注意を呼びかけてまいりたいと考えております。  
【再質問】重点プログラムへの対応について、何点かお聞きをしたいと思います。 まず「命を大切にする心を育む教育の充実」について先程のご答弁では、学校だけでなく、家庭や地域・関係機関などの協力を得ながら指導の充実を図っているとのことでしたが、他者を傷つけてはならないことを自覚し生命を尊重する教育の推進を図る上では、教材開発や外部人材の活用等も充実していく必要があると思いますが如何がお考えか、また、家庭における命の教育への支援についてどのように取り組むお考えかお聞かせを下さい。

 次に「学校で安心して学習できる環境づくりについて」ですが、複数の視点で児童生徒を見守り、児童生徒の変化に対していち早く対応が図れるよう体制を組んでいるとご答弁がありましたが、その為には、学校として十分な生徒指導が行えるよう体制を強化する必要があると思いますが、例えば校務分掌の見直しや担当授業時間の軽減などにより、生徒指導により専念できる体制づくり、或いは、学校における生徒指導を地域の人材を活用することによって効果的に推進するための「生徒指導推進協力員」の配置についてはどのようにお考えかお聞かせを下さい。

 次に「情報社会の中でのモラルやマナーの指導について」ですが、先程のご答弁では、学校における取り組みについてはふれておられましたが、特に、子供が日常生活において接する各種メディアが提供する情報等には、行き過ぎた暴力・残虐表現を含む情報や性描写等が子供の人格形成に悪影響を及ぼすおそれがあります。  

 そこで、家庭における情報モラル教育や有害情報対策への支援として、子どもが家庭においてインターネットを利用する際に、フィルタリングソフト等の活用についての理解と利用の促進を図る必要があると思いますがご見解をお聞かせ下さい。
【小野教育長の答え】1点目の「命を大切にする心を育む教育の充実について」教材開発や外部人材の活用等の充実の必要性と家庭における命の教育への支援についてですが、議員ご指摘のとおり、心の教育の充実については、重要な視点であると考えております。

 こうしたことから、道徳や総合的な学習の時間において、市教育委員会で作成した子どもの権利条約のリーフレットを使っての学習や、外部の講師による被爆体験や戦争体験の講話を聴き命や平和について考えるなど、子どもの実態に応じた特色ある教育課程を編成しております。   

 また、家庭教育の支援につきましては、各学校から機会を捉え、発達段階に応じ、様々な問題提起や家庭での話題等を学校からのたよりや教育相談等で情報提供できるよう考えております。

 次に2点目の、「学校で安心して学習できる環境づくりについて」生徒指導に専念できる体制づくりや「生徒指導推進協力員」の配置についてですが、特に生徒指導を担当する教員については、全児童生徒の様子を把握し、生徒指導上の問題や課題に取り組めるよう体制が図られることが望ましいと考えております。しかし、そのための教員加配がないため、むずかしい状況があります。  

 また、問題行動の多い小学校に「生徒指導推進協力員」を配置し、子どもの行動の変化の早期把握に努めることも有効であろうと考えますが、この事業は、現在県への委託事業として行われているもので、指定された地域に配置されております。

 次に3点目の、「情報社会の中でのモラルやマナーの指導について」子どもが家庭でインターネットを利用する際のフィルタリングソフト等の活用についてですが、 現在市内の小中養護学校でインターネットを使用しているパソコンには、フィルタリングソフトを導入しております。  

 フィルタリングソフトの重要性については、教育委員会でも認識しており、各家庭に対しても導入や重要性について、情報提供等していく方向で考えてまいります。


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