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平成17年9月定例会〈一般質問〉
  「いじめ・不登校の現状と対応策について」

【質問】 文部科学省の学校基本調査速報によると、2004年度に年間30日以上欠席し「不登校」とされた小中学生は前年度より約3千人減少し、不登校は3年連続の減少。児童生徒全体に占める割合も0.01ポイント減り、1.14%となったことで、文科省では、「適応指導教室を充実させた成果などが表れたと」支援の成果を分析しておりますが、依然として不登校は12万人に上っており、教育上の深刻な課題であることは変わっておりません。  
 そこで、全国調査の結果から見て取れる傾向としては、全児童生徒に占める比率は中学生が37人に一人の2.73%、小学生が309人に一人の0.32%。いずれも学年が上がるにつれて増えており、中学三年が全体の約三分の一を占めています。  

 また、神奈川県教育委員会によると、2004年度の県内の公立小・中学校の不登校児童・生徒数は、小学校が1895人で前年度に比べ74人減ったものの、中学校は7714人で67人の増となり、この結果、小・中学校全体で前年度比7人の減にとどまるなど、横ばい傾向になっています。  

 こうしたなか、本市における前年度の調査結果では、小学校71人、中学校357人の計428人という過去最多の結果となり3年連続の増加となっていますが、2004年度の調査結果における本市の現状はどのような実態なのか、まずお聞かせを頂きたいと思います。

 特に、小学校から中学校に上がると不登校が激増する実態はどのように受け止めておられるのか併せてお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、不登校の根本的な原因を明らかにし、その根を絶つという取り組みがなければ現状の打開はあり得ないと思いますが、不登校状態になった原因をどのように分析をされているのか、お聞かせ頂きたいと思います。  

 また、不登校対応の最終目標を、児童生徒が将来、精神的にも経済的にも自立し豊かな人生を送れるよう、その社会的自立に向けて支援することと捉え、登校したくても登校することが出来ない状態にある児童生徒が抱えている心理的・情緒的な問題の軽減を図りながら、児童生徒一人一人の自己理解を深めるための支援が重要であり、具体的には、「心の専門家」であるスクールカウンセラーや「いじめなんでも相談ふじさわ」訪問相談員、心の教室相談員等の充実が求められていると思いますが、如何お考えか、さらに、昨年の秋からは、相談指導教室へ大学生によるメンタルフレンドをボランティアとして導入しており、その成果も期待されますが、今後どのように取り組んでいくお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、小集団での様々な活動を通して社会性を身につけ、自分自身や対人関係に自信を持たせ、自立を育むための援助や指導も重要であり、その為には適応指導教室の充実を図る必要があると思います。

 そしてさらに、不登校児童生徒の在宅学習支援策として、ITを活用した在宅学習支援なども充分検討する時期に来ていると思いますが、どのようにお考えなのか、そして、現行の支援策をいま一度見直し、本市における不登校児童生徒への支援策を体系的に確立し、保護者をはじめ市民に示す必要があると思いますがご見解をお聞かせ頂きたいと思います。  

 最後に「いじめ」についてですが、「いじめ」は時としてひとりの人間を死に追いやることがあるほどの大きな問題であり、ひとつの人権問題とも言われておりますが、2004年度の結果分析と対策について、どのようにお考えかお聞かせを頂きたいと思います。
【小野教育長の答え】まず、1点目の平成16年度の生徒指導上の諸問題に関する「不登校」の調査結果についてでございますが、本市における「不登校」については、395件で、33名減少し、前年比7.7%減となっております。 出現率で見てみますと、小学校は、0.36%で 約280人に1人の割合となっております。前年とほぼ同様でありました。中学校では、3.42%で約29人に1人の割合となっておりました。前年は3.86%で約26人に1人の割合でございました。

 小学校から中学校に上がると不登校が増加する実態についてですが、小学校6年から中学校1年にかけて 3.3倍になっております。前年度に比べ減少したとはいえ、大きな課題であると受け止めております。小学校と十分に情報交換を行うとともに、スクールカウンセラーや相談員を活用しながら早期に適切な対応を図っていくことが大切であると考えております。

 次に2点目の不登校の原因についてですが、不登校になった直接のきっかけとしては、「本人の問題に起因」が40%と一番多く、「家庭生活に起因」の17%と合わせると57%と大きな割合を占めることになります。こうしたことから、学校だけでなく、家庭や関係機関等の連携を図る中、多方面から適切な働きかけや対応が必要であると考えております。  

 特に、中学校において効果のあった指導として、「スクールカウンセラーや市の相談員等による専門的な指導」「保健室等に登校させての学校での指導」「家庭訪問を行い学業や生活面での相談にのるなど様々な指導・援助」などでございます。

 また、日頃から、生徒が安心して過ごせる居場所としての学校づくりを目指し、楽しくわかりやすい授業を工夫したり、どの生徒にも活躍できる場を持たせるようにしながら、一人ひとりへのきめ細かな対応を各学校が心がけていることも減少の要因であると考えます。

 3点目のスクールカウンセラーや相談員等の充実、学生ボランティアの活用など相談指導教室の充実についてですが、今年度全中学校にスクールカウンセラーが配置されたことによって、不登校あるいはその傾向にある児童生徒への直接的な支援はもとより、教員や保護者等への専門的助言・援助等、多くの児童生徒について相談できる機会が確保されたと考えております。  

 また、相談指導教室においては、カウンセラーやケースワーカーが来室や電話相談、家庭訪問による相談援助を行っております。さらに、通室する児童生徒には、教科指導員とともに大学生のボランティアが相談相手になったり、学習の支援を行うなど充実を図っております。今後は、施設・設備等の改築・改修の必要性についても考えていきます。

 4点目のITを活用した在宅学習支援についてですが、文部科学省が「不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について」の通知を出しております。趣旨としましては、自宅において、学校、学校外の公的機関又は民間事業者が提供するIT等を活用した学習活動を行った場合、校長は、指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができることとするものであります。  

 教育委員会としましては、これまでに行ってきた不登校の児童生徒に対する取組も含め、今回の文部科学省の通知の内容を踏まえ、学校への復帰に向けて家庭に引きこもりがちな不登校児童生徒との関係づくりを進める一つの手だてとして、IT等の活用方法を研究してまいりたいと考えております。

 本市における不登校児童生徒への支援の方針としましては、まず不登校を起こさないために、各学校において共感的・受容的に児童生徒に接し、子どもの自立を促すなど好ましい人間関係を育て、安心できる学級及び学校づくりに努めております。不登校傾向や不登校を起こした児童生徒については、スクールカウンセラーや「いじめなんでも相談ふじさわ」訪問相談員による相談や相談指導教室における相談及び援助等、相談関係諸機関との適切な連携を図って、学校復帰ができるよう支援しております。 今後は、こうした不登校対策や市の相談体制の充実を図るとともに、議員ご指摘の保護者・市民への提示につきましても研究してまいりたいと考えております。

 5点目の「いじめ」についてですが、平成16年度の生徒指導上の諸問題に関する「いじめ」の調査結果は、 45件で前年比28.6%の減少でした。いじめの態様としては、「冷やかしやからかい」が最も多く、他に「言葉での脅し」などがありました。  

 今までも、いじめの件数については、増加と減少を繰り返している状況にありますが、「いじめは人間として絶対に許されない卑劣な行為」という基本的な考え方に立ち、児童生徒間には「いじめを見過ごさない。許さない。声に出して訴え、助け合う。」といった「正義感」「自浄作用」を高める指導をねばり強く続けていきたいと考えております。  

 また、保護者の訴えによって発覚しているケースもあることから、児童生徒一人ひとりを注視し、小さな変化やシグナルを見落とさない鋭敏なアンテナを持つよう、今後とも研修会や担当者会を通して、校内指導体制や対応のあり方を含め指導してまいります。  
【再質問】本市の不登校の現状は、昨年と比較すると若干減少しているようですが、出現率で見ると小中学校で何れも全国平均を上回っており、中学校では約29人に一人の割合で、ほぼ一クラスに一人の不登校が出現していることになりますが、具体的な指導・援助の対応策を図るにはどのような体制で取り組まれているのか、特に、不登校になった児童生徒には、学校には来なくても遊びに行ったり人との接触を拒まない子どもと、家から一歩も出ず外部との接触を拒む子どもなど、ケースは非常に複雑化していると思いますが、一人ひとりのニーズに的確に対応した支援策を見出すにはどのような体制で取り組まれているのかお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、小学校6年から中学校1年にかけ、3.3倍に増える現状に対し、ご答弁では「小学校と十分に情報交換を行う」との事ですが、どのような情報交換なのか、さらに、「スクールカウンセラーや相談員を活用し早期に適切な対応を図る」との事ですが、もう少し具体的にお聞かせを頂きたいと思います。

 不登校の原因として、「本人の問題に起因」するもの、また、「家庭生活に起因」が最も多いとご答弁がありましたが、近年の不登校問題は、その原因が神経症など心因性による旧来型よりも、情緒的には問題がない子供が友達も出来ず極端に不安になるなど、対人関係に起因するケースも多くなっていると言われています。  

 また、夫婦間の不和など複雑な家庭環境にあったり、生活に困窮した家庭などで子供が保護者から放任されて不登校になるケースもかなりのウエートを占めているとの指摘もありますが、こうした心に問題を抱えた子供に照準を合わせた対応をするには、学校に出てくるのを待っていたのでは解決が遅れるばかりだと思いますが、家庭訪問による指導・援助はどのような頻度、つまり週何回程度訪問し、一回の訪問時間はどのくらいで、訪問指導員一人あたりの受け持ち生徒数は何人程度なのかお聞かせを頂きたいと思います。  

 また、不登校の長期化から「ひきこもり」、さらに「ニート」など、社会とのかかわりを避ける傾向が強まってきているなか、不登校解決の目標を、本人の「将来の社会的自立」と位置づけ、目先の学校復帰にこだわるのではなく、個々の子供たちの人生にとって、いま何が必要なのかを見据える事が重要であると思います。  

 従って、家庭の養育力に難題を抱えた子どもたちや、相談指導教室に来られない子どもたち等には、社会性を身につけさせるための活動プログラムのような支援体制を準備する必要があると思いますがご見解をお聞かせ下さい。

 また、相談指導教室においては、施設・設備等の改築・改修の必要性を考えたいとのご答弁があり、そのこと自体は早急に取り組んで頂きたいと思いますが、現実には相談指導教室は市内に一カ所しかなく、定期的に通うには難点もあると感じます。  

 そこで、児童生徒のいる地域に隣接する児童館を不登校児童生徒の居場所となるような取り組みを図るべきと考えますがご見解をお聞かせ下さい。
【小野教育長の答え】1点目の不登校児童生徒に対し、一人ひとりのニーズに対応した支援策を図るための体制についてですが、特に不登校の増える中学校では、毎週定期的に、各学年の生徒指導担当者、学年主任や養護教諭等で構成された担当者の会議を開き、各学年の生徒の状況を把握したり、個々の生徒に対し必要な指導や支援策などについて検討しております。  

 さらに、学年会や生徒指導全体会、職員会議等でも一人ひとりが抱える背景や課題を協議し、担任が一人で抱え込むのではなく、多くの視点で児童生徒を見守り、適切な支援を図っていくよう努めております。 しかしながら、家庭環境等に問題を抱えるケースも多く、学校だけでの取組ではむずかしい面もあります。問題行動の解決にあたっては、保護者や地域、関係機関等の協力・連携を強めていくことが肝要であると考えております。

 次に2点目の小学校との情報交換と早期に適切な対応を図ることについてですが、不登校が中学校1年で増加することから、6年生の間に、児童の小学校での欠席状況や友人関係、生活の様子等について情報交換を行って、中学校での指導や支援に生かしています。  

 また、6年生を招いて中学校での模擬授業を実施したり、生徒会が小学校を訪問して中学校を紹介したり、文化祭や運動会等の行事での相互交流など、中学校生活のスムーズなスタートがきれるようにサポートしています。

 早期対応につきましては、中学校の生活がはじまり、様々なきっかけで不登校の兆候が現れ始めた時に、早い段階で担任や関わりある教員の細かい配慮や助言で、長期化を防げることも考えられます。  

 また、スクールカウンセラーが全校に配置されたことで、早期にカウンセラーによる相談につなげることができ、不登校の芽を早期に摘んでいくことができると考えております。

 次に3点目の、不登校児童生徒の家庭訪問による指導・援助の状況についてですが、相談指導教室の2名の教育ケースワーカーが家庭訪問による指導・援助にあたっております。勤務体系は2週間で7日でありまして、1ケースあたりの訪問時間は3〜4時間を要しますので、1日に2ケースの対応が精一杯です。したがいまして、ケースワーカー1名につき1週間のべで最大7ケースの訪問が可能といえます。昨年度は1年間で13ケースに対応し、ケースワーカーが対応できる限度近くまで対応しております。今年度は7月までに7ケースあり、現在のところケースワーカー1名につき3〜4ケースに対応し、週1回程度訪問しております。ケース数については、過去の状況から2学期以降増えてくると考えております。

 また、この他に、「いじめなんでも相談ふじさわ」訪問相談員もケースによっては家庭訪問を行っております。

 次に4点目の、指導教室に来れない子どもたちについては、まず、子どもの心を開かせるために、担任が家庭訪問等をして、つながりをつくることが社会性を育む第一歩と考えております。  

 その際に、さらに社会性の育成を図る手だてとして、市の相談指導教室のプログラムや県教育委員会の実施している「森の金太郎キャンプ」、県立体育センターの「イキイキ・ワクワク・スポーツ活動」などを紹介しております。

 次に5点目の、地域に隣接する児童館を不登校児童生徒の居場所とするような取組を図ることについてですが、 不登校児童生徒の多くは、同年齢の子どもたちの集まるところには足が向かない傾向があります。また、本市の場合、施設の面でもそのような目的で作られていないため課題が多く、現在のところ設置については、むずかしいと考えております。
【再質問】不登校問題の解決のためには、子どもが学校に来るのを待つだけでなく、家庭訪問による積極的な働き掛けが今後ますます重要になってくると思いますが、先程のご答弁では、2名の教育ケースワーカーにより、週1回程度、約3・4時間の家庭訪問を行い、昨年度は13ケースに対応し、限界近くまで対応しているとのことですが、週1回、3・4時間の訪問という頻度は理解できますが、1年間で13ケースというのは果たして十分と言えるのでしょうか。  

 家に引きこもりがちで、相談にくることが出来ない子どもたちに対して実施されているんだと思いますが、本市の現状を考えればもっと家庭訪問による指導・援助の充実を図るべきと考えますが、再度ご見解をいただきたいと思います。

 また、地域に隣接する児童館を不登校児童生徒の居場所とするような取り組みについては、同年齢の子どもたちが集まるところには足が向かない傾向があり難しいというご答弁でしたが、本市では、平成15年度から相談指導教室に地域スクーリングサポートセンターを設置し、不登校にかかわるサポートシステムの整備に取り組まれていると思います。  

 そこで、沖縄県那覇市にあるスクーリングサポートセンターでは、主に心因性の不登校児童生徒を対象とした適応指導教室「あけもどろ教室」と、あそび・非行傾向の不登校児童生徒を対象とした適応指導教室「きら星学級」を設置しています。どちらも、学校や社会への適応の促進及び将来の社会的自立に向けた支援を行っていますが、特に「きら星学級」は、あそび・非行傾向の不登校児童生徒の居場所となり、その中で徹底したマンツーマン指導の下、学習支援や職業体験活動等が行われています。  

 そこで、もう一度お聞きを致しますが、このような、あそび・非行傾向の不登校児童生徒への対応は、本市においても大きな課題であり、居場所づくりや、学校復帰に向けた取組を、地域ネットワーク図る中でサポートしていく必要があると考えますが、併せてご見解をお聞かせ頂きたいと思います。

【小野教育長の答え】1点目の家に引きこもりがちで、相談に くることがで きない子どもたちに対して、家庭訪問による指導・援助の充実を図ることについてですが、学校に登校できなく なった子どもたちに対しては、基本的には担任や関係教員が家庭訪問や相談を行っています。  

 そうした中で、カウンセラーによる相談を要望されるケースについて、ケースワーカーが対応していまして、要請に対しては、現在すべて対応できています。  

 しかしながら、引きこもりがちのケースでは、家庭や本人がそうした相談を希望しないケースもあります。教育委員会としましては、学校と連携をとりながら、 要請により家庭訪問し、相談機関の紹介をするSSN指導員等も活用し、指導・援助の充実を図っていきたいと考えます。  

 次に2点目のあそび・非行傾向の不登校児童生徒の居 場所づくりや学校復帰に向けた取組の推進というご質問 ですが、本市の相談指導教室におきましても、さまざま な傾向の子どもたちが通室しておりますが、議員ご指摘のような傾向の児童生徒については、通室の希望や相談 が無いのが実状です。  

 現在は、非行傾向の児童生徒につきましては、いじめ なんでも相談員や児童相談所と連携しながら、指導にあたっています。  

 今後につきましても、そうした傾向の児童生徒につい てのニーズ等を踏まえながら、考えてまいりたいと思い ます。


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