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平成11年9月定例会〈一般質問〉
  「脳死による臓器提供に対する市民病院の対応について」

【質問】本年2月25日、国内初の臓器移植法に基づく脳死からの臓器移植が高知赤十字病院で行われ、半年が過ぎました。これまでに4例の臓器提供が行われ、心臓・肝臓・腎臓・角膜等を移植された患者は15人に上り、いずれも比較的順調に回復をされているようであります。当初はマスコミの行き過ぎた報道のあり方や脳死判定にまつわる手順のミスなど議論を醸し出した時期もあり、大きな注目を集めました。6月下旬の4例目の移植から約2カ月半の間脳死移植は行われておりませんが、一方では臓器提供意思表示カード(写真)の普及は進んでおり、臓器移植ネットワークによる発表では配布枚数は8月末で既に5,000万枚に達しており、7月にはカードを持って亡くなった人がこれまでの最多12人に上りました。この方たちの臓器が移植に生かされなかったのは、心停止後の連絡だったり、臓器提供できる病院ではなかったためであります。このような実態を見ると、明らかに脳死移植は根づきつつあるように思います。実は私も本年2月の国内初の脳死移植をきっかけに臓器提供カードを所持するようになりました。妻とも話し合い、署名もしてもらっております。
  このような状況の中、本市においては臓器提供病院がないのが、私にとっても大変残念なことであります。そこで、「命の贈り物」と呼ばれる新しい医療を我が国に根づかせ、同時に藤沢市民の信頼に足る体制を築く上においても、自治体病院である市民病院がその責任を果たしゆくべきだと考えるものであります。これまで4例あった脳死移植の中では、3例目となった宮城県古川市立病院が唯一の自治体病院ですが、神奈川県内でも近隣市の平塚市民病院が臓器提供病院となっております。  
  本市においても市民病院が臓器提供病院になることが望まれていると思いますが、そこでまず1点目としてお聞きしたいのは、臓器提供病院として認定されるためにはどのような資格及び基準が必要で、市民病院としてはどのように取り組んできてこられているのかについてお伺いをいたします。  
  2点目としましては、先ほども紹介したように7月だけで臓器提供カードを持っていながら亡くなった方が12人もおられたわけですが、今日まで市民病院もしくは市内で同一のケースはなかったのでしょうか。また、今後市民病院で臓器提供カードの提示があった場合は、具体的にどのような対応をされていくのかについてお伺いをいたします。

【市の答え】まず1点目の臓器提供施設の基準についてですが、臓器が提供できる施設は臓器移植法の運用方針で四つの条件が挙げられております。その1は、大学の付属病院であること。2は、日本救急医学会の指導医指定施設であること。3番目が、日本脳神経外科学会の専門訓練施設で、これはA項からC項まで施設に、言ってみればランクがあるわけなのですけれども、それは診療内容によってランクがつけられておりますけれども、そのA項に適用する施設であること。4番目としまして、救命救急センターであること。この四つの条件の一つをクリアしていれば、一応臓器移植が提供ができるという施設に認定されるということになっておりまして、当然のことながらこの四つを全部備えたそういう施設もあるわけであります。当初この法律がスタートした時点では、全国で96の病院が限定されていたわけでありますが、ことしの4月には353の病院に拡大されました。その後も大学病院の分院など、体制が整えば提供可能というふうなことになっております。また三つ目の条件でありますけれども、日本脳神経外科学会の専門医訓練施設のうちA項が適用される施設としましては、1として常勤の専門医が二人以上いること。2、脳神経外科手術症例が年間100件を超えること。3番目としまして、脳神経外科の残念ながら不幸の場合の剖検率、いわゆる病理解剖が30%以上行われるということ。こういったことが条件となっているわけです。  お尋ねの藤沢市民病院でありますけれども、この脳神経外科の関係ではA項を満たしておりまして、私たちの病院も臓器提供施設として名乗りを上げたいということで手続を進めておりましたところ、ことしの8月30日付で厚生省より脳神経外科学会の専門医訓練施設のA項が適用されているという、そういう施設であるということを条件に病院として体制が整った段階で厚生省の方では臓器提供施設として公表していきたいという、そういう通知をいただいております。今後早急に臓器提供体制の整備に取りかかっていきたいと思っておりますけれども、必要な体制を確保するまでにはもうしばらく時間が必要であると考えております。  
  続きまして、第2点目のドナーカードに関係のある御質問でございますが、これまでのところ、ドナーカードをお持ちの方で病院に声をかけられたという、そういう症例はございません。藤沢の市内でもそういうふうなケースがあったということは私はちょっと聞いておりませんけれども、8月30日をもちまして私たちの病院が臓器提供施設として位置づけられてはおりますけれども、今のところ諸条件がまだ満たしておりませんので、これはいろいろ施設の問題などもございますので、そういったことにしばらく時間が必要かと思っております。現在の段階ではドナーカードを持った方がいつ私たちの病院で声をかけられるかもわかりませんので、そういう状態に対しましては、これは全国的に行われているところなのですけれども、日本臓器移植ネットワークというものがございまして、こちらへ私たちの病院から直接連絡をして向こうの指示を仰ぐということになっております。
【再質問】
実際にこれから臓器提供病院としての体制を整えていくことになったことは、ドナーカードをお持ちの方を初め多くの市民より期待をされていくことになると思います。
  そこでお聞きしたいのですが、先ほどの御答弁では必要な体制を確保するまでにはもう少し時間が必要であるとのことでしたが、具体的にはどういった流れで立ち上げていく予定になるのか、お聞かせいただきたいと思います。また、これまで幾度も話題となっている救命救急センターとの関連性についても、どのようなお考えなのかについてお尋ねをしたいと思います。

【市の答え】具体的にはどのような流れで私たちの病院を仕上げていくかということでありますけれども、現在ドナーカードをお持ちの方の御希望を一日でも早く実現できますように体制を整えていきたいと考えておりますが、御指摘のありましたように、4例脳死移植が行われたわけでありますけれども、ごく最近愛知で5例目の脳死判定が行われる際にも、若干厚生省のマニュアルに不適切な点がありましてそれが中止になったという経緯もありまして、現在のところ厚生省としましてはもう少し的確なマニュアルにまとめたいということで現在作成中だと聞いておりますし、これは昨日でしたでしょうか、朝日新聞の夕刊それからテレビなどの報道機関でも報道されておりましたけれども、大体このマニュアルが整ってきたので10月の上旬に臓器提供手続に関する関係者会議というのが、厚生省の中の保健医務局で開かれることになっておりまして、私たちの病院もそれに出席するようにという知らせをいただいております。こういったことで、まず厚生省のはっきりしたマニュアルが整わないと、やはり末端では以前にありました4例の中にも若干足並みが整ってなくて相当報道機関で病院としては大変つらい思いをしたという経緯もありますので、私どものところも決定したマニュアルに従っていろいろ準備をしたいと考えております。  
  院内におきましては、倫理委員会を既に設置する体制が整っておりますし、そういうわけでありまして、この中で脳死判定のマニュアルが厚生省から示されたものをもとに、私どもの病院でもはっきりしたものをつくっていきたいというふうに考えております。実際には臓器提供者が出現した場合の連絡体制だとか、そういったものもいろいろと複雑なところがありますので、これも十分な体制を整えなければいけないと思っておりますし、施設設備の面でもぜひとも必要なものがございます。これがないとちょっと脳死判定ができないというところもございますので、こういった内容に関しましては来年度に計上できるように対応を進めていきたい。これは予算の関係がございますので、そういうふうなことで考えております。  
  こういった内容でございますが、御指摘にありましたように、こういった内容を円滑に推進するためには救命救急センターの存在が極めて大きな役割を持つということになりますので、6月の議会でも話題になっておりましたが、救命救急センターが実現できるよう関係機関との調整を図りながら具体的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。


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