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平成16年9月定例会〈一般質問〉
  「メンタルフレンド」について

【質問】 文科省の学校基本調査速報によると、2003年度の不登校は前年度より約5千人減り、神奈川県でも約280人減って、2年連続で減少したと伝えており、文科省ではスクールカウンセラーの配置や適応指導教室の整備などの取り組みが成果を上げていると分析をしているようでありますが、依然として学校に馴染めない子どもたちは大変に多く、本市では2002年度、調査開始以来はじめて400名を超え、2003年度の実態調査でも過去最多の428名と数字的実態としては依然として憂慮すべき状況が続いております。

〈藤沢市小中学校のいじめ・不登校の現状(過去5年間)〉
 
平成11年
平成12年
平成13年
平成14年
平成15年
いじめ
小学校
6件
2件
8件
1件
2件
中学校
43件
60件
61件
46件
61件
不登校
小学校
53人
60人
71人
77人
71人
中学校
289人
278人
310人
324人
357人
小中合計
342人
338人
381人
401人
428人

 このような実態は、不登校の要因や背景の特定が難しいこと、また、適切な対応が不充分であったことなど、何も本市に限って特筆される問題ではないと言えますが、文部科学省の「不登校問題に関する調査協力者会議」からの報告では、不登校解決の目標を、本人の「将来の社会的自立」と位置づけ、目先の学校復帰にこだわるのではなく、個々の子供たちの人生にとって今、何が必要なのかをまず見据える事として、登校するか否かを単純に論じるのではなく、どう関わることがトータルとして本人の利益になるのかという発想に立ち、不登校自体が「問題行動」ではないと指摘しております。  
 また、不登校を「心の問題」のみならず「進路の問題」として位置づけ中学校卒業後の課題として中学校で不登校であった生徒のその後の支援についても考える必要があること、さらに「ひきこもり」について、不登校から必ず「ひきこもり」状態になると誤解してはならないとしながらも、不登校の深刻化から、その後長期間にわたる「ひきこもり」につながるケースもあり、「ひきこもり」を防止する観点からも、不登校への適切な対応が重要であるとしております。
 そこで、不登校児童・生徒への支援策については、毎年、一般質問や予算・決算等で取り上げ、特に不登校児童・生徒の多くが家庭に居てなかなか周囲との接点がもてないことから、これまで数回にわたり、家庭に出かけていくカウンセラーや大学生など若者によるボランティアとしてメンタルフレンドについてお考えをお聞きしてきましたが、ここで改めてメンタルフレンドの必要性について触れておきたいと思います。  
 まず、このメンタルフレンドとは、いろいろな理由で学校へいけなくなった子どもの家庭に訪問し、遊びやスポーツの相手になったり、悩みの相談にのったりと、ありのままの姿で子どもとふれあうことにより子どもの生活空間を拡大し、気持ちの安定と自己回復力を引き出すように働きかけるもので、あくまで再登校につなげることが援助の目標とは考えない取り組みであります。  
 また、子どもたちが気軽に接する事が出来るよう、子どものお姉さんやお兄さんにあたる年齢で児童福祉に理解と情熱のある大学生や若者が、思春期の心理・問題行動、訪問の仕方や援助技術等、一定の研修を受け訪問をするものです。  
 そこで、このような取り組みは、元来、児童相談所が所管しているようでありますが、札幌市や仙台市などの大都市を始め、教育委員会として取り組む自治体が全国でも増えてきており、特に、九州地方では、熊本市や長崎市など多くの自治体で導入され、中でも昨年9月から実施している大分市では、29人の大学生がメンタルフレンドとして登録されており、今年度対象の児童・生徒は小学校3年から中学校3年までの11人(男子4人、女子7人)で、約2時間程度の訪問時間のなかで、子どものペースに合わせて、話し相手やテレビゲームの遊び相手となり、菓子作りやスポーツなどを楽しむのが主な活動内容ですが、時には、一緒に勉強することもあるなど、保護者からの反響は大変に大きく、同市が実施したアンケートに対して「子どもの表情に明るさが戻った」「相談員と一緒に外出し、買い物にも行けるようになった」「子どもの緊張がほぐれ、他人とかかわれるようになった」などの喜びの声が数多く寄せられているようであります。  
 このように子どもたちは、学校が嫌いであったり、また、孤独が好きなのでもなく、本当は、心の悩みを分かってくれて、共に感じてくれる誰かを求めていると言えます。
 そこで、本市では市内に4校、市境に1校と5校の大学が点在しており、大学生の協力を得やすい環境に有ることから、今年の予算委員会でお聞きした際には、今後、導入に向けて前向きに検討していきたいというご答弁がありましたので、ここではメンタルフレンドの導入について、今後どのように取り組んでいこうとお考えなのか、具体的方針をお聞かせいただきたいと思います。

【教育委員会の答え】現在、引きこもり等の児童生徒の家庭訪問相談につきましては、スクーリング・サポート・ネットワーク事業におけるSSN指導員や相談指導教室のケースワーカー、さらに、いじめなんでも相談ふじさわの訪問相談員により対応しており、こうした相談員が、継続的に家庭訪問を行っている児童生徒も少なくありません。  
 しかし、保護者や本人の意向などもあり、どの相談機関ともつながらない引きこもりがちの不登校児童生徒もおり、なかなか相談につながりにくいという現状もあります。 大学生によるボランティアにつきましては、様々検討をしているところでございますが、思春期の中、特に不安定な状態の児童生徒と接することが多いことから、慎重に考えてまいりたいと思っております。  
 まず、この秋から相談指導教室へのボランティア導入を考えております。相談指導教室に通室する児童生徒の生活や学習等を支援し、話し相手や気軽に相談できる存在として、年代の近い大学生とふれあうことで、児童生徒の心を開き、社会性の向上を図ることをめざし、調整をしているところです。  

【再質問】大学生によるボランティアについて、相談指導教室に通室する児童生徒の生活や学習等を支援し、話し相手や気軽に相談できる存在として、年代の近い大学生と触れあえるよう、まず、この秋から相談指導教室へのボランティア導入を考えているというご答弁でありましたが、導入にあたって、具体的には市内の大学生や若者等にどのように働きかけをしていくのか、また、専門的知識の研修などどのようにお考えなのか、そして、該当するご家庭にはどのように周知していくお考えなのか、お聞かせを頂きたいと思います。  
 それから、メンタルフレンドを初め、不登校支援策を効果的に実施するためには幾つか課題があろうかと思います。そこで、不登校の実態を見ますと、小学校から中学校にあがると激増するのが大きな特徴であると思います。本市でも一昨年の平成14年度に小学校6年生で不登校は32名であったのに対し、中学1年生になった平成15年度には83名に増えておりますが、この小学校から中学校へ上がる際の不登校児童への対応について、どのようにお考えなのかお聞かせ頂きたいと思います。
【教育委員会の答え】まず1点目の市内の大学生への働きかけについてですが、当面、相談指導教室に通室する児童生徒の諸活動をともにする中で、一人ひとりにあわせた接し方や援助等を研究していくことになると考えます。こうした実践を通して、大学生ボランティアの今後の可能性を探ってまいりたいと考えます。したがいまして、大学生への働きかけにつきましては、その成果や課題を踏まえてからということになります。  
 また、研修につきましては、相談指導教室での試行を踏まえ、「不登校児童生徒の実態、相談指導教室の実態や役割、子どもへの接し方、ボランティアとしての役割」等の内容を考えております。  
 最後に、家庭への周知についてでありますが、試行であり、対象が通室している児童生徒であることから、月1回発行しております「相談指導教室たより」で周知してまいります。
 次に2点目、中学1年時で不登校生徒が増える点についてですが、このことについては、昨年8月、国立教育政策研究所から出された「中1不登校生徒調査(中間報告)」でも指摘されております。  
 本市におきましても、平成14年度6年生の不登校が32名であるのに対して、その学年の今年度中学1年生の不登校が83名で、およそ2.5倍になっています。  
 こうした状況の背景には、中学校という新たな環境や学校生活への適応の問題、いくつかの小学校から生徒が集まることなどの交友関係の問題、学習への不安など、様々な要素が考えられ、中間報告でも、不安を中心にした情緒的混乱や無気力などが、不登校の継続しているおもな理由と分析しており、私どももそのように認識しております。
 対応としては、小・中学校間での新入生に関する緻密な情報交換や入学当初の学級づくり、対人関係への配慮、学習面でのきめ細かな指導、欠席に対しての早期対応など様々な場面での対応が必要と考えます。 また、家庭との連携を強化し、課題を共有していくとともに、協力して解決に向け努力することが、大切なことであると考えます。
【要望】不登校支援の「メンタルフレンド」についてでありますが、相談指導教室での試行を通し、大学生ボランティアの今後の可能性を探っていきたいとのことでありますが、本市における不登校の現状から考えますと、一日も早い導入が望まれていると思いますので、精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、今後ボランティアを募集する際には、自らが過去に不登校の経験を持ちながら、現在は活き活きとした人生を送る不登校経験者からも協力が得られるよう、働きかけをしていただきたいと思います。

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