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平成16年6月定例会〈一般質問〉
  「省エネルギー対策・ESCO事業の導入」について

【質問】 「省エネルギー対策について」要旨「 ESCO事業の導入について」お伺いを致します。   
 地球温暖化をはじめとする環境問題が全人類の共通課題となる中、我が国にはCO2など温室効果ガスについて排出量削減の具体的な成果が求められており、京都議定書で世界に表明したCO2削減目標を達成するためには、行政、民間のあらゆる事業者がこれまで以上に本格的な省エネに取り組んでいかなくてはなりません。
 しかし、省エネのための設備改善には、省エネ効果の予測や初期投資の資金調達など多くの課題があり、実際に省エネ推進の障害となっておりますが、2002年5月に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」いわゆる省エネ法が改正され、エネルギー需要の増加傾向が著しい民生用業務部門(オフィスビル、大規模小売店舗、ホテル、病院、官公庁等)に対し、大規模工場に準ずるエネルギー管理の仕組みが導入されることになり、省エネ対策の強化を図ることになりました。  
 この中で、民生・公共業務部門では、年数を経た建築物のエネルギー管理の遅れが指摘され、このことが効率の悪いエネルギー消費の原因となっております。このような民生・公共業務部門においては、エネルギー管理に豊富な経験を有する産業界とは異なり、エネルギー管理に対する資源となる人的資源、設備、ノウハウ、情報、資金等が不足しています。そこで、これを補完することができる取り組みとして近年注目されているのがEnergy Service Company いわゆるESCO事業であります。この通称ESCO(エスコ)事業は、省エネルギー診断から設計・施工・管理・検証まで包括的なサービスを提供し、省エネルギー効果までを保証する新しい形態のビジネスであります。  
 そこで、このESCO事業の導入は、産業界において平成11年頃から年々増加していますが、地方公共団体等の施設に対しては普及が遅れている状況にあります。しかし、省エネルギーは、温室効果ガスを発生させる燃料そのものの使用削減につながる有効な手段であり、さらに省エネルギーを達成するということは、施設の運営費を削減することになり、地方公共団体の財政負担を軽減するというメリットがあります。 
 こうした中、国においては、平成12年度より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて、「地域省エネルギー普及促進対策事業」を実施する中で、地方公共団体が行うESCO事業に補助金を交付しており、自治体としては、1998年に導入した三重県と東京・三鷹市の庁舎を皮切りに県内でも小田原市が2002年から導入するなど、ESCO事業への期待が高まってきております。  
 そこで、ESCO事業導入によるメリットとして注目されるのは、省エネルギー改修工事による光熱水費の削減分で、全ての投資を賄う事業となっている点であります。  ESCO事業者は、省エネルギー診断、設計・施工、運転・維持管理、資金調達等の工事に係る全てのサービスを提供すると共に、省エネルギーの保証、つまり自治体の利益保証を含むパフォーマンス的契約形態をとることにより、自治体の利益の最大化を図ることができるという特徴であります。  
 具体的には、新たな財政負担を必要としない省エネルギー促進策として、省エネルギー改修に係る全ての経費(建設費、金利、ESCO事業者の経費等)を省エネルギー改修で実現する経費削減分で賄うことを基本としていて、この中には一部自治体の利益も含まれ、省エネルギー改修工事により自治体が損失を被ることはないよう、事業採算性が重視されており、さらに、契約期間終了後の光熱水費の削減分は全て自治体の利益になるなど、ESCO事業は光熱水費を始め、場合によってはエネルギー維持管理費の削減分で全ての改修経費を賄うことから、新たな財政支出を必要としておりません。  
 また、光熱水費と事業費は費目が異なることから現状では個別に予算要求をする必要がありますが、全体としては財政負担を軽減することになります。さらにESCO事業者による資金調達を活用する場合は、事業開始初年度から、従来の光熱水費支出以上の経費負担が発生することもなく、同時に、省エネルギーを推進し、温室効果ガス排出削減を実現することができるわけであります。  
 更に、省エネルギー効果の保証については、事業導入による省エネルギー効果をESCO事業者が保証することで、自治体の利益を保証しており、万が一、省エネルギー効果が発揮できず、自治体が損失を被るような場合には、これをESCO事業者が補填することになっており、このような出来高契約は、一般的にパフォーマンス契約と呼ばれ、ESCO事業の中でも非常に重要な要素となっております。
 このように自治体の利益保証を行うことにより、計画・設計段階から施工、運転・維持管理に至る全ての行程に対してESCO事業者が責任を持って当たることで、省エネルギー効果の最大化を図るインセンティブとなっている訳であります。  
 また、ESCO事業者は、省エネルギー診断に基づく改修計画を立案した後、施工、運転・維持管理に関しても一括して責任を持ち、これは自治体の利益保証を行う際に欠くことのできない条件となっていますが、さらに、資金調達や、事業収支計算等、財務面の計画も行うなど、包括的サービスの提供が保証される事業であります。  
 因みに小田原市では、市庁舎を対象にESCO事業を導入し、高効率照明器具への更新や、ビルマネジメントシステム(BEMS)の導入による改修により、電気・ガスの使用量を約25%削減できる見通しを明らかにしております。(小田原市の事例紹介)
 そこで、本市におけるエネルギー消費削減については、藤沢市環境保全率先実行計画を策定し、ISO14001により実効性を高め取り組んでいますが、具体的な効果としては、平成14年度実態調査結果でも明らかなように、用紙類の使用量、購入量の削減、水使用量の削減、廃棄物の減量化などで数値目標を達成し、一定の効果は見られますが、電気使用量では、目標を達成しておりません。また、老朽化した施設の建て替えが難しい中で、スポーツ施設の開館日の拡大や新規施設の増加、OA機器の増加等の要因に伴い、早急に対応策を講ずる必要があると思いますが、大きな効果が期待できるESCO事業の導入について、どのようにお考えなのかお聞かせをいただきたいと思います。。

【環境部長の答え】省エネルギー対策についてお答えします。本市においては、藤沢市環境保全率先実行計画を策定し、この中でエネルギー消費削減について取り組んでいます。  
 ご指摘のように、昨年の実態調査で電気使用量について、積極的な節電に取り組みましたが、削減目標を達成することは出来ませんでした。この点では、ESCO事業を導入し、エネルギー消費削減を図ることは、有効な方法であると考えています。
 また、昨年度、策定しました新エネルギービジョンの中でも、公共施設にESCO事業を導入することが有効手段であるとして、事業導入について考慮することとしています。  
 これらのことからも、本市で該当しそうな施設に対しては、施設の規模、設備形態、経過年数などを考慮しながら、ESCO診断を受けて行きたいと考えています。  
 その結果、ESCO事業として取り入れらそうなものについては、積極的に導入を進めたいと思います。市役所本庁舎についても、今月下旬にESCO事業導入の可能性について、ESCO事業者に予備診断を依頼しているところです。  
 本市としては、環境保全率先実行計画のさらなる取組の強化を図るためにも、エネルギー使用量の多い施設については、積極的に省エネ策を取り入れるとともに、ESCO事業導入の検討をしていきたいと考えています。  

【再質問】ESCO事業についてでありますが、ご答弁では、公共施設にESCO事業を導入することは有効手段であり、本市で該当しそうな施設に対して、ESCO診断を受けていきたいというご答弁でしたが、ESCO事業の導入が有効である対象施設としては、事業の性格上、一定規模の施設面積と経過年数が関係をしてきます。
 そこで、先程のご答弁では、まず、市役所本庁舎への省エネルギー診断を受けていきたいと言うことでしたが、この他にも、ESCO事業の導入が有効であると考えられる施設が有ると思いますので、現時点で想定されている施設について、お聞かせを頂きたいと思います。  
 また、ご答弁では、診断の結果、ESCO事業として取り入れられそうなものについては、積極的に導入を進めたいという大変前向きなお考えを示された訳ですが、これは環境部としてのお考えであると思います。  
 しかし、ESCO事業の導入にあたっては、施設管理者としての財政部門のお考えや、公共建築物の改築に当たっては計画建築部のお考え、また、自治体経営の観点から企画部などが理解を示さないと事業導入に結びつかないと思いますが、その点、充分に意思統一はされているのかお聞かせを頂きたいと思います。。
【環境部長の答え】第一点目のESCO事業の導入が、有効であると考えられる施設についてですが、省エネルギーという観点からもエネルギー使用の多い、規模的に大きい該当施設を絞り込み、実際にどのような設備更新が可能か、投資効果を含めてエネルギーを診断していきたいと考えています。  
 具体的には、市民病院、体育館、市民会館、下水浄化センターなどが考えられます。  
 次に、部門の意思統一が充分にされているかについてですが、ESCO事業については、庁内における環境政策推進会議を通じて行ってきましたが、今後、事業推進にあたっては、部門ごとに充分な調査を実施して、その結果、必要があれば、政策会議等に図り、事業を進めていきたいと考えています。
【要望】ESCO事業についてでありますが、事業導入にあたっては、各部門の意思統一、つまり、ESCO事業導入の意義をどれだけ共通理解しているかが問われてくる事になりますが、ただ今のご答弁では、今後の事業推進にあたっては、部門ごとに充分な調査をした上で、必要に応じ政策会議等に図り事業を進めていきたいという事で、もう一つ位置づけがはっきりしていないように思います。  
 先程も申し上げたとおり、この事業は温室効果ガスを発生させる燃料そのものの使用削減により、省エネルギーを達成すると共に、施設の運営費を削減し財政的負担を軽減するもので、まさに行財政改革そのものであると思います。  
 当然、今後の診断結果を見てみないとどれくらいの効果が見込まれるか分かりませんが、今後の事業推進にあたっては、その効果を最大限に発揮させるためにも、新たな行革課題として位置づけて事業を推進していくべきだと思いますので、この点についても、是非、前向きにご検討をいただきたいと思います。


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