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平成15年12月定例会〈一般質問〉
  「公共交通ネットワークの拡充」について

【質問】「ふじさわ総合計画2020」では、「生涯都市にふさわしい公共交通ネットワーク」をまちづくりの目標に掲げ、公共交通不便地域の解消と自家用自動車に頼らずに移動できる均衡のとれた公共交通網を整備し、公共交通が分担する割合を高めて、都市環境の向上と市民生活の利便性の向上を図ることとしております。
 そこで、地域、事業者、市による地域提案型のコミュニティバス、或いは、公共交通不便地域解消のためバス交通網の充実・促進については、道路や駅前広場など走行環境の整備は行政が担い運行はバス事業者が行うという役割分担のもと、地域住民とバス事業者、行政の話し合いによる地域提案型のバス路線設置を本市の基本方針として、これまでも藤が岡線を皮切りに7系統が既に開設され、今年には六会日大前駅西口を起点とする天神町方面への新しい路線を開設するなど、関係者のご努力には大いに評価されるものだと思います。
 しかしながら、公共交通機関であるバスの利用者は、自家用自動車の普及や交通渋滞など走行環境の悪化により恒常的に減少しており、また、乗り合いバスに関する規制緩和策による路線の再編など大きな変化が生じており、特に本市では、鉄道系で結ばれていない公共交通不便地域である西北部地域と他の都市拠点とのアクセス問題は依然として解決されておりません。
 また、平成11年に鉄道3線が結節した湘南台駅では、乗降客の増加により、特に慶應大学方面への朝の通学時間帯においてはバスに乗り切れない人が広場に溢れている状況だと聞いております。そして、道路交通でも湘南台駅周辺の交通混雑が悪化しており、特に北部工業団地を中心としてマイカー通勤の依存度が高いことが交通混雑の一因となっているようであります。
 また、西北部地域の現状としては、バス交通網の密度が極めて低い、いわゆる公共交通空白地域となっており、移動する際の手段としてマイカーに依存するしかないというのが現状ではないかと思います。
 そこで何点かお尋ねを致しますが、直面する交通課題である湘南台駅からの公共交通システムについて今後どのように整備していくお考えなのか、また、道路問題として湘南台駅周辺および幹線道路の交通混雑の緩和とマイカー需要の抑制についてどのようにお考えなのか、更に、西北部地域の公共交通アクセスについては、地域住民へのアンケート調査をされているとお聞きしておりますので、アンケート調査の目的と内容について、そして、調査結果を今後どのように活かしていこうとお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。
 また、公共交通不便地域の解消のためバス交通網の充実・促進については、行政が主体となってバスを購入し運行・管理をするコミュニティバスシステムの導入、或いは、愛知県豊田市で運行している「ふれあいバス」のように地域住民でバスを貸し切る会員制方式により、地域住民自らがサービスの改善に必要な調査、バス停周辺の維持・管理などを行い、住民、事業者、市との3者で運行協定を結ぶシステム。更には、乗り合いタクシーによる公共交通の確保など、全国各地で様々な取り組みが始まっておりますが、本市総合計画で「生涯都市にふさわしい公共交通ネットワーク」と掲げている以上、一日も早く本市の方向性を示し、更なるバス交通網の充実を図る必要があると思いますが、今後どのように推進していくお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。

計画建築部長の答え】公共交通ネットワークの拡充についてお答えいたします。
 まず直面する交通課題を踏まえた湘南台駅からの東西軸を中心とした公共交通システムについてでございますが、湘南台駅への鉄道2線の乗入れにより、交通結節点機能が高まり、駅端末交通手段としてのバス利用者は 年々増加し、湘南台駅ではバスに乗りきれないなどバス待ち滞留の問題や広場の許容量を超えている状況がございます。
 また北部工業団地を中心としたマイカー利用の増加は高倉遠藤線等のピーク時における交通渋滞のひとつの要因であると捉えております。  市といたしましては、このような直面する交通課題を踏まえ、
@湘南台駅と西北部方面を結ぶ東西軸沿線の交通需要に 対する交通システムの構築
A湘南台駅西口広場におけるピーク時の降車・乗車環境 の向上
Bピーク時の通勤・通学の輸送力確保と交通環境整備に よるマイカーから公共交通への転換とピーク時の高倉 遠藤線を中心とする交通渋滞の緩和 の観点に立って、定時・速達性と中量輸送を同時に解決するための新たな公共交通システムの調査検討を行っているところでございます。
 長期的な構想として位置付けております相鉄いずみ野線の新幹線新駅への延伸は現在の社会経済状況下においては大変困難であることから、中短期的な時間軸の中で、定時・速達性の向上及び輸送力増強の観点から公共交通の機能強化を図るため、高倉遠藤線などの幹線道路や既に導入されているPTPS(公共車両優先システム)の活用と輸送力の大きな『連節バス』を視野に入れた公共交通システムの再構築により、直面する課題に対応していきたいと考えております。なお現在検討の途中であり、様々な解決すべき課題があることについてもご理解願いたいと思います。
 次に西北部地域のアンケート調査結果についてでございますが、アンケート調査は「公共交通不便地域」の実態を把握することを目的に、主要な交通手段、利用する最寄り駅、バスを利用しない理由などや仮に公共交通ネットワークが構築された時のバス利用への転換などについてのニーズを把握するために行ったものです。調査は獺郷、宮原を含めた6つの自治会約6,600人を対象に平成15年4月に実施し、約40%の方から回答をいただきました。アンケート調査結果の概要としては「よく利用する最寄り駅」の問に対しては「湘南台駅」と答えた方は52%、ついで「長後駅」が23%、「主な外出の交通手段」の問に対して「自動車利用」が58%、「バス利用」が27%、「バスを利用しない一番の理由」の問に対しては「本数の少なさ」が37%、「停留所が近くにない」が24%、ついで「バスではいけない」が15%などバス交通の不便さが大きな要因にあげられております。また「問題が解決されたならばバスを利用しますか」の問に対して「是非利用したい」が41%、「できれば利用したい」が41%とバス利用に対する潜在需要が高いことが明らかになりました。
 このような結果を踏まえ、バス交通不便地域の課題を解消していくために、今後、地元住民、バス事業者、市などの構成による検討の場を設けていきたいと考えております。この組織を通じて利用者動向の詳細な把握やバス運行サービスのあり方、バスをいかにして生活交通を支える基盤として活用、利用していくかなどの検討を行い、公共交通不便地域におけるバス交通のあるべき方向性を見いだして行きたいと考えております。
 最後に、公共交通不便地域の解消のための、バス交通ネットワークの充実についてでございますが、ご指摘のコミュニティバスは、既存のバスサービスだけではカバーしきれない地域ニーズに対応する乗合バスシステムと位置付けることが出来ます。
 現在、全国の自治体等を中心に行われているコミュニティバス施策としては、「運行委託型」、「自治体直営型」、「市民主体型」、「コミュニティバス支援型」の4つのタイプに整理することが出来ます。 本市はバス事業者が運行実施主体となって、行政が走行環境の整備やバス購入費の補助等を支援する「コミュニティバス支援型」を施策の基本としております。
 このような施策のそれぞれの違いは、地域社会の現状、コミュニティの熟度や地域経済等の動向によって、その地域に可能なシステムを選定したものと考察されます。
 本市としては、地域のバス需要喚起が、総体的なバス経営の効率化につながり、コミュニティバスの永続性につながっていくことの観点に立って、従来より、走行環境の整備やバス購入費補助、地域の生活を支えるコミュニティバスの利用促進を図っていくために、市民、事業者、行政が一体となったコミュニティバス施策を推進してきたところです。
 このような施策に基づき、現在までに8路線が開設し、地域に根付いて来ております。
 今後は西北部地域の検討会を通じて、住民とバス事業者、行政の連携のもとに、需要の低い地域におけるバス交通提供の可能性を追求しながら、先行事例や運行、経営上の検証を併せて行い、「コミュニティバス支援型」システムの充実を図って行きたいと考えております。

【再質問】まず、湘南台駅からの公共交通システムについてですが、定時・速達性の向上及び輸送力増強の観点から『連節バス』を導入した新しい公共交通システムの再構築を検討されているとのことでしたが、この『連節バス』というものは、私は実際に見たことはないのですが、これはどのようなスケールで、当然ノンステップ構造を想定しているのか、また、実際にピーク時における通勤・通学の輸送力向上にどれくらいの効果が見込まれるのか、そして、連節バスを導入することで、湘南台駅西口広場の交通混雑の緩和が図られることになるのか、もう少し具体的にお聞かせ頂きたいと思います。
 また、西北部地域で実施したアンケート調査を踏まえた今後の対応としては、地元住民、バス事業者、市などの構成による検討の場を設け、西北部地域におけるバス交通のあるべき方向性を見いだしていきたいとのことでしたが、アンケート調査の結果からもバス利用に対する潜在需要が高いことも明らかになっていますので、出来るだけ早い段階で答えを出して頂きたいと思いますが、この検討作業にどれくらいの時間をかけ、いつ頃までに一つの方向性を見いだしていこうとお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。
 最後に公共交通不便地域解消に向けたバス交通網の充実についてでありますが、今後の方向性としては、これまでも推進してきた「コミュニティバス支援型」システムを必要に応じ改善し、充実を図っていきたいと言うことでしたが、運行事業者であるバス事業者とは今後も粘り強く協議を進める事になると思いますが、タクシー事業者やNPO法人など事業主体を幅広く捉えていくことも必要だと思います。
 また、先ほども紹介した豊田市では、過去に自治体直営型のバスを運行していましたが、利用者が少なく結局廃止した経緯から、市の基本姿勢として「空気を乗せて走るバス」には支援をしないとして、「地域が主体となって事前に利用者を確保すること」を支援の条件にしています。このように、地域住民が自ら取り組むシステムを提示していくことも本市の財政状況からすれば、選択肢の一つとして考えられると思いますので、是非この点も検討しながらシステムの改善を図っていただきたいと思います。これは要望としておきます。

計画建築部長の答え】1点目の『連節バス』の特長になどについてでございますが、『連節バス』は通常の大型バスと比較して2倍を越える乗車定員で輸送力があり、バスの長さとしては大型バスと比較して6m長い18mを有し、2両連結の構造となっております。海外ではごく普通に見られますが、日本では千葉市の幕張新都心と旭川で導入されております。またユニバーサルデザインの視点にたって低床式のノンステップ構造を視野に入れて検討を進めたいと考えております。
 2点目の西口広場での交通混雑緩和の予測についてでございますが、検討した結果2台分を越える乗客を1台の車両で輸送が可能となることから西口広場での待機車両が削減され、乗車・降車の円滑化が図られること及びピーク時の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス方面へのバス待ち滞留者が大幅に減少することが予測されます。
 3点目の西北部地域のコミュニティバスに関する具体的な検討スケジュールについてでございますが、早ければ年度内に住民とバス事業者、行政による協議の場を発足させ、平成17年度末を目標にバスの経路、停留所の位置、停留所までのアクセス、運行間隔などの検証を通じて、バス交通不便地域におけるバスの利用形態や地域交通としての位置づけについて地域住民と検討会で共に議論していきたいと考えております。また次のステップとして、地域住民の方々へのバス利用促進と需要喚起を促していくための啓発活動手法なども検討し、実現を図ってまいりたいと考えております。
【要望】新たな公共交通ネットワークとして、連節バスの件については、全国でもあまり例のない先進的な取り組みのようですが、走行環境の整備が保証できればかなりの効果が見込まれるようですので、これからまだまだ調整が必要な面もあると思いますが、実現に向けてご努力頂きたいと思います。
 また、湘南台駅西口周辺の交通混雑緩和という点では、特に高倉遠藤線を中心とした北部工業団地地域の交通渋滞が依然として課題であると思いますが、交通需要マネジメントとしてこれまでも取り組んできたTDM協議会の調査結果を基に、公共交通ネットワークづくりへの研究成果を一日も早く示し、北部地域の交通混雑緩和に向けてご努力をお願いしたいと思います。


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