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平成15年12月定例会〈一般質問〉
  「ユニバーサルデザインのまちづくり」について

【質問】戦後の高度経済成長時などにおける、若くて行動に制約のない大人を基準としてきたわが国のものづくり、まちづくりを反省し、最近各分野において、ユニバーサルデザインの視点から設計や基準の見直しが活発になり、近年では、多くの自治体でユニバーサルデザインをまちづくりの理念として導入する機運が広まってきております。
 このユニバーサルデザインとは、1990年にノースカロライナ州立大学にユニバァーサルデザインセンターを設立したロン・メイス教授によって提唱された概念で、すべての人を区別せず、老人から子どもに至るまでできるだけ多くの人々にとって利用可能なデザインの実現を目指し、ユニバーサルデザイン導入のガイドラインとして以下のような7つの原則が提唱されました。
@誰にでも公平に使用できること。
A使ううえで自由度が高いこと。
B簡単で直感的にわかる使用方法となっていること。
C必要な情報がすぐ理解できること。
Dうっかりエラーや危険につながらないデザイン、まちがっても大きな損害につながらないこと。
E無理な姿勢や強い力がいらず、楽に使用できること。
F接近しても使えるような寸法、空間となっていること。等となっています。
 そこで、この考え方はよくバリアフリーとの違いが議論されますが、バリアフリーは「障害を持つ人が社会参加をする上でのバリアを取り去る」と言った「障害を持つ人」を対象にするものであり、一方ユニバーサルデザインは「すべての人にとって使いやすい、参画しやすい環境などの整備」という考え方で、「すべての人」を対象とするところに特徴があります。
 もちろん、バリアフリーもユニバーサルデザインも目標とするところは似ていますが、自治体にとっては、従来担当する部門が限定されていた感のあるバリアフリー施策を、ユニバーサルデザインと捉えなおすことで全庁的な取り組みにする契機となり、よく言われる縦割りの行政に横串を通すことにより、総合行政の向上に向けた行政改革として捉え、新たなまちづくりの理念として推進していく必要があると思います。
 そこで、本市においては、総合計画の中で、「だれにも優しいまちづくりの推進」として、「公共建築物ユニバーサルデザインマニュアル策定事業」が位置づけられていることから、先に行われた平成14年度決算委員会を始め、これまでも予算委員会や一般質問などで取り上げてきましたが、本市におけるユニバーサルデザインへの取り組み姿勢としては、平成14年4月に施行された県の福祉のまちづくり整備ガイドブック等を参考に、今後の公共建築物の新築、改築、改修等の設計時における設計指針として整備をしていくといったハード面の整備の為にマニュアル策定を進めていること、また、全庁的な組織を横断する取り組みの必要性は感じているが長期的な観点で捉えていると言うことであります。
 確かに「福祉のまちづくり条例」もユニバーサルデザインと矛盾するものではなく、その推進を目指していくべきだと思いますが、条例ではどちらかというとハード面を意識しがちになり、条例の基準を満たすことで満足してしまい、新しい行政ニーズに対応して行くにはユニバーサルデザインの自由な発想が大事になってくると思います。
 そこで、本市の今後の取り組みについて何点か確認をしていきたいと思いますが、まず、現在策定中の「公共建築物ユニバーサルデザインマニュアル」では、ハード面としての取り組みに止まっておりますが、「だれにも優しいまちづくりの推進」という観点から、ユニバーサルデザインの考え方を市民、事業者などへ普及し、人々の意識に浸透させていく取り組みの推進。また、すべての人に配慮した行政サービスと分かりやすい情報の提供、そして、すべての人の社会参加の促進など、ソフト面における取り組みを進めていく必要性について、そして、このようなソフト面を総合的に推進していくためには、各部署が独自に取り組むのではなく、部局横断的な推進体制を整える必要がありますが、例えば市長を本部長とする「ユニバーサルデザイン推進本部」といった組織を設置すべきではないかと思いますが、これらの点についてご見解をお聞かせ頂きたいと思います。

【企画部長の答え】ユニバーサルデザインのまちづくりについて、お答えいたします。
 本市では、高齢者の働く機会の増加や、障害者の社会活動が活発化していますことから、誰もが社会生活をする上で妨げとなる障壁を取り除くため、改めてバリアフリー化の視点で捉え直し、その際に初めから障壁を作らないことを目指すユニバーサルデザインも視野に入れながら、総合計画2020の実施計画に沿って、施設の改善や制度の運用に取り組むことを基本にしております。
 これまでも、ソフト面では広報ふじさわを読みやすくするために活字を10%拡大したことや、聴覚障害者への対応として、耳のシンボルマーク設置など、また、ハード面では、多機能トイレにオストメイトの方が利用できる多目的流しの設置、鉄道駅のエレベータ設置、歩道の段差解消や拡幅などを実施しております。
 そこで1点目の市民や事業者などへ普及、浸透させていく取り組みにつきましては、本年4月に国が交通バリアフリー教室を湘南台駅で開催したところ、関心度が高く多数のご参加をいただいたことから、今後も関係各課との連携の基に、本市独自で交通バリアフリー教室のような市民参加型の事業展開を模索しながら、市民や事業者に「バリアフリーな社会」の普及を図ってまいりたいと考えております。
 また、広報ふじさわを通じて、多くの市民に「バリアフリーな社会」に関心を持っていただくために、「みんなでできる・暮らしの中のバリアフリー」と題する囲み記事を9月25日号と11月25日号に掲載いたしました。今後も、この企画を定期的に掲載するなど、市民意識への浸透を図ってまいりたいと考えております。
 次に2点目の部局横断的な推進体制の組織の設置についてでありますが、平成16年度以降には総合計画2020後期実施計画策定、高齢者福祉計画改訂、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定などが計画されております。
 これらの策定業務に当たりましては、関係各課が横断的に参画してまいりますので、改めてユニバーサルデザインの考え方を、広く啓発してまいりたいと考えております。
 従いまして、現在はユニバーサルデザインの視点で実績を積み上げているところでございますので、議員ご指摘の部局横断的な推進体制の組織の設置につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。よろしくご理解下さいますようお願い申し上げます。  

【再質問】「ユニバーサルデザインのまちづくり」についてでありますが、総合計画2020の実施計画に沿って施設の改善や制度の運用として、これまでも耳マークの設置やオストメイト対応トイレの設置など、ハード・ソフト両面において随時対応されてきたことに評価もし感謝もしております。
 また、市民や事業者などへの意識の普及については、「交通バリアフリー教室」や広報ふじさわへの囲み記事掲載など、所謂「バリアフリーな社会」に関心を持ってもらうことを目的とした取り組みで、この事自体は大いに評価しておりますが、市民や事業者(この事業者とは交通事業者を指すのではなく企業・商店など市内全ての事業者という意味)にユニバーサルデザインをどのように理解してもらい、まちづくりに取り入れていくのかと言う点では少し捉え方が違ってくると思います。
 もう一度言いますと、バリアフリーデザインとは、既にある施設やサービスなどが「使いづらい、使うことができない」というバリア(障壁)を取り除くという考え方で、一方ユニバーサルデザインは、あらかじめ多様な使い手の身体的能力や心理、使用環境などを想定してデザインする「創造的提案型」のデザインで、物理的・身体的な使い勝手だけでなく、心理的にも「使いたい」「使いやすそう」という気持ちをひき出す、「身体にも心にも快適」という意識も含まれているもので、今後ますますハード・ソフト両面に渡って意識の中に定着していくことが行政にも市民にも求められてくる時代だと認識をしています。
 したがって、市民や事業者に対し、ユニバーサルデザインの考え方を普及し意識に浸透させて行くためには、行政も共に理解し意識していくことが重要であると思いますし、今後の施策反映にも活かされることになると思いますので、そのためには、行政が中心となって市民、事業者を巻き込んだ民間からのボトムアップを進めながら普及を図っていくことがユニバーサルデザインのまちづくりを進めていく上で重要な視点になってくると思いますので、この点については、総合計画の後期実施計画や各種行動計画の中で検討していくと言うより、是非行革課題として捉えてご検討頂きたいと強く要望したいと思います。
 また、平成16年度以降の総合計画後期実施計画や各種行動計画策定の中で、ユニバーサルデザインの考え方を啓発していくので、部局横断的な推進体制については今後の検討課題としたいと言うご答弁だったわけですが、既に平成13年から15年度にかけて取り組まれている「公共建築物ユニバーサルデザインマニュアル策定」では、おもにハード面への対応として今後の公共建築物の新築、改築、改修等の設計時における設計指針とするもので、既存の公共施設におけるユニバーサルデザイン化には適用されないとお聞きしていますが、先ほども言っておられた“ユニバーサルデザインの視点で実績を積み上げる”という観点からすれば、このマニュアルを基に既存の公共施設のユニバーサルデザイン度をチェックし改善点が見いだされた場合は、財政状況を考慮しつつ、その中から短期、中期、長期に分けて対応していくような取り組みがあって然るべきだと思います。
 また、同時に職員の皆さんがユニバーサルデザインそのものを理解する機会にもなると思いますが、この点について再度お考えをお聞かせ頂きたいと思います。
【企画部長の答え】本市の公共建築物は、昭和40年代から50年代後半に、その大半が建設され、現在、更新時期を迎えつつありますことから、今後、本市にとって財政上の大きな負担増となることが想定されています。
 そこで、これまでのスクラップアンドビルドの考え方から、ストックを有効活用するという観点に立ち、既存建築物の計画的な維持保全を行うことによって、既存建築物の延命化を図り、ライフサイクルコストの平準化と財政への負担軽減が不可欠であると考えております。
 従いまして、既存公共施設のユニバーサルデザイン化につきましては、今後実施してまいります延命化を目的とした計画的な維持保全や、模様替えなどの改修工事に併せて、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、対応してまいりたいと考えております。よろしくご理解下さいますようお願い申し上げます。
【再々質問】ユニバーサルデザインについてでありますが、既存公共施設のユニバーサルデザイン化については、延命化を目的とした計画的な維持保全や改修工事に併せて、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れていきたいというご答弁だったわけですが、これは今作業を進めている公共建築物の計画的な維持、修繕に資する台帳のデータベース化の中で対応したいという意味なんだと思いますが、今私がお聞きしたのは、既存の公共施設をユニバーサルデザインの視点でチェックをして、計画的に推進する必要があるのではないかということで、これは、公共建築物の台帳作成の中ではユニバーサルデザインの観点からデータ化はされないからであります。
 そこで、ご答弁でもあったようにライフサイクルコストの平準化と財政への負担軽減を図る上からも、公共施設の延命化を図ると共に、何処のどの部分にユニバーサルデザインの考え方を反映させるのか、また、反映させることが出来るのか、現状の公共施設を検証し具体的に対応していかなければ、いくら計画的な維持保全や、改修工事に併せて、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れて行くと言っても、観念論だけで正直実態が伴わないように受け止めますが、この点については、改めてもう少し明確なお考えをお聞かせ頂きたいと思います。
【企画部長の答え】公共建築物の維持管理にあわせてユニバーサルデザインの考え方を取り入れるというふうにお答えしましたが、ユニバーサルデザインにつきましては、先ほど議員さんからのお話がありましたように、バリアフリーのように基準が明確にできるものと、それから誰もが使いやすくという形の中で、精神的なもの、それから製品的なものとか、いろいろなものがあろうかと思います。ただ、ユニバーサルデザインの視点で進めていくと言うことは異論のないところでありますので、行政のこういうような維持管理的なものを進めるに当たっては、その視点を持ってやっていくということでご理解頂きたいと思います。
【計画建築部長の答え】公共施設の検証関係について、その中で維持の内容を業務連携等の中で実践できないかという内容でございますが、現在、維持保全計画につきましては、一般の205施設のうちの105施設につきまして、今後20年間のライフサイクルコストの部分についての検証を行っています。それによって計画的な計画修繕というものが行われると言うことですが、一方、ライフサイクルコストの中ではニューパブリックマネジメント、要するに建物を設計管理から除去まで、またさらにはその建物の運営、管理、また全体的な必要論、そういうものを含めたトータル的な内容のものも一方では今試行的に実践している状況ですので、その辺の作業実態等を見極めながら、今ご指摘の内容については公共建築物の保全計画のその計画の実践とあわせて進めてまいりたいというふうに考えております。


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