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平成15年6月定例会〈一般質問〉
  「行政評価システム」について

【質問】本市では、行財政構造改革の実現に向け、本市が実施する事業のすべてについて、それぞれの費用と行政効果を明らかにする「行政評価システム」を構築し、積極的な情報提供を図ることで、行政に対する市民意識の高揚による、市民参加と協働が拡大する中で、目標とする信頼と安定に培われた市民と行政をつなぐ循環型システムの構築を目指して、平成13年度からシステムの導入に向け取り組まれてきたと認識しております。  
 そこで、平成14年度は行政における説明責任と効率化及び職員の意識改革を目的とした試行的導入でありましたが、平成14年度の検証結果を踏まえ、15年度は試行からの課題解決に全力を注ぎ、できる限り早い時期に本来の評価システムとして機能するよう努力されることが、平成15年度予算審議の中で確認がされたわけであります。  
 一般的には、行政評価が定着し、その効果が発揮するようになるまでは一定の年数がかかるとも言われておりますが、現実問題として、すでに、平成14年度決算にむけて行政評価の全事務事業934事業もの事後評価を進めることになり、既に表面化している幾つかの課題をどのように克服していこうとお考えなのか、試行により把握できた主な課題について、何点かお聞きをしていきたいと思います。  
 1点目としては、指標設定についてであります。指標は客観性を重視したこの評価システムでは非常に重要な役割を担うことになりますが、平成14年度は全事務事業934のうち、約4割の事業について、成果指標の設定ができず不十分であったこと、また、中には指標設定に馴染まない事業なども見受けられますが、無理な指標設定は避け、簡易な評価方式で対応していくことなど、システムの根幹に関わる重要な課題について、どのようにお考えなのか、お聞かせを頂きたいと思います。
 2点目として、市民に信頼される評価を行うためには、現状の課題や市民に対する成果を日常の業務遂行の中で常に意識する姿勢が必要であると同時に、すべての職員が行政評価に対する理解を一層深めていくことが重要であると認識されているわけですが、職員の意識改革は進んできているのかお聞かせを頂きたいと思います。  
 3点目として、平成14年度初めての導入であったために、情報システムの構築と並行しながら実施したことや、全事務事業を対象として、事後、中間、事前評価を実施したことなどから、各評価段階において十分な時間がとれなかったと聞いておりますが、平成14年度決算から平成16年度予算編成に向けての政策評価及び事務事業評価の日程は十分に確保されていくのか、お聞かせを頂きたいと思います。
 4点目として、行政評価の本来の目的である情報提供についてでありますが、評価結果の公表について、平成14年度はシステムの検証を目的に実施したことから、検証の結果から改善すべき様々な課題が出てきたことは承知をしておりますが、ここ数年、行政評価を取り入れた他都市の多くは、決算に基づく各事業の評価結果を積極的に公表しておりますが、本市の場合、平成14年度決算に対する評価結果の公表はどのようにお考えなのか、また、藤沢市の行政評価の特徴として、総合計画の施策体系と一体化させシステムを構築している点が上げられますが、平成15年度は前期実施計画の中間年であることから、残された2年間の計画事業検証と後期実施計画の策定に入っていくわけですが、このような事からも総合計画とリンクさせた形で市民に公表していく必要があると思いますが、この点についても具体的にどのようにお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。

企画部長の答え】1点目の指標の設定についてでございますが、14年度に全事務事業を試行した結果、平成13年度事業の事後評価を例にご説明申し上げますと、934の全事務事業のうち約4割の381事業で成果指標の設定ができませんでした。
 一方、「法律や条令に定めがある義務的な事業で、市の裁量の余地がないもの」や「内部管理的な事務や義務的経常事業で、明らかに政策的判断を要しないもの」など、指標の設定や事業内容等妥当性の判断の必要がない事業も多く見受けられました。
 そこで、事務事業評価をより効率的に行うために、これら一律の評価になじまない事業につきましては、無理な指標の設定は行わず、基本的項目のみを評価する「簡易な評価方式」での対応を考えております。
 この簡易評価方式を採用いたしますと、指標の設定ができなかった381事業のうち、290事業については市が関与する妥当性、事業の目的や必要性について議論の余地がない事業のため、通常の評価の対象外とし、指標の設定は行わずに、基本的な項目のみの評価を行うこととなります。
 残りの91事業については、成果指標は、評価の重要要素の一つでありますので、事業の内容や性質別に指標例を示しながら、引き続き、担当課と協議し、適切な指標を設定して参りたいと考えております。
 2点目の職員の意識改革でございますが、行政評価システムにつきましては、全庁的なアンケートを実施したり、説明会を開催したりして、できるだけ多くの職員の意見を取り入れながら構築して参りました。
 14年度の試行では、事前に説明会や研修会を実施し、1人でも多くの職員に参画してもらうため、全課において課内会議等を通じ、全事務事業から施策・政策までの一連の評価作業を行って参りました。
 新たな評価方式での初めての試みで、不慣れなこともあり、評価内容や評価結果の分析など、必ずしも十分ではありませんでしたが、一連の評価作業を通して、部長間あるいは職員間で施策や事務事業の目的、指標等について議論することにより、課題や方向性に対する認識が深まり、意識改革の契機となったと考えております。
 また、試行作業に対するアンケートでは、「評価を行うことにより、事業の目的や妥当性などについて課内や担当内で話し合い、「成果」という新しい視点で事業を考えるようになった。」等の意見も聞かれ、徐々にではありますが意識改革が進んでいると考えております。
 3点目の評価日程の確保でございますが、14年度は、初めての作業のため、不慣れなうえに全項目を記入しなければならなかったこと、限られた時間の中で全事務事業を一律に評価したことなどから、時間的制約もあり、もっと議論すべき事業等について十分な議論や評価ができませんでした。
 そこで、政策的判断を必要としない義務的事業や事業の特性等により一律の評価方法になじまない事業については、「どのような内容の事業を、どれくらいのコストで行って、今後どうしていくのか」といった基本的な項目のみを評価する簡易な評価方法を採用して評価作業時間の短縮を図ることにいたしました。これにより、重要・主要事業や総合計画事業など、議論すべき事業に時間をかけて、十分な議論により評価内容の質的向上を図って参りたいと考えております。  また、こうした議論により、職員の理解と意識改革が図られるものと考えております。  
 4点目の評価結果の公表でございますが、市民との協働を促進するためには、情報の共有と説明責任を果たすことが重要と考えております。 「市民のために何をし、その結果市民にどのような効果をもたらしたのか」「市民のために何を目指して何をしようとしているのか」このような観点に立って、評価結果につきましては、市民にわかりやすく公表して参りたいと考えております。
 そのためには、適切な指標等の設定や分析など、市民に信頼される評価を行うことが必要ですが、14年度の試行では、残念ながら、十分とは言えない状況でした。今年度は試行において確認された課題解決に全力を注ぎ、評価の定着と評価内容の質的向上に努めて参りますが、市民に信頼される本来の評価システムとして機能するかを十分に検証する必要があると考えております。
 曖昧な評価結果は、誤った判断材料となりますので、市民への公表につきましては、評価内容等十分な検証を行い、信頼おける情報として公表して参りたいと考えております。
 また、総合計画との関係でございますが、本市の行政評価システムは総合計画の施策体系と一体化させておりますので、施策体系とリンクした政策、施策レベルを分かりやすい形で公表して参りたいと考えております。

【再質問】行政評価システムについては、「指標の設定」「職員の意識改革」「評価日程の確保」「評価結果の公表」など、幾つかの課題に対する考え方や対応状況のご説明を頂いたわけでありますが、基本的にこれらは全て行政内部における評価の進め方ということになりますが、御答弁の中にもあったように、市民との協働を促進するためには、情報の共有と説明責任を果たすことが重要であり、市民にわかりやすい公表と市民に信頼される評価を行っていくことが、行政評価システム本来の目的でもあると思います。
 また、市民満足度の向上を図る上で有効なツールとなる品質マネジメントシステムについては、段階的に導入され、ISO9001の認証取得についても、品質マネジメントシステムの導入と共に研究をして行かれるようですが、行政運営の市民満足度向上や情報公開が叫ばれている今日においては、市民参加による評価へと移行していくことも十分検討していく必要があると思います。
 勿論、行政評価の対象が細分化されている事務事業は行政機関の自己評価とすべきであるとは思いますが、市民に分かりやすい行政評価を導入するには、市民参加による外部評価で、行政には無い市民の視点での大局的な評価も重要な視点であり、評価結果の分析や改善への提言など市民の意見を反映する評価システムの設計を進め、市民と行政の「協働」を考えていくことが今後の課題であると思います。
 また、「市民に分かりやすい」という基本的姿勢に立ち、具体的な指標を設定していくうえでは、市民の身近な感覚に置き換えて表現することで、より多くの市民による議論が進むと期待されているベンチマーク方式を取り入れることも注目すべき観点ではないかと思います。
 さらには、行政ではなく市民中心でベンチマーク指標を設定すること等も考えられますが、具体的に札幌市などでは、市民参加による「ベンチマーク指標運営委員会」を設置していると聞いております。
 また、近隣市では横須賀市が、政策・施策の達成状況を分かりやすく示すために「まちづくり指標」をつくり、まちづくり市民コメンテーター制度などを導入して、市民が積極的に計画や評価に参画できるシステムを構築し、今年度は、新たに「まちづくり評価委員会」を設置して、市民アンケート、まちづくり指標の見直し、事務事業評価などを基に、総合計画の進行管理の評価を行っていると聞いておりますが、そこで、このような、市民との協働を促進するための市民参加による評価と市民に分かりやすい指標設定については、どのようにお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。
企画部長の答え】市民参加による評価と市民に分かりやすい指標の設定についてお答えいたします。
 まず、「市民参加による評価」についてでございますが、評価における市民の視点は重要な要因として受け止めており、本市の行政評価におきましても施策評価の中で、市民の方に間接的に評価に参加していただく手法を導入しております。
 具体的には、各施策に対する「満足度」と「重要度」を、無作為に抽出した20歳以上の市民3,000人を対象に、毎年アンケート調査を実施し、その結果を施策評価に反映することにしております。
 「満足度」は施策の現状に対する「市民の評価」、「重要度」は「ニーズ」を示唆しているものとして受け止め、その結果や経年変化の状況等を分析し、他の評価要素も加えて、総合的な評価を行うことにしております。
 また、「市民にわかりやすい指標設定」につきましては、「行政側の立場ではなく、市民の生活実感に近い、身近でわかりやい指標」を設定するよう、各部との指標のやりとりを行う中で、再三にわたり見直し、調整を図って参りました。
 これは、「市民にわかりやすい指標」を使うことにより、市民の方に、今以上に行政に対する興味を持っていただき、協働によるまちづくり論議や活動に繋げていくことを期待したものでございます。
 不完全ではありますが、今回、ようやく、ある程度のレベルを確保出来たのではないかと受け止めておりますが、今後とも、アンケート調査等の活用により、市民の意見等も反映させた分かりやすい指標の設定について検討して参りたいと考えております。
【再々質問】行政評価システムの市民参加による評価と市民に分かりやすい指標設定についてでありますが、アンケート調査をする中で、「満足度」を「市民の評価」、「重要度」を「市民ニーズ」として受け止め、その結果や経年変化の状況を分析しながら総合的な評価に結びつけていく、また、分かりやすい指標の設定にも活用して行かれると言うことでしたが、今年のアンケート調査も既に実施されているやに聞いております。
 そこで、この分析結果は平成14年度決算から来年の予算編成にも関わってくるものだと思いますが、決算委員会等に参考資料として提出して頂けるかどうか、最後にお聞かせをいただきたいと思います。

企画部長の答え】市民満足度等の調査結果につきましては、現在、集計分析を行っておりますが、結果報告書として図書館や各センター等に配布し、市民が閲覧できるようにして参りたいと考えております。
 また、議会への資料提供につきましても、報告書としてまとまり次第、提供できるように対応して参りたいと考えております。


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