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平成14年6月定例会〈一般質問〉
  「ユースワーカー」について

【質問】少子高齢化、高度情報化、国際化等急速な社会環境の変化や家族関係の多様化、地域社会の弱体化、また、身近な自然環境の減少などにより、青少年を取り巻く環境は著しく変化し、青少年の意識や行動にも大きな影響を与えております。 そして、これからの青少年の育成を考えるとき、青少年にかかわる問題を、単に現象面だけとらえて論ずるのではなく、青少年の置かれている状況を様々な角度から検討していくことが必要であると思います。
 そこでまず初めに、要旨「ユースワーカーについて」お尋ねをいたします。 現在の青少年には、他者の立場の理解や社会の一員としての認識の不足、自己抑制力の低下といった傾向がみられますが、この一因として、青少年が家庭やその他の場所を含む地域社会全般において多様な人間との交流と、他者との共同体験を行う機会が少なくなっていることが挙げられます。
 これまでにも、社会全体での青少年の健全育成の取組を推進する観点から、青少年育成国民会議を初めとする青少年育成国民運動が推進され、青少年の社会参加活動の促進、大人の意識啓発等のための事業が展開されてきておりますが、社会情勢の変化等により、青少年育成活動は不足している状況であると言われております。
 そこで、東京都では、「心の東京革命」と銘打って、次代を担う子どもたちに対し、親と大人が責任を持って正義感や倫理観、思いやりの心を育み、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく地域の人材の養成に取り組んでおります。 この運動の推進に当たっては、都市化による人間関係の希薄化や少子化による子ども数の減少、テレビゲームの普及や塾通いなどによりますます子どもたちは地域社会における人間関係から遠ざかっている現状を踏まえ、子どもたちが地域において多様な人々とふれあえるような機会をつくっていくとともに、現在、設置されている児童・青少年施設等において気軽に相談に応じたり、自主的な活動を支援しコーディネイトできる人材の必要性から、カウンセリングに関する技術等の高度の専門性を有しつつ、兄・姉や友人のような立場から、青少年と同じ目線で青少年の心理、行動等を把握することができるように、比較的若い人材を「ユースワーカー」として養成し、地域社会の教育力の向上を図ろうとしております。
 古くはイギリスなどの諸外国においては、大学等の教育機関において青少年の育成支援に必要な知識を「ユースワーカー養成課程」等で修得し、職員あるいはボランティアの「ユースワーカー」として青少年の育成支援活動を行ってきておりますが、東京都では、ユースワーカーとして必要な、青少年とその背景の理解・対人関係の理解・団体活動の理解・地域及び地域活動の理解の知識・能力の基礎を身につけるために、原則として15日間程度の講座をもって養成をしております。
 また、ユースワーカーは、青少年と感性が似通う30代ぐらいまでの若い人で担うことがふさわしいのではないかとしており、街頭で浮遊する青少年へ接触・助言するいわゆる「デタッチド・ワーク」についても、青少年施設等の職員を対象に養成講座を開設していく予定で、いずれ、大学等の教育機関との連携も図りたいとしております。
 また、ユースワークの対象となる青少年の範囲としては、小学生については、子ども会、ボーイスカウトやガールスカウトの活動など、地域においての取組が比較的なされているのに対し、中学生以上になると地域との結びつきが弱くなり、このため地域における育成支援活動が難しさを増してくる傾向があるため、ユースワークの対象となる青少年の範囲を、原則として中学生以上の青年層(13歳から29歳まで)としていますが、しかしながら、小学生又はそれ以下の年代についても必要に応じてはユースワークの対象としていく。というのが基本的考え方のようであります。
 このように『青少年の自立をはぐくむ多様な交流の促進』を基本方向の一つとして、青少年が地域社会の一員として主体的に多様な活動に参加し、青少年の多様な交流を支えていくネットワークを築いていくためにも、ユースワーカーの養成と、養成したユースワーカーの行う青少年育成支援活動を通じた自主的な社会への参加・参画を推進しようとする取り組みの必要性は今後ますます高まってくると考えますが、本市のお考えについてお聞かせをいただきたいと思います。

【金井生涯学習部長の答え】現在青少年を取り巻く環境は、複雑多様化した社会環境の中で様々な問題を抱えています。こうしたなかで、青少年を直接に支援し、その活動を促進していく活動者を育成することは、最近の青少年問題を考えれば、こうした人材の育成の必要性は、ますます高まっていくものと考えています。
 本市では、青少年の活動を支援する組織として、市内14地区の青少年育成協力会、224名の青少年指導員その他街頭指導員などがおり、永年にわたり活動を展開してきています。
 また、青少年に対する相談窓口としては、いじめ相談、ヤングテレホン相談、青少年相談等を設け、 青少年あるいは保護者に対し、電話及び来所面接などを通じ、助言、援助を図っています。  
 さらに青少年協会においては、小学生から青少年までの階層別の指導者養成講習を実施しており、特に青少年活動指導者養成事業(リーダースクール)につきましては、東京都と類似した内容となっており、かつ講習終了者を青少年指導者リーダーバンクに登録して青少年活動の支援を担っていただいているところです。
 青少年への相談業務、活動支援、デッタッチ・ド・ワーク等につきましては、今後とも現行制度のなかで、対応を図ってまいりたいと考えております。それとともに、研修カリキュラムの充実を図って青少年施策事業を支援する人材を育成してまいりたいと考えております。 
【再質問】 本市には「青少年指導者リーダーバンク」という本市独自の大変立派な制度があり、私が言う「ユースワーカー」とほぼ性格が同じであると思いますが、制度の充実という観点から再度何点か質問をいたします。
 まず、先ほどのご答弁でも、研修カリキュラムの充実を図って青少年施設事業を支援する人材の育成を掲げておられましたが、先日の本会議における質疑で、「辻堂砂山児童館」における中・校生の居場所づくりや「少年の森」の異年齢間の交流をコーディネイトする人材など、まず青少年施設に関わる職員のレベルアップを図るような研修を早急に行う必要があると思いますが、その点如何お考えかお聞かせを頂きたいと思います。
 また、ここでもう一点本市のリーダーバンクにないユースワーカーの取り組みをご紹介しますが、大阪府青少年活動財団におけるユースワーカーの養成では、ユースワーカーの職務として、「青少年個人との接触」を掲げて、不登校児童・生徒と関わり合うことで、自立の方向を自らの力で見つけださせるための援助、また、教師との情報交換や青少年の家庭との接触についても取り組もうとしております。
 また、熊本市では、不登校の小・中学生の相談相手に、年齢が近い大学生を派遣する「ユアフレンド事業」をこの5月から立ち上げましたが、これもユースワーカーの育成と同様に、プライバシーの保護やカウンセリング方法などの一定の研修を受けた後に、保護者からの依頼の元ボランティアとして各家庭に派遣をし、悩みの相談や遊び相手をしてもらったりするものですが、このような青少年個人との接触による健全育成や大学生との協力体制などについて、青少年指導者リーダーバンクの制度充実という観点から、教育委員会としてどのようにお考えになるかお聞かせを頂きたいと思います。

【金井生涯学習部長の答え】青少年に身近なところで接触の機会が多くある青少年協会では、職員に対し各種研修に参加、資質の向上に努め、日頃から施設の使い方だけにとどまらず、さまざまな青少年活動支援に携わっております。  
 さらに複雑多様化する青少年問題に的確に対応していくためには、青少年の心理、行動等を把握し、また青少年から気軽に相談を受けられ、地域の青少年施設等において青少年活動の支援・コーディネートするユースワーカー的な資質も求められることから、今後とも各種研修の機会をとらえ、職員の資質向上を高めていくよう協会に働きかけてまいりたいと思います。 
 また、大阪府のユースワーカー事業そして熊本市のユアフレンド事業などの、若者に対する相談体制としましては、 本市の青少年指導員組織や青少年リーダーバンクなどで取り組んでおりますが、悩みの相談や対話をする上では、話しやすい、受けやすいといった体制の整備も必要となってきますので、お兄さん、お姉さん的な立場の大学生などとの連携についても、どうしたら大学生などの協力が得られるのか今後研究していきたいと思います。

【要望】 「ユースワーカー」についてでありますが、青少年問題について、確かに藤沢市では他市にない制度と前向きな取り組みがされてきていることは評価をしておりますが、行政と大学生世代との連携という部分ではまだまだ検討の余地があろうかと思います。
 市内に4つもの大学があるという環境を活かさない手はないと思いますし、大学生でなくてもこの世代の若者と行政が関わるとしたら文化的事業を除くと成人式ぐらいしか見あたらないという実体はもう一度検討してみる必要があるのではないでしょうか。 確かにワールドカップの過激なまでのバカ騒ぎぶりにはあまり感心しませんが、高校生・大学生世代の社会貢献に対する意識が高いというアンケート結果があることも事実であります。
 したがいまして、現行制度の充実と併せて、若者による若者のための青少年健全育成という観点で、更に前向きにご検討いただきたいと言うことを要望いたします。


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