藤沢市議会議員  松下賢一郎 オフィシャルサイト トップページへ


 
平成14年6月定例会〈一般質問〉
  「産学官の連携」について

【質問】 政府の5月月例経済報告では、景気の基調判を3ヶ月連続で上方修正し、「景気の底入れ」を宣言いたしましたが、「底入れ」の根拠として竹中経済財政担当大臣は、輸出の増加や生産の下げ止まりなど、いわゆる米国やアジア諸国の景気回復という外需に支えられた改善の兆しを挙げております。確かにGDPも4・四半期ぶりのプラス成長と「景気の底入れ」宣言をデータからも裏付ける格好になっておりますが、市民生活からはまだまだ景気が上向く実感は乏しく、雇用や所得環境は依然厳しいままで、消費の本格回復への足取りも決して軽いとは言えない状況にあると思います。また、企業の設備投資も、海外へとより比重を移しており、本市においても海外へ移転した企業がでてきております。
 そこで、自立的な景気回復に向けて、産業競争力戦略会議や経済財政諮問会議からは、産業や経済の活性化策が相次いで打ち出されておりますが、とりわけ日本経済の再生に向けて大きな鍵を握るのが新産業の育成と国際競争力の強化であろうかと思います。
 そこでまず初めに、要旨「産学官の連携について」お尋ねをしていきますが、先程も述べましたように、新産業の育成と国際競争力の強化を高めることは、財政面における地方の自立と地方の時代に向けた大きな課題であり、その為にも産学官の連携は無くてはならない条件であると思います。 そういった意味では、本市でも「湘南新産業創出コンソーシアム」がすでに設立され、ベンチャ−ファンドによる資金提供やインキュべーションルームによる場の提供等を積極的に行ってきておりますが、今後の課題としては、大学で生み出される創造的な研究成果をどのようにして産業界に生かし技術革新や新産業創出に結びつけていくのかという点であろうかと思います。 そこで、大学の研究成果を産業界へライセンスの形で技術移転を促進するため、大学と民間産業界との間を仲介する「技術移転機関(Technology Licensing Organization )」いわゆる「TLO」の活動が今注目を集めております。 これは、大学の研究成果を民間企業で活用し、そこで得た資金や社会のニーズを大学や研究室にフィードバックすることによって、さらに新たな研究成果につなげるいわば循環型研究開発システムのことで、1998年8月に施行された大学等技術移転促進法に基づいて設置運用が図られるようになったものであります。 国がこの「TLO」に取り組むようになった背景としては、これまで大学に蓄積されていた多くの発明・研究が、特許登録を行うまでに多額の資金と手間がかかるために実現化することなく見送られてきたことに対し、大学の発明、知的財産を産業界に移転させ発明者、大学、産業界がいわゆる「三方一両得」で潤わせることで、大学の発明者や学生の企業家マインドを刺激して大学発ベンチャ−による新産業の創出、雇用の創出につなげようと言うものであります。 そこで、TLOには二つのタイプがあり、大学が中心となったTLOと、産業界や自治体が研究者と連携して立ち上げたTLOとがありますが、大学主導のTLOはどちらかというと研究成果の発掘に手腕を発揮しますが、産業界・自治体型は起業のニーズをすくい取りながら活動をしていくという性格をもっております。
 そこで、幸いにも藤沢市には、産官学が連携するコンソーシアムが既にできているわけですので、この三者が一体となってTLOの活動ができるという願ってもない環境が整っていることになりますが、産学官の連携をさらに高めると共に具体的成果への期待ができるTLOについて、本市ではどのようにお考えかご見解をお聞かせいただきたいと思います。

井上経済部長の答え】我が国経済の構造的課題の1つに、米国などと比べて、産学の連携不足による技術移転の少なさがあり、それが国をあげてのTLO推進の背景となっていることは、ご指摘のとおりだと思います。  
 市内大学のTLOの状況を見てみますと、慶應義塾大学、日本大学では、既に学内で組織化されており、湘南工科大学でも、学外のTLO活用の方向で進んでいると聞いております。  そのような状況を踏まえ、市といたしましては、TLOを、単なる大学から産業界への技術移転機関ではなく、大学と企業の交流、マッチングから技術移転に至るまでの、一連の流れ全てを指すものとしてとらえ、大学から企業への技術移転の環境づくりの役割を果たしていきたいと考えております。  
 具体的には現在でも、大学と企業の交流を目指したフォーラムや、大学の研究内容を、企業に懇談会形式で紹介するマニュファクチュア懇話会などを実施し、大学と企業が結びつく環境づくりに努めているところです。  
 さらに今年度は、これら事業の充実と共に、産学共同研究によるソーラーシステムの活用を予定し、さらに今後は、市内大学の特性を活かしたITやバイオの技術移転にも取り組み、大学のTLOの発展に寄与する所存でございます。  

【再質問】 「産業の活性化」の「産学官の連携について」でありますが、先ほど部長から「TLO」を推進するための環境作りの役割を行政が果たしていきたいといったご答弁だったわけですが、確かに現在もフォーラムやマニファクチャー懇談会など大学と企業を結びつける環境作りが行われていることは良く承知をしております。しかし、これから更に求められてくることは、企業のニーズと研究者の発明や特許などのシーズを結びつけるコーディネイト力をもった人材の育成と確保であります。
 そこで、国の方でも昨年あたりから、本格的なベンチャー支援に乗り出してきており、特にTLOとの関連からくるものが多いわけですが、その内の一つに、産学で最長3年間実用化開発に取り組み、終了したら2年以内にその技術を使った製品化をするために、国が3分の2、企業が3分の1づつ費用を負担する、「マッチングファンド」による研究開発事業を打ち出しており、ここでもTLOのコーディネイト力が大いに重要となってくるわけですが、そこで再度お尋ねをいたしますが、企業のニーズと大学のシーズをよりスムーズにそして効果的にコーディネイトする人材の育成確保についてどのようにお考えなのかお聞かせを頂きたいと思います。

井上経済部長の答え】「産学を結びつける、コーディネータ、アドバイザーの必要性について」にお答えいたします。  大学と産業界を結びつけ、技術移転にまでたどり着くには、大学と産業界相互の事情に通じた、専門性の高い科学技術コーディネータや弁理士等の専門家がコーディネータとして間に立ち、需要と供給をマッチングさせる必要性があることは、ご指摘のとおりでございます。  
 今後、コンソーシアム会員の中の科学技術コーディネータ、弁理士等、コーディネータとなりうる方々の御協力をあおぎ、コーディネータ制度の充実、発展させていく中で、産学連携の促進を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

【要望】 「産業の活性化」のコーディネーターの件についてでありますが、コンソーシアム会員の中でコーディネーターとなりうる方の協力を頂いて制度の充実を図っていきたいとのことでしたが、つくば市にある独立行政法人の「産業技術総合研究所」では、研究開発の各分野での専門家を産学官の連携のコーディネーターとして配置をし、全国的に支援をしております。
 また、国の方でも「インキュべーションコーディネーター」制度を立ち上げたり、積極的に支援していこうとしておりますので、コンソーシアムの中だけで対応していくのではなく、アンテナを大きく広げて対応していただきたいと思います。


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