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平成19年6例会〈一般質問〉
  「災害時要援護者の避難支援について」

【質問】 一人ぐらしや寝たきりの高齢者、障害者、病弱者の方々など、災害時に自力では迅速な避難行動ができない、いわゆる災害時要援護者の避難誘導体制や、高齢者等に配慮した避難所運営のあり方等、防災上の課題解決に向け政府は、有識者を含めた検討会を立ち上げて「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」をとりまとめ、関係省庁連携の下、ガイドラインに沿って取組の促進を図るとしております。  

 そこで、災害時要援護者対策の第一は、地域において、高齢者や障害者など災害時の避難にあたって支援が必要となる人を特定し、その一人ひとりについて、誰が支援してどこの避難所等に避難させるかを定める「避難支援プラン」の策定にあり、ひいては要援護者となる個々の方の支援に必要な情報の把握、並びに支援者の確保とその方々との情報の共有化が重要であることから、一日も早い避難支援プランの策定が必要であると、本年の代表質問でもお伺いをしたところであります。

 その際のご答弁としては、災害時要援護者の把握と名簿化等について検討するとともに、情報の共有化については、本人同意を基本とする中で検討を進めるということでしたが、正直言ってなかなか前に進まない、具体性が見えてこないというのが実感であります。  

 国においても、「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を示してから二年あまりが経過するなかで、個人情報保護法を過度に意識した行政が、自主防災組織などへの情報提供に慎重になっていると分析しており、行政外には住所や氏名などの提供にとどめ、誓約書を締結するなどして守秘義務を確保するなかで、個別の状況把握を急ぎ支援計画をまとめるよう勧めております。  

 また、支援の必要性、家族・地域の支援力、居住地の災害への脆弱性から、支援すべき要援護者の優先度を検討し、対象者の範囲を明らかにするなかで要援護者名簿を作成し、避難支援の個別計画を作成するよう求めております。  

 そこで、改めてお尋ねを致しますが、本市の災害時要援護者に対する避難支援計画についてどのように進めていくお考えなのか、具体化するスケジュールを含めた明快なご答弁をお願いしたいと思います。
【副市長答弁】災害時の要援護者の避難支援につきましては、「地震災害時における災害時要援護者支援マニュアル」に基づき、現在、行政情報として名簿化している約1万6千人の要援護者名簿を基本に、高齢者につきましては、民生委員の日常の活動から、支援を必要とする方々の所在情報等を付加し、災害発生時には、この名簿を基に民生委員、地区防災拠点、自主防災組織が相互に連携した中で災害時の要援護者の避難支援を行うこととしています。  

 特に、地震災害時には、道路や橋の寸断等による交通の遮断、大規模火災の発生等による行政機関による初動的対応が困難となる場合も想定されるため、自治会・町内会で組織する自主防災組織を主体とした「地域での自助活動」に期待が高まっており、既に、市内の幾つかの自主防災組織においては、地震災害の発生を想定した対象者名簿について自主的に作成するなどの取り組みを行ってきており、意識の高まりが見えてきております。  

 ご指摘のとおり、地震災害発生時には、地区防災拠点と民生委員、そして自主防災組織との有機的な連携を図ることにより、災害時の要援護者への対応が、より効果的に行われることが求められ、国・県の要援護者支援に関するガイドラインにおいても、自主防災組織における地域内の災害時要援護者に関する氏名・住所・家族構成の他、身近な避難支援者や、かかりつけの医療機関名等を含めた「個別支援計画の共有化」の必要性が挙げられております。  

 しかし、個別支援計画は、本人同意が基本となっており、災害時を除き、平常時からの自主防災組織との情報共有は、個人情報を適正に取り扱うことの観点から、「藤沢市個人情報の保護に関する条例」上、懸念されるとともに、今後進めていくにあたり、受け手に渡った個人情報がいかに管理されるかという点につきましても、慎重を期さなければならない課題であることも事実でございます。  

 このような中で、本市の災害時要援護者の「避難支援プラン」いわゆる「個別支援計画」の策定を進めるにあたりましては、地域のご理解や、地域自主防災組織の結成状況や、情報を共有化すべき民生委員と自主防災組織間における連携や、情報の共有化に至るまでの体制整備、個人情報を管理するという認識の確立が前提となります。  

 また、実態把握のため、本年3月には、民生委員を対象としアンケート調査を実施し、現状としての災害時要 援護者の把握方法、日常活動における自主防災組織との連携状況、安否確認体制について把握するとともに、これらのアンケート調査結果を踏まえ、複数体制での安否確認の強化を基本に、現在、民生委員と自主防災組織との連携や、支援活動の一体化につきまして、各地区の防災拠点ごとに議論をしていただいているところでございますが、現段階においては、市内全地区を一括的に進めるということは困難であり、これらの体制が整った地域から順次始めていくことがベストであると考えております。  

 このような地域での支援体制の整備を強化しつつ、第1段階といたしまして、自分の身に災害が差し迫った時の対応が一番困難である「ねたきり高齢者の方」、体幹機能障害や、下肢麻痺等の「身体障害者の方」、緊急な対応が必要となる「人工透析等の医療が必要な方」、家族等の支援が受けられない「単身で生活をされている障害者の方」等、本人同意を前提とした中で順次個別支援計画の策定を行い、それ以外の方につきましても段階的に進めてまいりたいと考えております。  

 いずれにいたしましても、要援護者の方々の個別支援計画の策定につきましては、個々の避難支援者の選定等、慎重に進めるべきところも数多くありますが、災害時の要援護者支援は、必要不可欠であると考えております。  

 要援護者本人や保護者等、また、支援を行う機関・団体等のご意見を聞きながら、行政が中心となり、民生委員及び自主防災組織との連携・協議の中で、寝たきり高齢者から、モデル地区による検証を行いつつ、実施に向けた基本的方向性とスケジュールを確立してまいりたいと考えております。  

【再質問】災害時要援護者の避難支援について、「既に、市内幾つかの自主防災組織において、地震災害を想定した対象者名簿を自主的に作成されている」とご答弁がありました。同時に、地域防災力の強化のご答弁でも、「災害時要援護者の名簿を自主的に作成し、避難誘導や安否確認に活用できるよう準備している自主防災組織がある」というお話でしたが、行政としてはこれまで、個人情報の取り扱いという観点から情報の共有化が難しいとしてきたのに、自主防災組織による独自の取り組みは認めるというのは理解に苦しみます。  

 ご答弁の中でも、避難支援プランを立てるにあたり、情報の共有化に至るまでの体制整備、個人情報を管理するという認識の確立が前提となるというお考えを示されていますが、既に名簿化に取り組んでいる自主防災組織はこのような課題を克服しているのか、再度お聞かせを頂きたいと思います。  

 そして、どこの自主防災組織でこのような取り組みがされているのか、活動状況と併せて具体的事例をお聞かせいただきたいと思います。  

 また、災害時要援護者の個別支援計画の策定にあたっては、民生委員を対象としたアンケート調査を行い、その結果を踏まえ、各地区防災拠点ごとに議論をしているが、市内全地区を一括的に進めることは困難であり、体制が整った地域から順次始めていくことがベストであるとご答弁をされましたが、果たしていつまで体制を整えるのかが非常に曖昧であり、これが本当にベストなのか大いに疑問が残ります。  

 本当にやる気があるのであれば、後何年で市内全地区の体制を整えるという姿勢を是非示して頂きたいと思いますが、再度、ご見解をお聞かせ下さい。  

 また、「民生委員および自主防災組織との連携・協議の中で、寝たきり高齢者から、モデル地区による検証を行い、実施に向けた基本的方向性とスケジュールを確立していきたい」とご答弁がありましたが、モデル地区とはどこを想定しているのか、また、どれくらい時間をかけて検証するのか、そして、基本的方向性とスケジュールを確立するのはいつまでなのか、お聞かせを頂きたいと思います。
【福祉健康部長答弁】「災害時要援護者名簿を自主的に作成している自主防災組織の課題の克服」と、「実施している自主防災組織の活動状況と具体的事例」に関するご質問についてですが、御所見、長後、善行、片瀬、村岡等では、自主防災組織独自による要援護者等の名簿を作成し、災害時の安否確認を想定した準備を進めている地区がございます。  

 これらの名簿は、自主防災組織独自のご努力により、日常の活動の中で作成している名簿であり、近隣にお住まいの要援護者の氏名・住所・地図情報等について把握されておりますが、現段階においては、国・県のガイドラインで必要とされている「自助・共助・公助」を基本とした役割分担を含めた支援体制の記載、すなわち、行政、民生委員、自主防災組織、ボランティア組織等により、地域全体で一人ひとりの要援護者を協働して支援していくという要件を必ずしも満たしているものではなく、また、特に重要とされている「要援護者の身近な避難支援者」について、本人の意向を踏まえ特定し、要援護者一人ひとりの状況に応じた「個別支援計画」を策定するという観点からは、全てをクリアしているものとは言いきれないのが現状でございます。  

 したがいまして議員ご指摘の「国のガイドライン」に基づく避難支援プランと個別支援計画の策定と、地域での情報共有という観点からは、今後、段階的に整備していかなければならないハードルが数多くあるのが現状でございます。  

 また、情報の共有化を進めるにあたっての課題といたしまして、情報提供を望まない要援護者が存在することや、民生委員との間での情報共有を望まない自主防災組織が存在することも事実でございます。  

 現在、本市では、災害時要援護者の所在情報につきまして、関係機関共有方式を基本とし、約1万6千人の要援護者名簿を行政情報として名簿化し、地区防災拠点及び高齢者につきましては、民生委員の日常の活動から、支援を必要とする方々の所在情報等を付加し災害時に備えております。  

 今後は、この方式に加え、「手上げ方式」又は「同意方式」の本市におけるメリット・デメリットについての検証について、行政が中心となり、民生委員及び自主防災組織との連携・関係団体との協議の中で、実施に向けた基本的方向性とスケジュールを確立してまいりたいと考えております。  

 これらを進めるに当たりましては、要援護者本人の支援関係団体への情報開示の同意をクリアした上で、さらに平常時からの自主防災組織等での情報共有をクリアすることが前提となりますので、現在、地域のご理解と課題整理について各地区の防災拠点ごとに議論をしていただいているところでございます。  

 このようなことから、「あと何年で市内全地区の体制を整えるのか、また、想定したモデル地区と検証時間、基本的方向性とスケジュール確立までの期間」に関するご質問についてですが、これらの課題解決を考えますと、市内全地区での体制整備には、相当の時間を費やすものと想定しております。  

 また、モデル地区につきましては、行政・民生委員・自主防災組織との活動の連携と情報の共有化についての課題が解決されていることが前提となりますので、ある程度の見極めが確認できた地区から始めてまいりたいと考えておりますのと、今後実現に向けた地区との事前の調整がございますので、現段階での具体的なモデル地区についてのお答えにつきましては、現在のところ控えさせていただきたいと思います。  

 いずれにいたしましても、本年度中には、いずれかの地域において、モデル地区の選定が出来るよう、努力してまいりたいと考えておりますので、ご理解いだきますようよろしくお願いいたします。

【要望】災害時要援護者の避難支援について、市内全地区の体制整備には、相当の時間を費やすというご答弁でしたが、高齢者の情報を管理している民生委員さんからも、実際にどこまで対応できるか相当困惑していると聞いております。  

 また、何度も言うように、障害者に関する情報は、地区防災拠点の金庫に保管されていますので、有事の際にどこまで対応しきれるのか全く未知数と言っても過言ではないと思います。 担当部署は大変なご努力をされていると理解は致しますが、これは行政全体の問題として、もう少し危機感をもって精力的に取り組むよう 強く要望いたします。


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